記者会見

小野外務報道官会見記録

(令和5年3月1日(水曜日)15時47分 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)国際連合大学新学長の就任

【小野外務報道官】本日は、私(小野外務報道官)から3点ございます。
 まず1点目が、国際連合大学新学長の就任です。
 本1日、チリツィ・マルワラ・ヨハネスブルグ大学副学長が、東京に本部を置く国際連合大学の学長に就任をされたことを、我が国として歓迎いたします。
 国際連合大学は、日本に本部を置く唯一の国連機関であり、国連システム全体のシンクタンクとして、世界が直面する重要課題の解決に資する活動を行っています。
 また、大学院学位プログラムにより、サステイナビリティ学などの修士課程及び博士課程を提供しており、次世代を担う人々を育てる教育機関としての役割も果たしています。
 マルワラ新学長の下で、同大学が一層発展することを期待するとともに、我が国はホスト国として、引き続き、同大学との関係を深め、その活動を支援していく考えです。

(2)第16回日本国際漫画賞

【小野外務報道官】続きまして、第16回日本国際漫画賞です。
 明日2日、飯倉公館におきまして、第16回日本国際漫画賞授賞式を開催いたします。
 「日本国際漫画賞」は、漫画文化を通じて、国際交流と相互理解の輪を広げることを目的として創設され、第16回を迎える今年度は、77の国と地域から、過去最多となる503作品の応募がありました。今般、韓国から応募されたソン・リュル(seong ryul)氏の『夏の中で』が最優秀賞として選ばれました。加えて、優秀賞3作品、入賞11作品を含む、受賞作15作品が決定されました。概要については、お配りした資料をご覧ください。
 明日の受賞式には、実行委員長である林芳正外務大臣の代理として、武井外務副大臣が出席予定です。また、最優秀賞、優秀賞受賞者が、世界各地から国際交流基金の招聘により参加を予定しています。
 漫画は多くの国・地域で、日本文化や日本語に関心を持ってもらうきっかけともなっています。このような観点からも、外務省としては、引き続き、日本国際漫画賞を通じて、国際社会における漫画の普及と、漫画を通じた文化交流を後押ししていきたいと考えています。
 本式典は、3年ぶりに対面での開催となります。本会見後に、授賞式の取材要領を発出いたしますので、ぜひ会場にて取材いただければと思います。

(3)帰国留学生総会の開催

【小野外務報道官】第3に帰国留学生総会の開催です。
 3月8日、日本への留学経験のある元外国人留学生の方々を対象とした、第3回帰国留学生総会を開催いたします。この帰国留学生総会は、参加者の方々の日本との繋がりや、関心の再認識を図るとともに、帰国留学生同士の現地ネットワークを強化し、帰国留学生間の交流を活性化することを目的として開催されます。
 総会では、各国に所在する日本帰国留学生会の活動紹介や意見交換が行われ、外務省から、武井外務副大臣が出席をする予定です。また、岸田内閣総理大臣のビデオメッセージが上映されるとともに、参加者代表からの活動報告が行われる予定となっています。
 本総会は、2021年から2度にわたってオンラインで開催されておりましたが、今回は初めて対面で20か国を招き、更にオンラインで29か国から、元留学生の代表者が参加いたします。
 こちらにつきましても、後ほど取材要領をお送りいたしますので、本会合に御関心のある方は、担当までお問い合わせをいただければと思います。
 私(小野外務報道官)からは以上です。

G20外相会合の日程調整

【共同通信 植田記者】G20についてお伺いします。立憲民主党の安住国対委員長が、林大臣のG20の会合の欠席に関して、日程をずらす外交努力が足りなかった、議会が足止めしたとの指摘は、外務省の責任転嫁と述べました。G20の日程変更に関する外務省の見解をお伺いします。

【小野外務報道官】国際会議の日程調整につきましては、議長国の専権事項ですので、我が国として、コメントすることは差し控えたいと思います。
 いずれにしても、G7議長国としての立場を含めまして、我が国の主張は、山田外務副大臣が出席し、しっかりと発信をすることになっております。

日米豪印外相会合

【朝日新聞 長崎記者】今のと関連するんですけれども、G20の外相会合の翌日の3日に、クワッドの外相会合も現地で予定されていると思います。まだ、大臣の出席は、かなうかどうかは正式に決まっている段階ではないと思いますが、もしかなった場合に、どういった成果を期待するのか、G7のサミットも控える中で、期待する成果について教えていただけますでしょうか。

【小野外務報道官】日米豪印外相会合につきましては、3月3日に、ニューデリーで開催する方向で調整されています。
 日本の参加の在り方につきましては、現在調整中です。日米豪印の取組は、基本的価値を共有する4か国で連携をし、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、幅広い分野で、様々な実践的協力を進めていくものです。日本としても日米豪印の議論に、しっかりと参画をしてまいります。

尹錫悦韓国大統領の「3.1独立運動記念式典」における演説

【毎日新聞 青木記者】韓国の大統領、今日の演説で、日本とのパートナーの関係について、すごく割と踏み込んだ発言をしていたと思うんですが、その辺のご所感を聞かせてもらえたらと思います。

【小野外務報道官】尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領によるご指摘の演説につきましては承知しています。
 演説の中で、日本については、「普遍的価値を共有し、安全保障、経済、グローバルな議題について協力するパートナー」と位置づける言及があったと承知しています。
 我が国にとりまして、韓国は、国際社会における様々な課題への対応に協力をしていくべき重要な隣国です。国交正常化以来築いてきた友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を健全な形に戻し、更に発展させていくために、我が国としても、韓国政府と、引き続き緊密に意思疎通をしてまいります。

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