記者会見
越川官房長会見記録
(平成25年12月2日(月曜日)15時01分 於:本省会見室)
冒頭発言
【越川官房長】
今日はお集まりいただきまして,ありがとうございます。
コンゴ民主共和国にあります日本大使館の事務所におきまして,去る6月20日火災が発生し,同事務所が半焼する被害が発生いたしました。外務省として火災の原因について調査を進めて参りました結果,火災当時,同大使館の書記官であった山田真也,現在30歳が放火したとの疑いを持つに至りました。去る8月2日外務大臣名で警視庁に対して同人を放火の疑いで告訴いたしました。以後,警察による捜査に外務省として全面的に協力して参りましたが,本日午後,山田真也が現住建造物等放火罪の容疑で警視庁によって逮捕されました。外務省職員が自ら勤務する大使館に放火した疑いで逮捕されたこと,また大使館において公金の亡失を含む多大な損害が発生しましたことは極めて遺憾でございます。外務省として国民の皆様に深くお詫びを申し上げます。
それではお手元に配布してございます資料に基づきまして,経緯等をご説明申し上げたいと思います。
まず,外務省職員の逮捕に至る経緯でございます。火災発生に関わる事実関係でございます。現地時間6月20日午後7時40分過ぎ,日本時間で言いますと6月21日午前3時40分過ぎ,キンシャサにある在コンゴ民主共和国日本大使館事務所において,火災が発生し,約1時間半後に鎮火いたしました。大使館事務所が半焼する被害が発生いたしましたが,幸い人的被害はございませんでした。
火災による被害でございます。大使館は,現地オフィスビルの4階の全フロアと3階の一部を賃借しておりますが,このうち4階部分が半焼しました。焼失面積は約220平米であり,焼失した物品の損害額は,現時点で判明しているのは約500万円であります。
火災原因にかかる調査及び被疑者に対する措置でございます。当省として火災の原因について調査を進めて参りましたところ,同大使館に会計担当として勤務しておりました山田真也三等書記官が放火したとの疑いを持つに至りました。このため外務省としては,警察とも相談し,8月2日,外務大臣名で警視庁に対して同人を放火の疑いで告訴し,それ以降警察による捜査に協力して参りました。同人につきましては,6月20日の火災発生後,7月1日より用務帰国させており,10月1日付けで外務本省に大臣官房付きとして,本日警視庁により逮捕するに至っております。
公金亡失でございます。鎮火後,大使館において約2,200万円相当の公金が亡失していることが大使館員により確認されております。本件につきましては,引き続き調査等により公金亡失の原因を解明していく所存でございます。
大臣からの指示及び外務省の対応でございます。日本の大使館において,かかる事態が起こったことは極めて遺憾であり,大臣からその旨のコメントを発出され,大臣からは事実関係の解明に対する警察の捜査への協力と,本件に対する厳格な対応及び再発防止の徹底についての指示が出されております。
外務省は,過去の不祥事等も教訓に種々の改革努力を続け,各種規則を整備して参りました。また,各在外公館においては,定められた規則に従い,適切な経理に努めてきているところでございます。在コンゴ民主共和国大使館における公金の亡失につきましては,引き続き行う調査等の結果も踏まえて,本件関係者の処分等も含め厳正に対処していく所存でございます。本件の発生を受け,他のすべての公館に対して,手持現金の取り扱いについて改めて調査した上で,既存の規則の遵守の徹底を指示したところでございます。更に,在外公館及び本省によるチェック機能強化のための措置を今般導入することといたしました。
私の方からは以上でございます。
質疑応答
【NHK 坂本記者】2,200万円相当の公金が無くなっていることが大使館員により確認されたということなのですが,その公金をどのように管理していたのか,また,その後具体的にどのように大使館員の方によって確認されたのか,教えてください。
【志水在外公館課長】今の点に関しましては,金庫が大使館にございまして,鎮火の直後に大使館員により,その金庫の中にあったはずの公金,それが約26万ドル,日本円で1ドル82円の支出官レートによると約2,200万円ですが,亡失しているということが確認されたということでございます。他方,その火事,火災の直後に,あるはずのお金がないということが確認されたわけですが,それが如何にして無くなったかということについては,現在まで明らかになっていないということで,我々としても調査を継続いたしますし,また警察等による捜査によっても明らかになることを期待しているという状況でございます。
【NHK 小川記者】これは全てキャッシュが無くなったという解釈でいいのですか。
【志水在外公館課長】そうでございます。約26万ドルですが,ほとんどドルですが,一部コンゴフランも入っているということでございます。
【NHK 小川記者】それは全て金庫の中が空だったということですか。
【志水在外公館課長】その通りです。
【朝日新聞 菊池記者】金庫の中が空だったということですけれども,最後に確認されたのがいつの時点であったものがこの時点で無くなったというようにお考えになられているのでしょうか。
【志水在外公館課長】この点に関しましては,3月末の時点で約6万ドルはあったと確認されているところですけれども,その後,約26万ドルまであったはずの現金が,そこがどのように無くなったかということについてはまだ明らかになっていないというところでございます。
