記者会見

川村外務報道官会見記録

(平成28年10月26日(水曜日)16時37分 於:本省会見室)

冒頭発言

第5回日英原子力年次対話の開催

【川村外務報道官】10月31日から11月1日まで,外務省において,第5回日英原子力年次対話が開催されます。日本側から川崎方啓外務省軍縮不拡散・科学部審議官,英国側からロビン・グライムス外務省首席科学顧問が共同議長を務め,日英両国の関係当局及び関係機関が出席します。この会合では,原子力研究開発,廃炉・除染,原子力安全・規制など,原子力政策全般に関する意見交換が行われる予定です。

日米韓次官協議

【川村外務報道官】明27日,東京において日米韓次官協議を開催します。北朝鮮が挑発行動を続ける中,北朝鮮問題への対応を中心に,3か国の緊密な協力を3か国の次官で確認する考えです。

杉山外務事務次官と林韓国外交部第一次官との意見交換

【川村外務報道官】本26日午後,杉山晋輔外務事務次官が,林聖男(イム・ソンナム)韓国外交部第一次官と意見交換を行いました。両者は,明日27日の日米韓次官協議も念頭に置きながら,北朝鮮問題について,新たな安保理決議,各国独自の措置などを通じて北朝鮮に対する圧力を強化すべく,日韓で緊密に連携していくことを確認するとともに,二国間関係について意見交換を行い,昨年末の慰安婦問題に関する合意を着実に実施していくことが重要であるとの点で一致しました。

北朝鮮関係

【AP通信 山口記者】昨夜,米国のクラッパー国家情報長官がニューヨークで開かれたシンクタンクのイベントにおいて,北朝鮮非核化の試みはあまり見込みはないと,非核化というよりは核戦力を抑止するような政策に転換した方がいいのではというような発言をされたということですが,これについての日本としての受け止めをお願いいたします。

【川村外務報道官】ご指摘のあったクラッパー・アメリカ国家情報長官の発言は,報道で承知はしていますが,報道に基づくコメントをすることは控えたいと思います。
 日米両国や北朝鮮を始めとする六者会合のメンバーが,2005年の共同声明において,朝鮮半島の検証可能な非核化という目標を一致して確認しています。また,累次の安保理決議も,北朝鮮に対して全ての核兵器及び既存の核計画を放棄するということを求めてきています。我が国としては,引き続き米国を含む関係国と緊密に連携しながら,北朝鮮に対する圧力を一層強化して,朝鮮半島の非核化の実現に向けて,挑発行動の自制や安保理決議の遵守,そして六者会合,共同声明の遵守を強く求めていきたいと考えています。

【AP通信 山口記者】今回の日米韓の協議の中でも,このご発言,あるいは今後の方針については何か話し合われるんでしょうか。

【川村外務報道官】日米韓の協議は明日行われますが,会談が始まる前に予断を持って議題等について紹介することは控えたいと思います。繰り返しになりますが,挑発行動を続けている北朝鮮問題の対応を中心に日米韓の3国の緊密な協力ということを確認し,日米韓の幅広い連携,すなわち,北朝鮮に対する圧力の強化に向けての日米韓の連携のあり方について意見交換が行われるということになるかと思います。

核兵器禁止条約関連

【中国新聞 田中記者】今,ニューヨークで国連総会第一委員会が開かれていますけれども,これに関連して,来年の核兵器の法的禁止の交渉入りを定めた決議案について,日本政府が賛同しない方針を固めたという報道がありますけれども,これについての事実関係とご見解をお聞かせいただけますか。それともう1点,それに関連して,アメリカ政府から各国に対して,またこの同じ決議案に反対をするように求める文書が出ているという報道も各社からしておりますけれども,これについても事実関係を伺いたいのと,日本に対して同じような趣旨の要請があるかどうかお教えください。

【川村外務報道官】ご指摘の点につきましては報道で様々な情報が出ています。これら報道は承知していますが,本件外交上のやり取りに関わる話ですので,日本側がどのような対応を行っているか,また,関係各国とやり取りの具体的な内容についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。ただ,米国とはこれまで「核兵器のない世界」を目指すという目的を共有しております。この目標を共有するということを基礎に,引き続き緊密に米国と意思疎通を図っていきたいと思います。また報道で出ている通り様々な国が提出した決議案があります。本決議案への対応につきましては,ニューヨーク時間の明27日から始まる採択に向けて,具体的な案文を詳細に検討した上で,決定する予定にしています。その意味で,現時点においては我が国の方針,立場というのは現時点では決まっていません。

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