記者会見

事務次官会見記録(要旨)(平成21年9月)


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事務次官会見記録(平成21年9月14日(月曜日)17時23分~ 於:本省会見室)

米朝対話

(問)アメリカ国務省のクローリー次官補が六者協議の前進に繋がるのであれば二国間対話の用意があると、六者協議の枠内で北朝鮮の六者会合復帰を説得するという発言をされていますけれども、日本政府としてこうした米朝対話については容認するとお考えでしょうか。

(事務次官)従来からの我々の考えは、基本的にこの問題については六者協議で対応していくということです。
 六者協議の場というのは一番効果的な、そしてまた現実的に対処するためにも重要な場であると考えております。その中で、その枠内で従来からも米朝の話し合いというか、対話があり、その事自身は従来から行われてきたことです。六者協議が前に進むためのものとして行われるのであれば、これは一つの努力であろうと思っています。

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内政(事務次官会議)

(問)事務次官会議について、本日で最後ということのようですけれども、これまでご出席されてきた立場から、事務次官会議のこれ迄の役割といいますか、果たしてきた役目、それから事務次官会議がなくなることについてどのようにお考えなのか改めてお聞かせください。

(事務次官)一つの各々仕組みとして、長年あったものだと理解しています。そのような意味では本日も事務次官会議がありましたけれども、その場で漆間官房副長官から「多分これが最後になるでしょうな」というお話しがありまして、皆「そうか」という若干感慨深げでした。私の感想としては、そのような意味では新しい政府ができて、新しい仕組みができるのだなという感じを改めて持ったということだと思います。

(問)民主党が事務次官会議を廃止すると言っている理由は、実質的に物事を閣僚ではなく事務次官が決めていると民主党は主張している訳ですが、実際に次官の方、或いは経験者にお聞きすると、そうではないと、単に省庁間の調整をするだけであって、勿論決定権は内閣なり閣僚なりにあると、そういう事実上の決定権なり事実的な決定権が事務次官会議にあるというのですが、事務次官会議の性質とか性格については、今どのように思っていらっしゃいますか。

(事務次官)各々が、プロセスというのですか、関係省庁間の意見の調整を行って、最終的に閣議にかける訳ですから、それがいろいろな形で実は調整が行われてきている訳です。それは実際の政府の仕組みや仕事をやっていけば、いろんな調整が各省間にまたがることがあります。そういうことも含めて調整を行うということ、それが具体的にどういう形で取り進むのが良いのかということで、その時代時代に応じた仕組みというのがあったのだろうと思っています。ご承知か分かりませんけれども、事務次官会議というのはきわめて短い時間で開かれていまして、プロセスとしてそう位置づけられていたと、またそれは新しい時代になれば新しいプロセスが出来るということであろうかと思っています。

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核持ち込み「密約」の調査

(問)核密約の問題ですが、民主党の方で政権発足後に第三者も起用した形での調査委員会を立ち上げるというアイデアが語られていますが、そういう取り組みのあり方についてどのようにお考えですか。

(事務次官)これは新政権の発足に伴って、私としては新しくなられる大臣の御指示に基づいて、適切にその指示に従って行っていくということに尽きると思っています。

(問)第三者の方を調査の主体とするということで、いろいろ外交上の機密、守秘義務に関わることも調査対象に入ってくると思いますが、その意味での危惧はお持ちですか。

(事務次官)それも含めて適切な御指示を得ながら適切に対処していくと、まずは大臣の御指示を待ちたいと思います。

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事務次官会見

(問)事務次官会見も本日で最後になるかと思いますが、これまで果たしてきた役割等踏まえて、なくなることにどのような印象をお持ちですか。

(事務次官)果たしてきた役割があるかどうかを私自身が評価するのは適切でないかもしれませんが、若干の感慨を覚えます。

(問)感慨というのは、名残惜しいということでしょうか。

(事務次官)ほっとすると言うと怒られるかもしれませんが、若干の感慨があるということです。

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事務次官会見記録(平成21年9月7日(月曜日)17時00分~ 於:本省会見室)

内政及び外交日程

(問)まだ内定という段階ですが、民主党の方では岡田克也さんを外相にされるということを鳩山代表自身が語っていますが、事務次官として今後仕えることになるであろう岡田さんの印象、また受け止めを一言お伺いできればと思います。

(事務次官)私どもは正式にまだ何もお伺いしていませんから、この段階で具体的なことを何か申し上げることが適当なのかどうか分かりませんが、いずれにしても新政権の下でしっかりとしたご指示を頂きながら、外交をやっていこうということであります。その中で非常に力強いリーダーを外務大臣としてお迎えできるということになれば、私どもとしても非常に心強い限りであると思っています。