【朝日新聞 菊池記者】そうなると,3月末時点ですでに6万ドルしか無かったということ事態が正常な状態ではなかったということになるのでしょうか。
【志水在外公館課長】その点も含めてですね,これからきちんとした調査により全容が解明されると,解明していきたいというように考えております。
【朝日新聞 菊池記者】正常な業務によって使われていて6万ドルしかなかったのか,それともこの時点で大使館内で調査等をされていたのかどうかという点について。
【志水在外公館課長】それは,3月末時点でどのような状況になっているかということはチェックして本省に報告することになっていまして,3月末の時点では先ほど申し上げたような状況になっていたということが,紙の上では報告がなされているところでありますけれども,それが本当にそうだったのかを含めてきちんと検証し調査していく必要があるというように思います。
【山下監察査察官】今の志水在外公館課長の説明に若干補足をさせていただきますと,3月末の時点で,あるはずのお金,帳簿上あるべきお金が6万ドルあまりであって,それに相当する金額の現金が存在することをその時点で確認しているという意味であります。
【TBS 井本記者】外務省の捜査に対して,山田容疑者は,放火ないし公金亡失についてどのような話をしているのでしょうか。
【山下監察査察官】それにつきましては,私どもの調査におきまして,放火への関与並びに公金亡失への関与,いずれも否定をしておりました。
【NHK 坂本記者】焼失した物品の損害額が現時点で判明しているのは約500万円とあるのですが,これは具体的にどのような物が燃えたのか,また外務省の機密資料等々いろいろ書類もあると思うのですが,そういったものへの損害というのがあったのか,それを教えてください。
【志水在外公館課長】それに関してはですね,約500万円と申しますのは,机であるとかキャビネであるとか,そういった物品に関しての損失の現在額が約500万円ということであります。それから,ファイル,書類が焼失したかということについては,4階部分の半分くらいが燃えたというように官房長から申し上げましたが,その中には政務の担当の部屋であるとか経済協力の担当の部屋が燃えておりますので,その政務の関係書類であるとか,経済協力の関係の書類などは燃えたということであります。
【NHK 小川記者】金庫からキャッシュを引き出す際の手続きはどうなっているのでしょうか。この山田書記官は会計担当ということですが,自由にお金の出し入れをできる立場にあったのでしょうか。
【志水在外公館課長】山田が会計担当ということでありますが,現金の出し入れ等に関しましては,出納官吏という者が責任を有しておりまして,大使館では次席館員である二木という者が,一等書記官ですが,ローカルランクで参事官の二木孝といいますが,これが出納官吏ということで現金の出し入れ等に関しましては,その決裁を必要とするということであります。
【時事通信 小松記者】(配付資料の)1の(3)の,外務省として原因の調査を進めたところ,山田書記官が放火したとの疑いを持つに至ったということなのですけども,これは何かきっかけというか,不審な点があったというか,どういう経緯で疑いを持つようになったのでしょうか。
【山下監察査察官】それにつきましては,2回にわたりまして外務省から現地に調査チームが参りまして,いろいろな調査を実施した結果を総合して,山田真也の犯行であるという疑いが強いというような判断に至ったわけですが,それの詳細につきましては,今後の捜査に支障を生ずる恐れがありますので,現段階では差し控えさせていただきたいと思います。
【朝日新聞 菊池記者】2回にわたり現地調査をされた時期と,山田真也三等書記官が,10月1日から官房付になっていると思いますが,7月1日に帰国されている訳ですよね。帰国された直後から10月までの所属はどちらにいらっしゃって,どのような業務をされていたのかをお願いします。
【志水在外公館課長】調査は6月末に第1陣,これは当時のアフリカ第一課長,実は当時は私(志水在外公館課長)なのですけども,他が現地に参りました。それから第2陣は7月中旬ですけれども,山下監察査察官他が現地に参りました。
【滝崎人事課長】7月1日に帰国してからその後ということですけれども,調査のために帰国したので用務帰国ということになっております。その後10月1日からは大臣官房付きということでしたけれども,実質的には人事課の下に置いていたということです。
【朝日新聞 広島記者】現職員の逮捕ということで,これから管理監督責任が問われてくると思いますが,そのあたりどのようになっていますでしょうか。
【越川官房長】まさに今回こういう犯罪が起きたこと,容疑者が逮捕されたことは非常に重く受け止めております。一方,容疑者につきましては,監察査察官の方からご説明申し上げましたとおり,放火についても,それ以外についても否定しているという状況でございますので,捜査に対して全面的に協力して,事実の解明というものに当省として全力で対応していきたいと思います。その上で本件に関係する関係者につきましては,厳正な対処,処分等をしていきたいというように考えております。
【朝日新聞 記者】確認なのですが,3月末の時点で6万ドルがあったというのは,それが少なくなってそうなったというのではなく,6万ドルがその時点であるということは適正であったということで良いのでしょうか。
【山下監察査察官】おっしゃるとおりです。
