記者会見
小野外務報道官会見記録
(令和5年7月5日(水曜日)15時45分 於:本省会見室)
冒頭発言
「こども霞が関見学デー」の開催
【小野外務報道官】本日は、冒頭、私(小野外務報道官)から1件ございます。「こども霞が関見学デー」についてです。
8月2日及び3日、小中学生を対象に、「こども霞が関見学デー」が霞が関の各省庁等で一斉に開催をされます。外務省も、JICA地球ひろば、国際交流基金及び日本アセアンセンターの協力を得まして、各種プログラムを開催いたします。本日から参加者の募集を開始いたします。
今年は、全プログラムを対面で実施をする予定です。具体的には、「さかなクンによる講演」、「外務省による業務紹介」、「世界を知る体験ブース」、「外交史料館見学ツアー」の四つのプログラムを予定しています。
世界を知る体験ブースでは、JICAによる日本のウクライナ支援の紹介や、本年が日・ASEAN友好協力50周年であることを踏まえ、東南アジアの国々について、参加者の皆さんが、楽しく学べる内容をご用意しています。
なお、外務省員による業務紹介については、オンラインの発信も行う予定です。
各プログラムの詳細や、また、参加方法につきましては、既にお配りしています資料と、外務省ホームページをご参照いただければと思います。
日本の未来を担う子供たちにとって、日本外交の現場に触れる非常に貴重な機会になると考えます。いずれのプログラムも、プレスの皆様方にも開放いたしますので、ぜひ積極的にご紹介いただければと思います。
私(小野外務報道官)からは以上です。
旧朝鮮半島出身労働者問題(韓国の財団による供託の実施)
【共同通信 植田記者】元徴用工訴訟問題についてお伺いします。韓国外務省は、日本企業の賠償支払いを、韓国の財団が肩代わりするとの解決策の受入れを拒否している原告らについて、財団が賠償額相当額を裁判所に預ける供託の手続きを開始しました。尹(ユン)政権が、解決の強行を図ったような形ですが、日本政府としての評価、見解をお伺いします。
【小野外務報道官】韓国外交部の発表については承知しています。
今般発表された供託の実施は、本年3月に、韓国政府により発表された措置に基づくものと受け止めています。また、韓国政府は、今後も原告の理解を得るべく、最大限の努力を傾けていくとしている点についても承知しています。
私(小野外務報道官)の方から、これ以上のコメントは差し控えたいと思います。
ALPS処理水(中韓への説明)
【NHK 森田記者】ALPS処理水の関連でお伺いします。昨日、IAEAの事務局長からの報告書が手交されまして、中国は、こうした報告書の内容について、遺憾の意を表明していますけれども、この受け止めと今後の対応、それから、来週には、ASEANの外相関連会議が予定されていますけれども、こうした国際会議の場ですとか、中国・韓国を含め、バイ会談等の場では、どのように対応していくお考えでしょうか。
【小野外務報道官】御指摘の発言、中国側の発言等については承知しておりますけれども、中国側の発言一つ一つについてコメントすることは差し控えたいと思います。
その上で申し上げれば、IAEA包括報告書においては、ALPS処理水の海洋放出に対する取組は、関連する国際安全基準に合致しており、ALPS処理水の放出は、人及び環境に対し、無視できるほどの放射線影響となることが結論として示されているとともに、IAEAは、放出開始後もレビューやモニタリングを実施していくということも示されています。これは、IAEA憲章の下で、原子力分野において国際的な安全基準の策定・適用を行う権限のあるIAEAが、独立した第三者の立場から科学的根拠に基づいた評価を行ったものと考えています。
中国につきましては、ALPS処理水について、事実に反する内容を発信しておりますが、日本からは、累次にわたり科学的な根拠に基づき、適切に反論を行ってきております。また、中国側に対しては、科学的見地に基づいた議論を行うよう強く求めてきているところです。
韓国側につきましては、これまで局長級の説明会や、また、5月の韓国専門家現地視察団による視察等の機会を通じて、ALPS処理水の安全性について、科学的根拠に基づき、丁寧に情報提供や説明を行ってきているところです。
我が国としては、今後とも、科学的根拠に基づき、高い透明性をもって、中国、韓国を含む国際社会に対して、日本の立場を丁寧に説明をし、理解が深まるように努めていく方針です。
また、来週のASEAN関連外相会議についてのお尋ねにつきましては、我が方の出席者も含め、現在調整中であります。