記者会見

佐藤外務報道官会見記録

(平成27年1月7日(水曜日)16時30分 於:本省会見室)

冒頭発言-中根外務大臣政務官のカンボジア・ラオス訪問

【佐藤外務報道官】中根政務官は,12日から17日の日程で,カンボジア(プノンペン,シアムリアップ)そしてラオス(ビエンチャン)を訪問する予定です。
 今年は,カンボジアとは友好条約署名60周年,そしてラオスとは外交関係樹立60周年,それからご承知のようにASEAN共同体構築の節目の年に当たります。今回の訪問を通じまして,カンボジア及びラオス両国との更なる関係強化が期待されます。
 より具体的には,カンボジアでは,フン・セン首相, ハオ・ナムホン副首相兼外務国際協力相などカンボジア政府要人と会談するほか,日本政府からの無償資金協力によって供与されますネアックルン橋梁の桁閉合式に出席する予定です。
 ラオスにおきましては,トンルン副首相兼外相,アルンケオ外務副大臣ほかラオス政府要人と会談を行いまして,ラオス国立大学の学生達と懇談し,加えて日ラオス外交関係樹立60周年オープニング記念夕食会に出席する予定です。

戦後70周年と対外発信

【共同通信 斎藤記者】歴史認識の関係で一つお伺いしたいのですが,先日ご案内の通り,安倍総理が年頭記者会見で戦後70周年談話についてご自身の所見を述べられました。今年1年,国際社会からも戦後70周年に絡めて様々な議論が起きることが予想されますが,日本外務省として基本的に日本がどのようにこの1年間臨んでいこうとしているのか,そしてどのように発信していこうとしているのか基本的な考えをお尋ねしたいと思います。

【外務報道官】基本的に,これは総理も述べられましたけれども,先の大戦の反省の上に立ち,70年間一貫して,民主的で人権を守り法の支配を尊重する国を造り,平和国家としての歩みを進め,アジア及び世界の平和と発展に大きな貢献をしてまいりました。そして,それを踏まえて,今後とも積極的平和主義の考えのもと,より一層,地域あるいは世界に貢献していくというのが基本の考えかと思います。
 そして,この節目でもあります2015年を見渡しまして,この1年,そういう考えのもとに外交を展開していきます過程で,我が国の立場・考え方・政策,これらがよりよく理解されるように,対外発信にもなお一層の努力を傾注していきたい。このように考えております。
 大臣が年末に改めまして記者会見でも述べました3つの課題の一つとして,戦略的な対外発信というものを述べさせていただきました。ご質問にもありましたように,そのような発信ということも常に念頭に置きながら外交を展開していきたい。このように考えております。

【読売新聞 寺口記者】今の対外発信のことで追加で質問なのですけれども,ジャパン・ハウスの設置が一つ,発信の拠点ということになるかと思うのですが,それ以外に具体的に手法といいますか,どのような形で発信していこうというように,今,想定されているのか,明らかにしていただけるものがありましたら教えていただけますか。

【外務報道官】対外発信の強化ということで,今,おっしゃられましたジャパン・ハウス。これは拠点を設置して,日本の正しい真の姿の理解につなげていく。あるいは多様な魅力を体験してもらうような機会を設け,発信していく。あるいは重なる部分もありますけれども,我が国について理解を深めることができる,そういう機会を通じて知日家の育成につなげていく。これらのことを総合的に,なお一層今まで以上に積極的に,課題として取り組んでいきたい。こういうように考えております。
 その中にあっては,例えばもちろん,既にある在外公館,あるいは文化の面で言いますと交流基金,あるいはオールジャパンで考えますと,観光,JETRO,その他いろいろな機関がございますが,オールジャパンで効果的な日本の発信につながるように意を用いていきたい。そのように考えております。

【共同通信 斎藤記者】今の関連ですけれども,その対外発信の絡みで,戦後70年,何かコンテンツ,何か外務省でアイデアを出して,内外の人たちにわかりやすいようなコンテンツをつくって,それをネットに乗っけるとか,何かそういったアイデアがございましたらご紹介いただきたいと思います。

【外務報道官】今,おっしゃられたような,いわばツール,例えば動画ですとか広報用のツールについては,引き続き,なお一層,努力していきたいと思っております。そして,そのような発信の中身も,先ほど申し上げたような基本的な考えに立って,よりよく日本を理解してもらう,そのために必要なものをコンパクトに,使い勝手のいいものを整備していきたい。このように考えております。

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