【朝日新聞 記者】山田三等書記官の入省年,それと簡単なプロフィールを教えていただきたいのですが。
【滝崎人事課長】山田ですけれども,平成16年に外務省にIII種職員として入っております。入省後は北米局の日米安全保障条約課,それから大臣官房の総務課,それから在バンクーバー総領事館,そして在コンゴ民主共和国大使館というところで勤務しております。
【日本テレビ 中村記者】普段の勤務ぶりや態度を教えていただいていいですか。
【滝崎人事課長】普段の勤務ぶりは,特段何か普通の人と変わっているとかそういうことはなく,きちんと事務を処理していたというように聞いています。
【産経新聞 中村記者】金庫からお金を引き出す際の決裁についてですが,出納官吏の一等書記官の決裁を必要とするという話だったのですが,結局お金を出し入れした形跡はあったのかなかったのか,本件についてどちらなのでしょうか。
【志水在外公館課長】決裁そのものは行われていたというように考えておりますけれども,他方それが,その結果26万ドルの現金があったということになるはずですけれども,それが実際なかったということなわけですが,実際にそれがどうなっているかということにつきましては,現時点では明らかになってはいないということであります。
【産経新聞 中村記者】決裁は行われていたけれども,どうなっていたかわからないというのは・・・。
【志水在外公館課長】引き出しをするとき,ないしは支出するときにその都度決裁は取るわけでありますが,その結果として現金が6月20日の火災の時点で約26万ドルあったはずです。ですけれども,それが実際無かったわけでありますが,3月末時点において帳簿上,実際6万ドル程度があったということは確認をされたという報告がきているのですけれども,その後,その前からかもしれませんけれども,あるべき物がきちんと本当に使われたかどうかということが確実にチェックされていたか,ないしは確認できるかというと現時点ではまだ明らかになっていないということですので,それはこれからきちんと解明していく必要があるというように考えています。
【産経新聞 中村記者】経理担当者であったということなので,そのお金を自らの実行為として金庫から引き出すということは,彼の立場として可能だったのでしょうか。
【志水在外公館課長】それは,可能であったと思われます。
【産経新聞 中村記者】鍵か何かを所持していたという認識でよろしいのでしょうか。
【志水在外公館課長】鍵はきちんとかけるということが我々として決まりということにしておりますけれども,鍵の管理が十分であったかを含め,それは問われるところだと思いますし,そのことをきちんと監督していたかということについてもそれはきちんと検証する必要があると思います。
【産経新聞 中村記者】触れる立場ではあったと理解してよろしいのでしょうか。この人だけですか。出納官吏もできた。
【志水在外公館課長】実際上のところは,会計担当の山田が事実上管理していたということです。
【時事通信 原田記者】まず山田さんなのですが,調査に対して否定されているということなのですけれども,具体的にどういうことをおっしゃって否定しているのかということをお伺いしたいのですが。それともう一点,現時点で明らかになっていないきちんと解明していきたいということなのですけれども,結構焼失している書類があると思うのですが,そういうものも含めて解明できないのか,それともある程度把握はしているし,今後も把握できると思っているのか,そこの辺りをもう少し教えていただけますか。
【山下監察査察官】具体的な彼の供述内容につきましては,警察等の捜査に支障を生ずる恐れがございますので,現段階では差し控えさせていただきたいと思います。それから焼失したものですけれども,先ほど志水からご説明しました物品等についてはある程度把握できていますが,書類について全て必ずしも把握できない可能性があると思っております。
【朝日新聞 菊池記者】今の質問の関連ですけれども,書類なのですが,政務関係と経済協力関係ということですけれども,量として過去どれくらいからの何年か分ですとか,そのように言えるのか,どれくらいの物が燃えて無くなったのかと,個々具体的に言うとたくさんあると思うのですが,具体的に国内での経済協力関係,その案件について差し支えない範囲で教えていただきたいのですが。
【志水在外公館課長】実際に何が,何年の物からどれくらいあったかという事については,今手元に資料がございませんけれども,政務の担当の部屋,それから経済協力の担当の部屋は,ほぼ完全に燃えたということですので,そこにあった書類も完全に燃えたということであります。そのたぐいの書類については,本省で保管していた物などで補って,執務に支障が無いように今しているということになります。
【朝日新聞 菊池記者】4階にある部屋が燃えたということでした。4階には政務と経済協力関係の部屋しかないのでしょうか。他にも部屋があって,この2室だけが燃えたとかどのような形でしょうか。
【志水在外公館課長】大使室であるとか次席の部屋であるとか,官房の部屋,それから会計担当の部屋などがございまして,その中で大使室の一部,次席の部屋,それから政務の担当の部屋,経済協力担当の部屋,それからローカルスタッフが集まる部屋などが,ほぼ完全に燃えていて,その他の部屋については,煤塵被害,スス,チリの被害などで,完全に燃えていないまでも,かなり被害を受けていると,そういうような状況です。
