記者会見

大鷹外務報道官会見記録

(令和元年10月30日(水曜日)16時30分 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)モザンビーク共和国総選挙及びニュシ・モザンビーク共和国大統領の再選について

【大鷹外務報道官】外務報道官談話を一つ発出したいと思います。件名はモザンビーク共和国総選挙及びニュシ・モザンビーク共和国大統領の再選についてというもので,いずれ紙でも回しますので。
 内容についてはですね,我が国は,10月15日にモザンビーク共和国総選挙が平和裡に実施されたことを歓迎し,フィリッペ・ジャシント・ニュシ候補が大統領に再選されたことに祝意を表します。
 我が国は,ニュシ大統領の力強いリーダーシップの下,モザンビーク共和国政府が引き続きグッド・ガバナンスを促進し,民主的なプロセスを通じて,社会経済開発を進めること,また,特に北部地域の安全情勢を一層安定化させることを期待します。
 我が国は,これまで鉱物資源エネルギー及びインフラを中心に,様々な分野における官民一体の協力によって築かれた,良好な信頼関係に基づき,今後もモザンビーク共和国との友好協力関係を一層強化していく考えです。こういった内容のものです。

(2)和歌山県・和歌山県教育委員会・外務省外交史料館共催外交史料展「外交史料と近代日本のあゆみ」の開催

【大鷹外務報道官】もう一つは,国内のイベントに関するものです。外務省の外交史料館が積極的に関わっている案件です。
 11月2日より,和歌山県立近代美術館において,外務省外交史料館が和歌山県及び和歌山県教育委員会との共催で,外交史料の展示会を開催します。
 今年は,外務省が設置され,日本が本格的に諸外国と交流を始めてから150年の節目の年に当たります。今回の展示は,国際舞台で日本が最初に直面した難題である不平等条約の改正を成功に導いた,和歌山県出身の陸奥宗光の功績を中心に,史料を通じて近代日本の外交の足跡を紹介する内容となっています。
 外務省外交史料館からは,日メキシコ修好通商条約,日英通商航海条約の原本や,それから陸奥宗光が投獄された際に着用していた獄衣等の史料を展示する予定です。
 また,11月4日には,この展示会を記念したシンポジウムを開催する予定です。若干まだ席に余裕があるようですので,ご関心がありましたら,是非ともご覧いただきたいと思います。史料館の館長本人である福嶌香代子氏他が,このシンポジウムに参加する予定です。

旧朝鮮半島出身労働者問題

【産経新聞 力武記者】旧朝鮮半島出身労働者の問題をめぐる,韓国の大法院判決から1年になるわけですけれども,原告団の現金化という手続きが実際に完了するのが年内とか年始ぐらいに迫る中で,韓国政府にこれまでも早期の是正というものを求めてきましたけれども,なかなかこの1年間そういう対応が見られない中で,今後,現金化を避けるためにどのような対応が,日本政府としてどのように対応していかれるおつもりかというのを,お聞かせいただけますでしょうか。

【大鷹外務報道官】ご指摘のとおり,この1年間というのは,韓国側の否定的な動きが相次ぎまして,その結果,日韓関係は様々な分野で厳しい状況にあるということだと思います。その中でも特に,現在,日韓関係の最大の課題である旧朝鮮半島出身労働者問題については,韓国側に対し,昨年の一連の韓国大法院判決による国際法違反の状態を是正することを,強く求めてきておりますけれども,判決が出されて1年経っても,韓国政府は応じていないということは極めて残念です。
 我が国としては,今後の話になりますけれども,国際法違反の状態の是正を求めることを含めて,日韓間の懸念について日本としての一貫した立場に基づいて,韓国側に対して賢明な対応を求めていくことに,今のところ尽きるのかなと思っている次第です。

日韓首脳会談の有無

【産経新聞 力武記者】今の質問に関連してなんですけれども,去年の徴用工判決が出て以来,首脳会談が開かれていない状況が続いていますが,今後,首脳会談が開かれるように,どのような状況になれば首脳会談が開かれるとお考えになっていますでしょうか。

【大鷹外務報道官】ご案内のとおり,今後の日韓の首脳会談については,現時点でまだ何も決まっていないという状況です。その上で,あえて一般論として申し上げると,日韓を含めていろんな個別の首脳会談の実施については,様々な状況を総合的に勘案して,その都度,適切に判断するということになりますので,日韓についてもそれは例外ではないという状況だと思います。

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