記者会見

報道官会見記録(要旨)(平成23年3月)


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報道官会見記録(平成23年3月30日(水曜日)15時10分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)各国からの救助チーム・物資支援について

【外務報道官】現在までのところ134ヶ国・地域及び39の国際機関から支援表明をいただいております。緊急援助隊については、直近ではインドからの支援隊46名が昨29日から宮城県女川町において活動を開始しました。また、28日からイスラエルの医療チーム(53名)が宮城県南三陸町で活動しています。更には、20日からトルコのチーム、これは医療関係者5名を含む22名の援助隊ですが、宮城県多賀城市などを中心に活動していただいております。現在のところ、3ヶ国・3国際機関のチームが引き続き活動を続けております。物資支援については、28ヶ国・地域・国際機関から物資が到着しており、外務省としては引き続き被災地のニーズを勘案しながら、効果的・効率的に支援が行き渡るよう調整を続けております。

(2)エピソード集「がんばれ日本!世界は日本と共にある」のホームページへの掲載について

【外務報道官】今般の地震に関しては、世界各地から政府、市民さまざまなレベルで日本国全体に対する心温まる連帯と支援の輪が広がっております。外務省としては、在外公館等を通じて集めたエピソードをとりまとめ、「がんばれ日本!世界は日本と共にある」と題して、外務省のホームページに資料を掲載をいたしました。是非、ご覧いただければ幸いです。

(3)原発事故を受けた各国・地域の輸出入等関連措置への対応について

【外務報道官】今回の原発事故を受けて、日本からの農産物・食品等の輸入に関して、放射線関連の検査や規制を強化するという動きがさまざまな国・地域で見られております。外務省としては、こうした各国の措置の状況について調査を行っており、いわゆる風評被害を回避し、輸出入を含む日本の経済活動が円滑に行われるよう関係方面に情報提供や説明を行うなど、過剰な反応による不当な輸入禁止等の措置が取られないよう働きかけを行っております。その一環として、3月29日にジュネーブにおいて開催されたWTO貿易交渉委員会におきまして、小田部ジュネーブ代表部大使から日本の原発事故に関連し、特に食品の安全の分野において、各国・地域の関係当局が過剰に反応し不当な輸入禁止措置等を取らないよう協力を求めました。また、同じくWTOの枠組みの中では、30日及び31日に衛生植物検疫措置に関する委員会が行われますので、この場でもより具体的な説明をして協力を求めていく方針です。

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竹島問題(教科書検定)

【朝日新聞 大島記者】先ほど、文科省から発表された教科書検定の結果についてお伺いします。現時点では報道ベースですが、竹島の領有権について韓国政府側からは日本政府に対して抗議の意志を示すですとか、あるいは対抗措置なるものをとると報道されているのですが、日本政府としてそういった韓国政府の動きについて、どういった見解、あるいは対応をされるのか、お願いします。

【外務報道官】本日、教科書検定審議会が開催されて、その検定の結果が公表されると聞いております。我が国としましては、これまでも韓国政府には日本の教科書検定制度の中身について説明してきております。我が国の教科書検定というのは、民間の教科書会社が著作・編集した図書について学習指導要領や検定基準に基づき教科書検定審議会の学術的・専門的な審議を経て実施されるものであるということです。特に今回は竹島の問題についての検定結果について関心が集まっているわけですが、竹島問題についての我が国立場は一貫しております。と同時に韓国側からみれば韓国の国民感情にとって非常に機微に触れるものであるということは我々としても承知しております。そういう意味で、この問題の処理に当たっては両国の政府・国民が大局的な観点に立って日韓関係全体に悪影響を及ぼさないよう、お互いに努力して克服していくことが大事だと考えております。我々としては、そのような日本側の立場をこれまでも韓国側には説明しておりますし、今後も説明していきたいと考えております。

【朝日新聞 大島記者】今回の地震に関しては韓国でも民間レベルでたくさん義捐金をされているとか、支援の声が上がっているということですが、今回の政府、あるいは民間からの支援とこの教科書検定の問題というのは関連というのは何かあるかどうか、どのようにお考えですか。

【外務報道官】我々としては、今回の地震・津波に対して韓国が李明博大統領を始め政府、それから国民を挙げて心の暖まるお見舞いと支援の提供をしていただいていることに対して、心から感謝しているところです。今回の地震に関連する動きと教科書検定に係る話というのは、直接的には関係がないと理解しております。

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原発事故を受けた各国・地域の輸出入等関連措置への対応

【朝日新聞 松村記者】風評被害の件ですが、具体的に現在禁輸などの措置をとっている国は何ヶ国あるのかお分かりでしたらお願いします。それから、非公式委員会の場で各国側から何か反応があったのでしょうか。