【朝日新聞 菊池記者】燃えてその書類が全部焼失したのは,この政務担当,経済協力担当以外のところも紛失しているということなのでしょうか。
【志水在外公館課長】政務,経済協力,次席,ローカルスタッフこの4部屋については,ほぼ完全に焼失しています。
【テレビ朝日 藤川記者】書類の焼失の関連なのですけれども,金銭の出し入れに関する帳簿ですとか伝票ですとか,そういった物はどの程度残っているのでしょうか。それもほとんど焼けてしまったということでしょうか。
【山下監察査察官】会計の部屋につきましては,ほとんど火は及んでおりませんで,先ほどの煤塵の被害のみでしたので,書類そのものは火災前のものが残っていたというように理解をしております。
【テレビ朝日 藤川記者】では,放火によって金銭の出納に関する書類が,証拠隠滅というか,そういったものが失われて解明が困難になっているという状況ではないということでしょうか。
【山下監察査察官】その書類がなくなったことによって解明ができないということではありません。
【NHK 小川記者】山田書記官がコンゴ民主共和国の会計担当になったのはいつからかということと,それ以外で,このコンゴ以外で会計担当をしていた経験はありますでしょうか。
【滝崎人事課長】彼が着任したのは,去年の8月15日に発令になって,実際に着いたのは去年の9月ということです。それから会計担当は,基本的には彼が一人でやっていると,もちろんそれを補助したりする者はいますけれども,基本は彼が一人でやっています。また,その前のバンクーバー総領事館においても会計を担当しています。
【TBS 井本記者】用務帰国してからですね,10月までは具体的に何をやっていてですね,どういう意図があって,この期間を過ごさせていた,外務省として。かつ10月1日以降大臣官房付けにした訳ですけども,これの人事の意図というのはどういうことがあったのでしょうか。
【滝崎人事課長】先程もちょっとご説明したように,7月1日に帰ってきて以降というのは,外務省でまず独自の調査をしなければならないということで,この期間,東京に置いておいたということですね。その後引き続き調査をする必要もあるということ,場合によっては今日のようなことになる可能性もあるということで,もはやコンゴに戻す必要はないだろうということで大臣官房付きにしたということです。
【NHK 坂本記者】人事の関係なんですけれども,彼に対する,彼は今否認しているという状態だと思うんですが,彼に対する処分というのはどういう風になるんでしょうか。
【越川官房長】先ほども申し上げましたけども,まだ外務省としては放火の容疑,疑いがあるということで,告訴しております。一方,本人がその事実関係をまだ否定しております。したがって,今日逮捕されたということで,今後捜査当局の解明,この事件の解明を待って,その上で処分についても決めていきたいと考えております。
【滝崎人事課長】先ほど大臣からも申し上げたとおり,その結果を見なければなりませんけれども,厳格に対応していくということは申し上げられると思います。
【NHK 坂本記者】またちょっと違う話なんですけども,この頂いた紙の2枚目のところでですね,本件の発生を受け,既存の規則の遵守の徹底を指示したとありますが,これはいつ,どのように徹底を指示なさったのか。また4番のところで,チェック機能強化のための措置を今般導入することとしたというふうにあるんですが,これ具体的にどのようなチェック体制,導入されたのか,具体的に教えてください。
【志水在外公館課長】大臣の指示でございますけれども,先ほど大臣がコメントということで話しているということでありますが,それを受け,公金の管理の徹底について,先ほど大臣名の訓令の電報を全在外公館に発出いたしました。それから,その次の2ページ目にある再発防止に関してでございますけれども,先ほど来,話にあるように,この現金の扱いというのをきちんとしなければならないという考えから,現在において各在外公館で現金をどれぐらい保持できるかということについては,最小限度の現金を保持できるという形に内規上なっていますが,これを原則として50万円までと明確化することとし,これも本日公電を出したところであります。50万円を超えて,現金の保持が必要な公館というのは,いくつか存在すると思われますが,そのようなところはどれぐらいまで必要なのかということを予め本省に許可を得ることとし,そのような公館は毎月,現金及び帳簿について一致しているかどうかを毎月末にきちんとチェックした上で,外務本省に報告するということにいたしました。それから,50万円を超えない範囲で持っているところも含めて,全ての全在外公館は現在まで年に2回ですね,現金とか預金と帳簿が一致するかをチェックした上で,本省に報告するということになっていますが,これを年4回にするということにいたしましたし,またそのほかに抜き打ち検査も行うということにいたしました。それから,在外公館の中で,いくつか大きな公館というのがございまして,そこに経理のプロが行っているわけですが,そういう者が,会計の広域担当官といいますが,こういう者が,自分が見るべきアフリカなどにある小さな公館について,より頻繁に出張して現地でチェックするとともに,来年度からでありますが,オンラインで,経理システムを広域担当官と現地公館を結んで,広域担当官からもチェックできるようにすることにいたしました。それから出納官吏に対する,ないしは出納官吏がいない場合には代理というのがいますが,そのような者に対する研修を強化していくということでございます。
