記者会見

横井外務報道官会見記録

(平成25年6月26日(水曜日)16時32分 於:本省会見室)

冒頭発言-鈴木外務副大臣の核セキュリティに関する国際会議出席について

【外務報道官】6月30日から7月1日までの間、鈴木俊一外務副大臣は、オーストリアのウィーンを訪問します。
 鈴木副大臣はウィーンにおいて、核セキュリティに関する国際会議に出席し、政府代表演説を行うほか、各国からのハイレベルの出席者等との間で意見交換を行う予定です。

日本外交の発信力

【朝日新聞 倉重記者】報道官、振り返って、改めて日本外交の発信力の課題について、思うところをお願いいたします。

【外務報道官】まさに外交において、相手国政府に対する働きかけが伝統的な外交とされてまいりましたけれども、この数十年の間、例えばインターネットの普及、それから、各国のメディアにおけるさまざまな手段の発達、さらには外交の主体がこれまでの政府からNGOであったり、あるいは国民の一般の方々であったり、外交のプレーヤーの多様性ということも相まって、まさに政府間同士の交渉だけで外交が事足りるという時代はもうとうに昔のこととなっていると理解しております。
 その結果、ご承知のとおり、「パブリック・ディプロマシー」という新しい分野が注目を集めておりまして、これまでの伝統的な分野に加えて、さらに多くの外交的な努力、さらには外交リソースの傾注というものがなされております。これは日本だけに限らず、むしろ各国が大変努力を傾注しているところでありまして、それに伴い、当省におきましても昨年8月の組織替えにおいて、新しい状況に対応すべく、まさにパブリック・ディプロマシーの統一司令塔を兼ね備えた組織としての外務報道官・広報文化組織というものをつくられました。
 これまでさまざまな努力、例えば昨年8月以来の竹島の事例、あるいは尖閣の事例等、これまで外務省が、試みてこなかったわけではないのですけれども、まさに国際広報における一大キャンペーンという非常に大きなチャレンジに直面し、努力を傾注しました。今ほど申し上げた課題にとどまらず、我が国が取り組むべき課題は非常に多いと思います。
 私自身、日本のソフトパワーというものを分析した際に、まず2つの次元。1つは日本に対する好感度を高めること。それから、我が国が発する全ての政策、あるいはメッセージ等において、それが公正であってクリアなことが必要という観点に立ち、我が組織の中でも、あるいは外務省の中にあっても、我々が外交を考える上で常に、今申し上げたような要素を考えるべきということを発信してきたつもりであります。
 これから、この分野におけるチャレンジというものは非常に強いものであり、また、我々が早急に対応すべきものと思いますけれども、今後とも外務省挙げて、あるいは日本国政府挙げて努力を傾注していくということかと思っております。
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