【外務報道官】具体的にどれだけの国が規制強化、禁輸措置のようなものをとっているか、今個別に情報収集をしているところでございまして、現時点では公表する状況にはなっておりません。ある程度まとまった段階で、ご説明をする機会があろうかと思います。先ほど申し上げたWTOの貿易委員会でのやり取りですが、貿易委員会では、冒頭今回の地震・津波の犠牲者に対して1分間の黙祷を全員が捧げた後、日本側に発言の機会が与えられました。その中で小田部大使の方から、先ほど申し上げたような問題点について説明して理解を求めたということです。詳細は30日と31日に行われる委員会の方でより具体的な議論をすることになっております。

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報道官会見記録(平成23年3月23日(水曜日)15時00分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)東北地方太平洋沖地震について

【外務報道官】東北地方太平洋沖地震についてアップデートした情報を報告させていただきます。まず、第一点目として、昨日、諸外国からの支援に対する菅総理のメッセージが発出され、官邸のホームページに掲載されました。外務省のホームページからもご覧になれます。内容は、世界中の方々からのお見舞いと支援に対する感謝と日本国民が英知を結集し総力を挙げて事態打開に取り組むことで、この試練を乗り越えていくという決意を表明するものとなっております。

 二点目は、世界各国からのお見舞いについてです。これまでに197ヶ国・地域・国際機関からお見舞いの表明がありました。また、在外公館で弔問の記帳を行っておりますが、昨日も英国のキャメロン首相、米国のバイデン副大統領、クリントン国務長官など、多くの各国要人に記帳に来ていただいており、国際社会の連帯の輪の広がりに我々としても感謝しているところです。

 三点目は、緊急援助チームについては、これまでに20ヶ国・地域・国際機関から救助チームが日本に来られ、活動していただいております。既に任務を終えて撤収した国もありますが、現時点で6チーム、具体的にはフランス・南アフリカ・インドネシア・トルコ・UNDAC・IAEAのチームが活動しています。

 四点目として、緊急援助チームに加えて、世界各国から支援物資がたくさん届いております。外務省としては現地のニーズを踏まえながら、円滑に受け入れができるよう最大限努力しているところです。これまでに、米国(特に在日米軍)、韓国、中国、台湾、モンゴル、ロシア、シンガポール、インドネシア、キルギス、フランス、ウクライナなどからいただきました毛布、水、ポリタンク、ビニールシートなどの救援物資は被災地に輸送済みです。今後もさらに援助物資を送りたいという国・国際機関がありますので、しっかり受け入れをしていきたいと考えております。なお、支援物資の被災地への輸送に当たっては、在日米軍、日本赤十字、世界食糧計画(WFP)などの協力もいただいているところです。

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東北地方太平洋沖地震

【時事通信 西垣記者】物資のことに関連してですが、震災発生当初は毛布とか水とかポリタンクなど四種類くらい重点的に出してくれという要望を出されていたと思うのですが、今後の援助物資については政府としてこういう分野を主に求めていきたいというのはあるのでしょうか。

【外務報道官】現在も、被災地でどういうものが必要かというニーズについてのリストアップを進めております。一方で、援助国側の方で自分たちはこういうものを提供できるとして、例えば今申し上げた以外に缶詰とか、医薬品とかいろいろありますので、ニーズとオファー両方勘案しながら具体的な受け入れを決めていくべく、鋭意調整を進めているところです。

【共同通信 斎藤記者】各国からさまざまな支援の申し入れがあり、一方では各被災地それぞれ異なるニーズがあると思われます。具体的にどのようにそれを照合し、マッチングと言うのでしょうか、すりあわせて一致させていくのか、どのような手順で今、政府、外務省として手続きを進めているのか、できれば具体的に手順を説明してもらえますでしょうか。

【外務報道官】外務省がまず、窓口になって各国からのオファーについてリストアップしております。一方、被災地のニーズについては地方自治体、関係省庁、官邸にできている対策本部等と連携しながら照合していくことになっております。官邸の被災者生活支援特別対策本部というものが立ち上がり、緊急支援物資の受け入れもなるべく一元的に行うことになっておりますので、外務省としては、そちらの本部とも緊密に連携しながら、被災地のニーズにマッチした物資が行くように努力していきたいと考えております。

【朝日新聞 大島記者】政府同志では外務省が窓口になるのでしょうけれども、例えば、海外の非政府機関が何か物資を提供したいという場合に、「こちらとして、日本側としてはこういう物が必要です」という情報はどういう形で示すのでしょうか、ウェブサイトとか、そういうのをお考えでしょうか。