【NHK 坂本記者】関連で,先ほど50万円を超えない範囲については,現在までは年に2回チェックした上で報告させていたということなんですが,これ,今までは最小限度の現金を保持できるというふうになっていたということだったと思うんですが,これは50万円を超えている在外公館も中にはあった訳ですよね。そのあたりは今までのチェック体制はどうなってふうになっていたのでしょうか。
【志水在外公館課長】そういうところも含めて,全在外公館が,年2回,先ほど3月末の話が出ましたけれども,それもまさにそういう例でありますが,全在外公館から現金,預金,帳簿の状況をチェックした上で,本省に報告することになっていたということです。それが年2回なんですけれども,それを年4回にするということです。 若干補足ですけれども,50万円と申し上げましたが,なるべく現金は少ないほういいのではありますけれども,実際上,小切手だとか電子決済が全くできないような国がありまして,ないしは非常にしにくいところがありまして,コンゴ民主共和国がそのような例ということで,どうしても現金の手持ちのお金が50万円よりもかなり多いという状況になっていたということがあります。そういう公館については,先ほど申し上げたように,どれくらい持てるのか,持たなければいけないのかということについて,予め事前に本省の許可を得るという形を今回導入したということであります。
【共同通信 宮代記者】亡失した26万ドルについてなのですけれども,出納担当の一等書記官は,この点についてどのようにおっしゃっているのでしょうか。26万ドルという数字は,帳簿上はあることになっているけれどもない,その間,支出されているものは,自分が全てチェックして出したというものなのか,それとも,思いもよらない支出が帳簿上発生しているとか,そのあたりのことは調査上どうなっておりますでしょうか。
【山下監察査察官】支出については,先ほどご説明をしましたように,必ず出納官吏の決裁を経ないと支出はできないことになっておりまして,その決裁手続はきちんとなされているのですが,ただ,金庫の中に実際に現金が,帳簿に相当する現金が存在するかどうかにつきましては,先ほど御説明いたしましたように,3月末の時点では存在をした。その後については,本件火災に至るまで,明確には確認されていないということでございます。
【共同通信 宮代記者】念のための確認なのですが,公金の亡失が発生しているということに気づいた段階というのは,火災後でよろしいのですか。
【山下監察査察官】そうです。
【共同通信 宮代記者】調査も火災後始められたと。
【山下監察査察官】はい。
【共同通信 宮代記者】もう一点,非常に基礎的なことなのですけれども,人事関係のことなのですが,今,官房付になっていらっしゃるのですけれども,官房付になった10月1日の時点で,大使館の三等書記官という身分はもう消失しているという理解になるのでしょうか。
【滝崎人事課長】そのとおりです。
【NHK 小川記者】金庫は大使館のどの部屋にあったのでしょうか。それとバンクーバーで公金がなくなっているということはありますか。
【山下監察査察官】金庫につきましては,会計担当の部屋にあって,金庫の鍵も会計の正担当であった山田真也が一次的に管理をしていたということであります。 それから,山田の前任地でありますバンクーバー総領事館につきましては,一応調査は行っておりますけれども,その内容につきましては,捜査に影響するおそれがございますので,現段階では差し控えさせていただきたいと思います。
【NHK 小川記者】会計の部屋は焼けていないのですか。
【山下監察査察官】会計の部屋は,ほとんど火は入っておりません。
【朝日新聞 菊池記者】何度も聞いて恐縮なのですが,3月の時点で金庫には適正に6万ドルが残っていたわけですね。その後,つまり20万ドルが帳簿上は増えているわけですね。出たり入ったりの繰り返しの中で,結果的に20万ドル増えて,26万ドルあったという理解でいいのでしょうか。そんなに増えるものなのでしょうか。
【山下監察査察官】帳簿上は,その後,増減があったわけですが,火災の時点では金庫の中に26万ドルあるべき帳簿の残高になっております。
【朝日新聞 菊池記者】結果的に20万ドルという大金が増えるという支出,出し入れが本来あるべきものなのでしょうか。こんなに多額な金額と思ったのですけれども,20万ドルというのは通常のことなのでしょうか。
【志水在外公館課長】コンゴ民におきましては,先ほども申し上げましたけれども,多くのものは現金でやりとりされているということですので,50万円だけで何とかなるというものではないとは思われます。
常時,そのような出し入れのために,5万ドルから10万ドルぐらいは必要であったということは認められます。他方,26万ドル必要だったかということについては,非常に疑問が残りますので,これについては,帳簿上は約26万ドルあったはずだということなのですが,ここはきちんとさらに解明していかなければいけないということだと思っております。
【朝日新聞 菊池記者】聞き漏らしていたら申しわけないのですが,今後50万円以上というお話でしたが,内規ではこれまでも50万円だったのでしょうか。それとも違いますか。
【志水在外公館課長】違います。最小限度ということです。
【朝日新聞 菊池記者】それは特に金額としては決まっていなかったのですか。
【志水在外公館課長】金額は明記されていなかったものです。
