記者会見
大鷹外務報道官会見記録
(令和元年12月18日(水曜日)16時30分 於:本省会見室)
冒頭発言
2020年旅券の発給開始時期
【大鷹外務報道官】冒頭,私の方から1点だけございます。旅券の関係です。去年の12月に当時の河野外務大臣から,来年,2020年3月をめどとして,新型のより安全性の高い次期旅券(2020年旅券)の発給を開始するという趣旨のことを発表しました。
他方,今年の旅券申請数が予想以上に増加していて,現行旅券,いわゆる2013年旅券といわれるものですが,旅券冊子の在庫が,当初の想定よりも早くなくなる見込みであるという状況になってきました。このため,場合によっては,来年の3月と申し上げました発給開始の時期を,前倒しして発給実施をせざるを得ないかもしれない。その点を皆さんにご説明しておきたいと思います。
具体的には,いずれかの都道府県の旅券事務所において,現行旅券の在庫がなくなった段階で,次期旅券の発給申請の受付を全国一斉に開始することになります。私の方からは以上です。
日本漁船5隻の国後島・古釜布港への「連行」
【時事通信 丸橋記者】今朝方に明らかになった,ロシアの国境警備局が根室の漁協などの所属漁船5隻を連行していった事案なのですけれども,現在までの分かっている状況とか,それについてお知らせください。
【大鷹外務報道官】この事案については,これまでもほかの会見等でご説明してきていると思いますが,若干繰り返しになりますが,今日の17日に,北方四島周辺水域操業枠組協定により北方四島周辺水域で操業していた,我が国たこ空釣り漁船5隻がロシアの警備当局によって詳しい調査を受けるため,国後島の古釜布(ふるかまっぷ)港に連行されたということです。現在,引き続き留め置かれている状況について承知をしております。
【NHK 高野記者】日露の間では,明日,日露の外相会談が行われますけれども,この場でそうした申入れ・抗議を行うんでしょうか。
【大鷹外務報道官】会談の場でという趣旨でございますね。
【NHK 高野記者】はい。
【大鷹外務報道官】もちろん,会談,いつも茂木大臣から申し上げているように,どういう会談になるかということを予断することはできないということですので,会談内容について申し上げることは差し控えたいと思っていますけれども,いずれにしましても,政府として,人道的観点からも乗組員及び船体が早期に帰港できるよう働かきかけていて,今後もその働きかけを続けていくということに変わりはございません。
【NHK 高野記者】ただ,直近に起きたもので,早期の解放を求めている中で,相手の外相と会うということなのに,言わないということがあり得るということですか。
【大鷹外務報道官】それは,日露にとって,とても大事な機会であることは間違いないと思いますが,今まで申し上げましたように,会談の内容については,やはりやってみないと分からない部分がありますし,どういう流れになるかも含めて,ちょっと予断は私の方では差し控えたいと思っています。
【NHK 高野記者】やってみないと分からないというぐらいに軽い申入れであり,抗議であるということでしょうか。
【大鷹外務報道官】この事案は決して軽いというふうには思っておりません。
【NHK 高野記者】ではなんで分からないんでしょうか。
【大鷹外務報道官】そこは,会談の内容については,一般論として予断することはできないというふうに,従前から申し上げているとおりです。
【読売新聞 後藤記者】さっき,申入れを行ったというふうにおっしゃいましたけれども,官房長官,今朝の会見で「強く抗議している」というお言葉も使っていらっしゃいます。申入れと抗議は違うのでしょうか。今回行ったのは,あくまでも申入れであって,抗議ではないんでしょうか。
【大鷹外務報道官】もうちょっと詳しく申し上げると,17日及び18日にかけまして,外務省本省のロシア課長から在京のロシア大使館の参事官レベルに対して,それから更に在ユジノサハリンスク総領事館からユジノサハリンスク外交代表部及びサハリン州国境警備局に対しまして,また,在ロシア日本大使館から,ロシア外務省担当部局に対して,申入れを行ったということです。ロシア側に対しては,我が国の法的立場に基づいて,申入れを行ったという意味においては,これは抗議したということでもあると思います。