記者会見
大鷹外務報道官会見記録
(令和元年11月13日(水曜日)17時15分 於:本省会見室)
慰安婦問題(損害賠償請求訴訟)
【朝日新聞 小野記者】今日のまさに今さっきだと思いますが,ソウルの中央地裁で元従軍慰安婦らが日本政府を相手取った損害賠償の訴訟の第1回口頭弁論が始まるという話がありまして,これは日本政府として確か主権免除を主張して,裁判に出席しない方針だと思うんですけれども,今日の実際の対応と,それはどういう原則に基づいて行動を取っていらっしゃるのか,事実関係を教えてください。
【大鷹外務報道官】この訴訟をめぐる事実関係については,韓国の中でのことですので,本来政府として説明する立場にないのですけれども,おっしゃるように国際法上の主権免除の原則から,日本政府が韓国の裁判権に服するということは認められないという立場ですし,本件訴訟は却下されなければいけない,これが日本政府の立場です。
これまでにもこの旨は,日本政府の立場については韓国政府に対してもしっかり伝達してきています。いずれにしても慰安婦の問題につきましては,日韓間の財産,請求権の問題,慰安婦の問題を含めて,1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決済みであるというのが日本の立場です。また,この慰安婦の問題についてはご案内のとおり,2015年の日韓合意において,最終的かつ不可逆な解決を日韓両国で確認しているので,この訴訟の動向を注視していきたいと思っています。
【朝日新聞 小野記者】そうすると,今日の裁判自体は,日本政府として誰か出席したりとかということは行っていらっしゃらないということですか。
【大鷹外務報道官】手元にそこまで詳しい情報は入っておりませんけれども,日本の立場からすれば,本来,主権免除という立場からすれば,裁判に関わるべきものではないということです。
【朝日新聞 小野記者】そうすると,万が一,向こうの裁判所なりが主権免除を認めないということになると,日本側としてはなんらかの対策をとったり,対応を取っていくことになるのでしょうか。
【大鷹外務報道官】向こうの,韓国の国内の裁判所でのお話ですので,なかなかコメントをすべきものでなく,あるいは将来の仮定の問題ですので,あまり今の時点で申し上げるべきではないと思いますけれども,おっしゃるようなことになれば,それは当然日本としては,受け入れられないものということになると思います。
桜を見る会
【共同通信 小野塚記者】首相主催の桜を見る会についてお伺いします。外務省が推薦した方の名簿は残っているのでしょうか。また,残っている場合は,いつからいつまでのものが残って,どれぐらいの量があるのかということについてお願いします。
【大鷹外務報道官】この桜を見る会については,これまでも外務省は推薦者の選定について,内閣府から各省庁に示された方針に基づいて行ってきていますが,具体的にどのような方を推薦したか等々については,お答えを差し控えたいと思います。他方,文書云々については,行政文書の管理そのものについては,公文書管理法に基づいて適切に行っているとお考えください。
【共同通信 小野塚記者】名簿が残っているか残っていないかということについては,公文書であれば,残っている残っていないは,文科省はもう明らかにしていたりするんですけれども,各省庁で保存の規則があるはずなんですが,この文書に関してはどうなっているのでしょうか。
【大鷹外務報道官】まさに保存の規則というのは,先ほど申し上げた公文書管理法に基づくものということになりますので,この公文書管理法に基づいて適切に管理してきていることを,この場では申し上げたいと思います。
【共同通信 小野塚記者】重ねてなんですけれども,どういった分野の方を推薦しているかということについては,具体的に個人名はいいんですけれども,分野でいうとどういった方でしょうか。
【大鷹外務報道官】先ほど申し上げましたように,どのような方を推薦してきているのかについては,コメントは差し控えたいと思います。
【共同通信 小野塚記者】これまでに大臣や政務三役から要望を受けた推薦というのは存在してますでしょうか。
【大鷹外務報道官】具体的な推薦の内容についてのご質問ですので,先ほど申し上げましたように,お答えは差し控えたいと思います。
香港情勢(邦人の負傷)
【読売新聞 浅野記者】昨日,大臣の会見で発表がありました香港のデモでの日本人の負傷者について,負傷時の状況とか,その他の情報で何か判明したものがあれば教えていただけますか。
【大鷹外務報道官】昨日,大臣からお話したことと基本的には同じですけれども,11日に香港で50代の邦人男性の方1名がデモに遭遇し,負傷したということは確認しています。そして,この本人と在香港総領事館が連絡を取りまして,当該邦人が病院で治療を受けて,すでに退院したということも確認しています。これもすでに申し上げているところですが,引き続き邦人保護の観点から,必要かつできる限りの支援を行っていきたいということです。