【朝日新聞 菊池記者】当時の大使等からも引き続き事情を聞いているのかどうかと,当時の大使は今どちらにいらっしゃるのでしょうか。
【越川官房長】引き続き,大使で現地にいます。
【朝日新聞 広島記者】また,26万ドルの話なのですけれども,その被疑者あるいは一等書記官は,26万ドルもあったことについては,どういうふうに説明しているのでしょうか。なぜ,これほどの現金を置いていたというのは。
【山下監察査察官】それにつきましては,捜査にかかわる内容になりますので,現段階では差し控えさせていただきたいと思います。
【朝日新聞 広島記者】では,ある程度,お話はされているということなのですか。
【山下監察査察官】一応,事情は聞いております。
【TBS 井本記者】関連なのですけれども,この26万ドルの説明について,横領について否認をしているということなのですけれども,それに対して,矛盾点とか,そういったものというのは,特にはなかったのでしょうか。
あと,これが客観的になくなっているわけなので,そのなくなっていることについては,どういう説明をしているのでしょうか。
【山下監察査察官】その点につきましても,繰り返しになりますけれども,供述の内容にわたる部分につきましては,現段階では差し控えさせていただきます。
【時事通信 原田記者】26万ドルの件なのですけれども,山田さん以外に,同じように疑いをかけられる人物とかというのは,今のところ考えられるのでしょうか。例えば,一緒に現金を取っていたとか,もし,今後なのですけれども,おっしゃれないと思いますが,横領というような嫌疑で,告訴,告発のようなことも考えられているのかということと,あと,これは一点細かいことで申しわけないのですけれども,7月以降,山田さんに対しては,給料が支払われていたということでよろしいのでしょうか。
【山下監察査察官】ご指摘の点につきましても,視野に入れつつ,調査を今までもしてまいりましたし,今後とも続けていきたいと思っております。
【時事通信 原田記者】それから,給料のこと。
【滝崎人事課長】給料については,7月以降も支払われております。
【朝日新聞 広島記者】その給料にもかかわるのですけれども,外務省として,8月でしたか,刑事告訴されているということは,被疑者,犯人として蓋然性が高いと判断されているわけですけれども,その時点で,例えば,給料を払わないとか,出勤させないとか,そういう判断はなかったのですか。
【滝崎人事課長】先ほどのどういう処分を考えていますかということとも関係するかと思うのですけれども,今の段階では我々はもちろん告訴していましたし,疑いはあると思っていますけれども,それは今後の警察の捜査とか,あるいは司法の手続の結果としてどうなるかということですので,7月の段階では今おっしゃったような措置をとることは考えておりませんでした。
【産経新聞 中村記者】山田さんのほうに,お金に困っているような事情があるとか,借金があるとか,そういうようなことは聞き取りの中で出てきているのでしょうか。
【山下監察査察官】借金につきましては,複数の外務省員からの借金があるということを調査の過程で確認をいたしております。
【産経新聞 中村記者】金額は幾らぐらいですか。
【山下監察査察官】詳細については現段階では差し控えさせていただきます。
【産経新聞 中村記者】名目は家のローンとか,何かありますか。
【山下監察査察官】その点につきましても,現段階では差し控えさせていただければと思います。
【産経新聞 中村記者】あともう一点だけ。26万ドル,私も気になるのですけれども,20万ドルという増え方をしているのは,それは一気にどこかの時期にどんと入ったという理解なのですか。それとも繰り替えされている中で結果的に帳簿上そうあってしかるべきタイミングだったということなのでしょうか。
【山下監察査察官】一度に20万ドルではなくて,何回かに分けて現金を大使館の口座から引き出しているということでございます。
【産経新聞 中村記者】犯行,例えば6月20日ですけれども,6月ぐらいにまた幾らかお金が入っているとか,そういうことは確認とれているのですか。
【山下監察査察官】今,手元に具体的な入出金の資料がないのですが,ある程度の間隔で,先ほど話に出ました5万ドル程度の出金はあったかと記憶しております。
【産経新聞 中村記者】毎年の決まり事として6月には幾らか金額が振り込まれるようになっていたとか,そういうことではないですか。
【志水在外公館課長】6月に必ずこういうものを振り込むとか,支出するというのがあるというふうには承知しておりませんけれども,かなりの額の現金の支出というのは必要であり,例えばローカルスタッフの給与であるとか,かなりまとまった額が現金で必要であることは確かだと思います。
【産経新聞 中村記者】それが6月がですか。
【志水在外公館課長】6月に限らずですね。
【産経新聞 中村記者】毎月のことでということですね。
【志水在外公館課長】はい。
【東京新聞 福田記者】26万ドルの話なのですけれども,その20万ドル増えた使途目的というか,今,言っていたように毎月必要なローカルスタッフの給料とかだけでは多分そんなに増えないのではないかと思うのですけれども,何か言える範囲で,こういうことがあったので,これぐらいたくさんのお金を口座から引き出しましたみたいなものは調査でわかっているのでしょうか。
