記者会見

中山外務副大臣会見記録

(平成27年3月26日(木曜日)15時39分 於:本省会見室)

外為法違反事件の日朝協議への影響

【NHK 小嶋記者】本日ですけれども、北朝鮮からの松茸を輸入したということで、京都府警が逮捕者を出しまして、それに関連して、朝鮮総連の議長宅等を家宅捜索したと。
 許宗萬(ホ・ジョンマン)議長は、日朝関係にも影響が出るような発言を記者団にしていますけれども、今回のこの事件が日朝関係に与える影響について、どのようにご認識されているのかお願いします。
 
【中山副大臣】まず、北朝鮮に対して調査を迅速に行ない、速やかにかつ正直に日朝協議の場で結果を通報するよう、強く求めていくという政府の立場には、何ら変わりはございません。
 NHKさんの報道を拝見していますと、今回の捜査が北朝鮮への圧力として行われたのではないかというご主張をしている旨の報道も承知しておりますけれども、警察においては、適正な手続に基づいて捜査を行っているものと承知をいたしております。
 いずれにしましても、政府としては、引き続き全ての拉致被害者の帰国に向けて全力を尽くしていくという考えでございます。

チュニジアにおける銃撃テロ事件

【NHK 小嶋記者】ちょっと別件なのですけれども、本日、衆議院の安全保障委員会で、民主党の玉木議員が質問をしているのですけれども、チュニジアの、例の日本人の方も亡くなられたあの事件に関連して、外務省の職員が、結城法子さんに対して取材を断る権利があるというようなことを言ったという手記を公表していまして、それに対して大臣は、高原駐チュニジア大使が取材を受けるか断るか、ご本人のご判断次第である旨を説明したと、本日答弁していますけれども、これは、大臣の答弁と結城さんの手記では大分トーンが違うのですけれども、これは、事実関係は、玉木議員は、取材拒否を助言したともとれるというふうに指摘していますけれども、こういうやりとりがあったのかどうかについてお願いします。
 
【中山副大臣】結城法子さんの手記には、一部のみが抜粋されて記載されているようですけれども、高原駐チュニジア大使と結城法子さんとの実際のやりとりにおいては、取材の要請について、「あなたが受けるのは自由です。断るのも自由です。」そのように申し上げた上で、「必ず取材に応じる必要はありません。」と述べたものであります。ご指摘の岸田大臣の答弁につきましては、こうした大使の発言の趣旨についてご説明を申し上げたものであり、大使の発言が取材拒否を助言したものであるとのご指摘は当たらないと考えております。
 政府としましては、今後とも邦人保護のために被害に遭われた方の心情に寄り添いながら、適切な支援を行っていくという考え方でございます。

外為法違反事件の日朝協議への影響

【時事通信 松本記者】先ほどの朝鮮総連の強制捜査の件ですけれども、日朝協議の今後の見通しを副大臣はどうごらんになっているのか。特に7月が再調査の1年のめどの期限になっていると思うのですけれども、今後の見通し、迅速、正直な回答という見通しがあるのかどうか、お聞かせください。
 
【中山副大臣】これは相手のあることでありますし、7件10名の当初拉致事件の原点から考えましても、警察白書に載った時点から時間が経過しているという事実もあると思います。また、先日も横田めぐみ様のお母さん、コンサートでも切実な思いを訴えていらっしゃったというのを私も報道で承知をいたしております。
 そんな中、北朝鮮に対して、私どもはしっかりと調査というものを迅速に行って、そして、速やか、正直に結果を通報する姿勢を示してほしいということは強く、幾度となく繰り返し先方には要請をしております。その政府の立場は全く変わりないということでございまして、この姿勢を私どもは引き続き北朝鮮の政府側に対して強く申し入れを行っていく。そこに尽きると思います。
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