記者会見

小野外務報道官会見記録

(令和4年5月18日(水曜日)15時59分 於:本省会見室)

冒頭発言

イスラム協力機構(OIC)に対する我が国政府代表の任命

【小野外務報道官】本日は、私(小野外務報道官)から1点、イスラム協力機構(OIC)に対する我が国政府代表の任命について申し上げます。
 今般、新村 出(しんむら いずる)在ジッダ日本国総領事を、イスラム協力機構(OIC)に対する初代の日本政府代表として、併せ任命することを決定しました。
 OICは、57のイスラム諸国・地域が加盟をする地域機構であり、中東和平問題のほか、中東地域のみならず世界各地における暴力的過激主義に関する取組やイスラム諸国と世界各国との関係強化に向けた取組など、多岐にわたる活動を行っています。
 我が国は、これまでのOIC事務総長等と定期的に意見交換を行うなど、OICとの関係強化と連携に努めてきています。
 現在、G7をはじめ多くの主要国は、対OIC代表又は特使を任命し、定期的なハイレベル協議の実施に加え、ジッダにおいて日頃からOIC及び関係国との関係強化に努めています。
 こうした状況を踏まえ、我が国としてもOICが本部を置くジッダにおいて、我が国の外交活動を強化する観点から、新村総領事を対OIC政府代表に任命をしました。
 今回の対OIC政府代表の任命により、OICとの関係、更には我が国とイスラム諸国との関係が一層強化されることが期待されます。私(小野外務報道官)からは以上です。

日中外相テレビ会議

【朝日新聞 相原記者】午前中にあった日中外相のオンライン協議について伺います。今日のオンライン協議は、半年ぶりとなったわけですけれども、日本側から提案したと聞いています。この半年間、ああいった中で、今回このタイミングで日本側から提案した、その理由を教えてください。

【小野外務報道官】ウクライナ、北朝鮮情勢等、世界情勢が大きく動く中で、日中両国の、その外交当局間での意思疎通が、一層重要となっている現状を踏まえ、双方の調整の結果、このタイミングで行われたというものです。ご指摘のとおり、本件の会合は日本からそういった背景で提案をしたものです。

日米首脳会談・日米豪印首脳会合

【読売新聞 金子記者】今週末からバイデンさんがいらして、日米首脳会談、そしてクワッドと続きますけれども、大きな会談を通じて、日本としてどういったことを働きかけて、発信をしていきたいかについて伺います。

【小野外務報道官】バイデン大統領の訪日ですが、2013年に副大統領として訪日されて以来となります。日本政府として、大統領就任後、初めてとなる、今回の訪日を心から歓迎をいたします。
 日米同盟は、日本の外交・安全保障政策の基軸であり、インド太平洋地域、そして国際社会の平和と繁栄の基盤であります。ロシアによるウクライナ侵略という、力による一方的な現状変更が現実に行われ、国際秩序に大きな衝撃が加えられている中で、インド太平洋、とりわけ東アジアにおける平和と繁栄を確保するために、日米同盟の更なる強化や、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組を含めた、あらゆる面での緊密な連携を確認することは、極めて重要であります。今回の大統領の訪日が、日米両国の、そうした決意を、内外に示す機会となることを期待をしております。
 議題、また協議の具体的な内容について、現時点で予断をすることは差し控えますが、安全保障、ウクライナ情勢をはじめとする地域情勢、経済、地球規模問題といった共通の重要課題について、日米の両首相間で、対面での率直な議論が行われ、こうした議論を通じて、首脳間の信頼関係が更に深められ、日米同盟の更なる強化や「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組を含む、あらゆる面での緊密な連携が確認されるということが想定されております。
 また、クワッド、いわゆる日米豪印ですけれども、5月24日に、岸田総理主催の下で、東京で日米豪印首脳会合を開催をする予定です。日米豪印の取組は、今や「自由で開かれたインド太平洋」の推進に中心的な役割を果たしており、特に、ワクチン、インフラ、重要・新興技術などの分野で、実践的な協力を進めてきています。今次会合が、対面形式であるということも活かし、国際情勢や地域情勢等について、首脳間で率直な意見交換を行うとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力への力強いコミットを、日本から世界に示す機会としたいと考えています。
 この会合につきましても、このタイミングで、議題や具体的な協議内容について、私(小野外務報道官)の方から申し上げることは差し控えたいと思いますが、ウクライナ情勢を含めた国際情勢・地域情勢について、首脳間で率直に議論を行うとともに、今回のロシアによるウクライナ侵略のような、力による一方的な現状変更を、いかなる地域においても許してはならないということ、こうした状況にある今だからこそ、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組を一層推進していくことが重要であること等を、日本としてもしっかりと訴えていきたいと思っています。

【毎日新聞 日下部記者】今の話に関連して、日米首脳会談ですが、こういうウクライナ情勢がある中で、やはりアジアにも関連することであるというのは、以前からある認識だと思うんですが、もちろん、そういった中で対中政策とか、そういったもののすり合わせが行われると思うんですが、どういったような対中に関する認識とか、施策に対してどういうようなすり合わせといいますか、どういうような期待、今後の会談でどういう期待感があるのか教えてください。

【小野外務報道官】先ほど私(小野外務報道官)が申し上げたことにつきますけれども、今回は2013年以来のご訪日ということで、対面で、じっくりと、様々な分野について協議を重ねる中で、そうした率直な議論を通じて、信頼関係を更に深めていくことや、日米同盟の更なる強化や「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組など、緊密な連携を確認していくことを期待しております。
 日中関係のお話ですが、まさに先ほどのご質問にもありましたとおり、本日、日中外相間でのテレビ会議が行われました。そこで大臣が述べたとおりですが、日中両国間には、隣国であるが故に様々な問題がありますが、その中でも主張すべきは主張すると同時に、諸懸案も含めて対話をしっかりと重ねて共通の課題については協力し、本年が日中国交正常化50周年であることも念頭に置きながら、建設的・安定的な関係の構築を目指すというところが基本であります。
 今回のバイデン米国大統領の訪日中にも、こうした、我が国の基本的立場を説明する中で、様々な分野での協議を重ね、先ほど申し上げたような成果につなげていきたいと思っております。

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