【志水在外公館課長】まさに,なぜこのように増えたかということについては,先ほど山下から申し上げたように,本人からも話を聞いているところでありますが,現在までに明確な回答が得られていません。どうしてこういうふうに増えたのか,そしてそれがどうしてなくなったのかということについて,明確な事実関係が明らかになっていないということですので,引き続き解明に努めていくということだと考えております。
【東京新聞 福田記者】関連なのですけれども,出納係の人が決裁でこういう名目でというふうに求められたら出すかと思うのですけれども,その人の説明でこういうことがあってというのは,少なくとも聞きとれているのではないかという気がするのですけれども。
【志水在外公館課長】出納官吏も含めて,必要な情報を入手しようと我々は努力してきているわけですが,現在まで明確な事実関係はまだ明らかになっていないということでございます。
【東京新聞 福田記者】そうするとやはり出納官吏の職員,書記官というのも,もしかしたら共犯の可能性もあるという意味合いで何となく捉えてしまいそうなのですけれども,そういうことでは別にないのでしょうか。
【志水在外公館課長】現時点まで,山田以外に共犯の疑いがあるという話を我々としては把握しておりませんが,繰り返しですけれども,引き続き全容解明すべく我々も努めますし,警察においても捜査を続けるわけですので,その中で全容が解明されることを期待しております。
【フジテレビ 森記者】その出納官吏の方も含めて,今,コンゴの大使館から日本に帰されている人というのは,山田容疑者以外にいるのでしょうか。
【滝崎人事課長】今この時点でこの事件の関係で呼びかえされている者はいません。
【朝日新聞 菊地記者】繰り返しですが,出納関係の書類等は焼失を免れて残っていたというお話でしたので,20万ドルの増加分は調べれば,しっかりとどうして増えたのかは明確に分かるかと思うのですけれども,それについては捜査に支障があるので,ご説明できないということなのか,事実関係の詳細がよく分からないということなのか,どちらでしょうか。
【山下監察査察官】現金がいつ口座から出ていっているか,大使館の金庫に入ったかということは確認ができておりますけれども,では,いつの時点までその現金が金庫に確かにあったかということについては,なかなか山田真也をはじめ関係者が毎日金庫の中をチェックしているわけではありませんので,その点について,ではいつの時点でなくなったかと,いくらなくなったかということを確認,確定するということは,なかなか困難を伴うことでございますけれども,いずれにしても,出来る限りどういう経緯で26万ドルが紛失したかのということについては,可能な範囲で引き続き調査を続けたいということでございます。
【朝日新聞 菊地記者】お金がなくなった経緯は調査中かと思うのですけれども,残額,金庫内が26万ドルまで積み上がった名目等については事実としては分かっているということ,どういう名目で引き出しているのか,決裁が残っているということなのでしょうか。
【山下監察査察官】お金を引き出すときに,会計担当の方で出納官吏に,こういうことで,例えば5万ドルをおろしますという説明は当然なされていたと思われますけれども,どの時期に具体的にどういう説明でお金をおろしたかということについては,ある程度話は聞いてはおりますが,更に引き続き調査を続けていきたいと思います。
【朝日新聞 菊地記者】別件なのですけれども,物品の被害が500万円というのは,大使館内の物品と思うのですが,こちらはオフィスビルですので,他にテナントで入っているところに水の被害ですとか等々で,そういう被害は発生していないのでしょうか。金額としてあるとするとどのくらいなのか,お願いします。
【志水在外公館課長】おっしゃられるとおりで,大使館の中で大使館が保持していた物品の損失額の現在価値が約500万円ということでございまして,そもそも借りていた部屋がかなり燃えているわけですが,そういったものについての損害賠償等が発生するでしょうし,それから,他に借りていた人たちに損害がいろいろな形で及んでいる場合にはそこからも損害賠償がくる可能性はあると思います。
現在までに,そのような具体的にいくらいくらの損害が発生したのでそれを請求せよという損害賠償請求は受けていませんけれども,今後はあり得べきというように思われます。
【朝日新聞 菊地記者】その場合は,当然金額の見積もりはわからないですけれども,500万円という規模ではない金額になりうるということでしょうか。
【志水在外公館課長】相当な金額になる可能性は当然あると思います。
【朝日新聞 菊地記者】億単位でということも。
【志水在外公館課長】その可能性も否定できないと思います。
【時事通信 原田記者】会計書類等というのは,警視庁の捜査には全面的にご協力されているということですが,既に提出されていると考えてよろしいでしょうか。
【山下監察査察官】どういう書類を提出しているかについては,捜査の中身に関わりますので,この段階では差し控えさせていただきます。
【志水在外公館課長】他方,大臣からもコメントで申し上げているように,警察の捜査には我々としては全面的に協力していくということでございます。これまでもしてきましたし,これからもしていくということであります。
【NHK 坂本記者】大使館の体制について確認したいと思います。大使は継続して大使館で勤めていらっしゃるということですが,現在のコンゴ民の大使館は総勢何人で,彼が担当していた会計担当というのは,もう代わりの方が担当していらっしゃるのか。あともう一点が,大使館のフロアは火災によって半焼したということなのですが,業務は現在どうしていらっしゃるのでしょうか,あと移転の予定というのはどうでしょうか。