(問)岡田幹事長が内定したということで、9月下旬にも日米外相会談というのは用意する方向で進められるのでしょうか。

(事務次官)具体的な外交日程等は、これから新政権の下で進めていくということになると思います。今この時点で、具体的にどういう日程でどういう会談ということを具体的にやっているということはありません。

(問)先週、岡田幹事長とお会いになって、今後についていろいろと打ち合わせをされて、今週も続けられると仰っていますが、現段階で、どういう指示やどういうことをやっていくという形になっているのか教えて下さい。

(事務次官)今までのところは、この秋9月22日以降の外交日程というのが非常にたくさんあり、9月、10月或いは11月と国際的に決められている日程があります。そういう日程についてご説明をしたということで、その上でいろいろと新政権の方で考えて頂いて、具体的なご指示を得ながら進めていくという状況に今あります。

(問)具体的な指示を受けたということでは。

(事務次官)そうではありません。

(問)一部で10月に日中首脳会談を模索しているという報道がありましたが、そういう指示等は。

(事務次官)それは具体的にはまだありません。

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北朝鮮問題(ボズワース米特別代表の訪日)

(問)今日、齋木アジア大洋州局長とボズワース米特別代表が北朝鮮情勢について会談されました。この後、事務次官も武大偉中国次官と話をされるようですが、現時点で民主党のマニフェスト等を通して、北朝鮮政策について現政権と変更があるのか、あるいは率直なところどうお考えでしょうか。

(事務次官)具体的な政策課題や外交課題については、これから新政権の総理や外務大臣、その他の責任のある方との会合の中でご指示を頂きながら進めていくということです。そういう意味で、今、具体的に北朝鮮政策について新政権がどういうお考え方かは詳細に承知しているわけではありませんけれども、今後しっかりとした対北朝鮮外交が行われるだろうと思います。それについて心配しておりませんし、むしろしっかりとしたご方針を頂きながら、その下でやっていきたいと思っています。

(問)ボズワース米特別代表と斎木局長との会談は、政権交代の過渡期における外交交渉と言えると思うのですが、過渡期ということで難しい面もあると思いますが、どのような方針で臨まれたのか、特別に配慮されたようなことがありましたらお伺いしたいと思います。

(事務次官)これは日米の間で緊密に北朝鮮問題について意見交換を行っていくということで、実務的に進めて行くことだと理解しています。何も交渉事というか、今ここで日米が具体的な大きな決断を必要とするような交渉事という位置付けではありません。そういうふうになると別途の考慮というものが必要だと思いますけれども、今やっていることは、大きな意味での今までの意見交換と現状のレビューということですから、それは実務的に進めていくことだと理解しています。

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温室効果ガス排出削減の中期目標

(問)民主党の鳩山代表が温室効果ガスの削減目標について、党のマニフェスト通りにやっていきたいと明言しましたけれども、これについての受け止めを教えて下さい。

(事務次官)新政権として当然マニフェストに掲げられていることで、それを世界に発信されたということだと理解しております。今後は日本の取り組み姿勢、これは国際的な交渉事になりますから、そこで日本がリーダーシップを取って日本の期待するような方向に向かって行く材料になれば非常に良いのではないかと思います。何れにしましても、これはまだ国際的な交渉で纏まる、そういう中での前提だと理解しております。
 より具体的に言えば主要国の参加が必要だということで京都議定書では達成できなかった米国、中国、インドその他の国々の参加が必要だという呼びかけも日本はしてきております。今後ともそれを更に強く働きかけながら、日本から見て好ましい成果と結果を創り出していく必要があると考えております。

(問)基準年について、1990年ということで、米国の2005年と違うことになってしまうのですが、その辺りの懸念はないのでしょうか。

(事務次官)私自身十分に話しを伺った訳ではないものですから、その部分の考え方というのはこれからの問題として整理していく必要があると思います。日本としては、1990年比で25%減を達成するのだという考え方であるということを明らかにされたのだろうと理解しています。国際的には今後、複数年とか、いろいろな年を基準年にするとかは交渉事の話しとしては当然出てくる訳で、そうした中で整理をしていく問題かと思っております。

(問)温暖化についての鳩山代表の発言ですけれども、次官としては本日(9月7日)の鳩山代表の発言は我が国が2020年に25%の削減を目指すと国際的に発信したというご認識でよろしいのでしょうか。

(事務次官)具体的なメッセージ性を持って新政権としての一つの考え方、方向性ということを発信されたのではないかと思います。国際的にそのように受け取られるのではないかと思っています。詳細や基準年、或いは今後の交渉事の話については、相当いろいろな交渉がある訳ですから、その交渉の前提、そういうことがきちんといくという前提でこれを言っておられたというように私も読んでおります。

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