【滝崎人事課長】大使館は日本から派遣されている,いわゆる公務員の身分を持つ者が9名おります。山田の後任は配属されています。それから,日本から派遣されているその他のタイプの,専門調査員とか派遣員といった人間が4人ほどおります。それから,現地で雇われている現地職員という人が15人,そういう体制になっております。
【志水在外公館課長】火災が発生した後,大使館の機能はとりあえず大使公邸で行っておりましたけれども,9月に大使館の仮事務所を借りまして,現在は,9月以降,そちらに移って執務をしている状況であります。
【産経新聞 中村記者】燃えた部屋の確認ですが,政務関係の部屋と経済協力関係の部屋,ローカルスタッフの部屋と大使室の一部,あと次席の部屋ということでよろしいのでしょうか。
【志水在外公館課長】それがほぼ全焼しました。
【産経新聞 中村記者】大使室も全焼。
【志水在外公館課長】大使室の一部です。
【産経新聞 中村記者】大使室の一部は焼けて,次席の部屋,政務関係,経済協力関係,ローカルスタッフの部屋はほぼ焼けていると。仕切りなのですが,個室になっているのでしょうか。会計室というのも,一個づつ独立しているのでしょうか。
【山下監察査察官】基本的には独立しているのですね,全部。
【産経新聞 中村記者】なので会計の部屋には火は及んでいないということ,届かなかったということですか,つまり。
【山下監察査察官】会計の部屋は階段を挟んで少し離れた場所にありましたので。
【産経新聞 中村記者】4階ではあるのですか。
【山下監察査察官】4階でございます。
【産経新聞 中村記者】火は及んでないということですか。
【山下監察査察官】はい。
【毎日新聞 神保記者】山田さんが他の職員の方,複数人にお金を借りていたということなのですけれども,これは現地の方なのか,または国内にいるこちらの方なのか。それと,お金を借りる名目,先ほどの質問でも出たとおもうのですけれども,差し支えなければ伺えればと思うのですが。
【山下監察査察官】現段階で把握している借金につきましては,コンゴにいる者以外の外務省員からということでございます。名目につきましては,いろいろございますけれども,現段階では差し控えさせていただきたいと思います。
【毎日新聞 神保記者】複数人というのは,具体的に何人の方からお借りをされているのでしょうか。
【山下監察査察官】それについても,現段階では差し控えさせていただきたいと思います。
【朝日新聞 広島記者】基礎的なことなのですけれども,金庫に入る前に,海外送金とされたお金が現地の銀行などに入るわけですよね,それを金庫に移すときに,何に使うから引き出すと,銀行口座から引き出すという事は必要ないのでしょうか。
【志水在外公館課長】必要な場合もありますが,他方いろいろな用途で現金を使っていますので,用途を必ずしも確定せず,とりあえず現金はこれぐらいはあった方がいいという金額を引き下ろして金庫に入れている場合がございます。
【朝日新聞 広島記者】金庫から出すときに,使途とか金額を決裁を受けて出すということですか。
【志水在外公館課長】そういうことでございます。
【朝日新聞 広島記者】その場合,つじつまが合わない時があると思うのですけれども,例えば銀行口座からおろしたのに,実際のことには使われずに,金庫の額と違う場合というのはないのでしょうか。
【志水在外公館課長】26万ドルに関しては,それだけ現金を引き下ろして,ないしは日々の例えば査証手数料とかで現金が入る場合がありますから,そういったものが金庫の中にあったはずということなのですけれども,それがどうしてなかったかということについては,帳簿上,これは支出したというものについては,あるべき現金の中から引くわけですが,そのようにして計算されたあるべき現金がないわけです。なので,それが何故なくなったかということが現在で明らかになっていないというのが現状でございます。
【産経新聞 中村記者】帳簿上の支出はなかったのですか。
【志水在外公館課長】いろいろあって,差し引いた上で約26万ドルという話です。
【産経新聞 中村記者】26万ドルがあってしかるべきだったのですよね,その当時の段階では。帳簿上の支出はなかったというのは,どこの部分に書かれているのでしょうか。帳簿上の支出はなかったというのは,どこに書かれているのでしょうか。
【志水在外公館課長】こういう現金を支払ったというものがあれば,帳簿上それが明らかになっており,証拠書類が明らかになっていれば,例えば30万ドルの内4万ドル使っていれば26万ドルが金庫にあったはずなわけであり,そういう意味での26万ドルです。ということですが,(この約26万ドルが)どのようになくなったか,支出したのかということが現時点では我々はまだ把握できておりません。
【産経新聞 中村記者】なくなったというのは,彼がとったからということでしかないのではないですか。
【志水在外公館課長】そこを断定的に言えるかどうかということです。本人はそれを認めていないわけですから。
【産経新聞 中村記者】現時点では何か使ったような確認はとれていないということなのですね,当然。
【志水在外公館課長】現時点では確認できていないです。
【産経新聞 中村記者】抜き打ち検査というのは,今回を受けて初めて取り組むことですか。
【志水在外公館課長】そうでございます。