【外務報道官】日本赤十字社が物資の大きな受け入れ機関となっており、赤十字のネットワークで日本側のニーズを海外に伝えて受け入れています。また、それ以外に世界中から大小さまざまなNGOが日本にきて活動しており、彼らはかれらのネットワークで現地の被災地に入って活動していますので、その辺でニーズを把握して彼らのネットワークで物資を集めていると理解しています。

【時事通信 西垣記者】今、頂いた紙を見ても、お見舞いの表明国であったり、あるいはさまざまな支援をしている国は数的に見ても相当なものだと思うのですが、外交当局としては、今回のこの支援表明なり、実際の支援なり、相次いでいることをどのように受け止めているか、あるいは被災者の皆さまに対してどのように受け止めてもらいたいかというところを教えて下さい。

【外務報道官】我々としては、世界各国からこうして表明されたお見舞い、支援は本当に有り難いことだと心より感謝しています。今回、このような形で世界中からさまざまな連帯の表明があるのは、一つには今回の被害が未曾有の甚大なものだったということがあると思います。また、同時に日本がこれまで国際社会に対して政府開発援助(ODA)などを通じてさまざな形で支援や協力をしてきたことや緊急援助隊などを自然災害に対して派遣してきたという、日本のこれまでの国際社会に対する貢献を評価してこういう暖かいお見舞いや支援の表明があったのではないかと考えております。我々としては今回の世界各国から寄せられた暖かい連帯の気持ちに報いるように、今後の外交を組み立てるにあたっては、考えていく必要があるのではないかと考えております。

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報道官会見記録(平成23年3月16日(水曜日)15時00分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)東北地方太平洋沖地震について

【外務報道官】東北地方太平洋沖地震の関係で、外務省も地震発生後直ちに松本大臣を本部長とする緊急対策本部を立ち上げ、全力で地震関連の業務に取り組んでいます。外務省が主として行っている業務は3つの種類があり、1)海外からのお見舞いや支援の受け入れに関する業務、2)在日外国人の安否の確認と必要な方々に対する支援、3)内外への情報発信です。

 最初の海外からの支援の受け入れですが、現在までに114ヶ国・地域及び24国際機関から支援の意図表明がありました。既に14ヶ国・地域から緊急援助隊等が日本に来て活動しているほか、国連災害評価調整チーム(UNDAC)も日本に来てNGO始め、さまざまな活動に対する調整・支援を行っていただいております。

 これまでに、緊急フェーズにおける支援という業務を終えて撤収を始めているチームもありますが、ご参考までに大まかにどこでどの国が活動しているかを簡単に紹介します。岩手県の大船渡市においては米国、中国、英国のチームが活動しています。宮城県南三陸町においてはドイツ、スイス、オーストラリア、ニュージーランドのチームが活動をしております。仙台市においては、韓国、フランス、台湾、ロシアのチームが活動中で、モンゴルのチームも加わることになっております。さらに、名取市ではメキシコのチームが活動をしております。このように、被害の大きい地域で外国からの緊急援助隊の方々が被災された方の捜索・救援のために活動していただいていることに対し、我々としても深く感謝しています。

 それから、救援物資についても、日本赤十字社と連携しながら受け入れを行っており、本日、インドから毛布1万2千枚が到着いたしましたし、カナダ、モンゴル、タイなどの国々から物資が送られて来つつあります。さらには、在日米軍も空母ロナルド・レーガンはじめ7隻以上の艦船が捜索・救助活動に従事しているほか、非常食を含む物資支援等の形で協力をいただいております。三沢基地や横田基地も各国からの援助チームの受け入れ等で協力をしてもらっています。

 2番目の在日外国人の安否確認の関係ですが、東北地方にどのくらい外国人がおられるかということですが、ひとつの参考として、法務省の入国管理局のまとめた資料によりますと、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島の東北6県で合計4万8千人くらいの外国人が住んでおられるということです。外務省にさまざまなルートで安否確認を要請してきておられる外国人数は約4百人くらいであり、外務省としては現地の地方自治体等と連携しながら安否確認を行っております。外交団に対しては、ほぼ毎日ブリーフィングを行い、被災地における捜索・救助活動の様子等も説明しています。

 3番目の内外への情報発信については、まず外務省のホームページを通じて的確な情報発信を行うべく、日本語と英語に加え、今回の地震に関しては中国語と韓国語のページも作り情報提供を行っております。また、外交団、それから、外国プレスに対してもほぼ毎日定例ブリーフを実施しております。特に原子力発電所の事故の関係では、外交団、外国プレスの関心も高いということもあり、できるだけ正確な情報を得た上で冷静に対応いただけるように情報提供に努めており、今後とも強化していきたいと考えております。

 それから、本日16日から23日(水曜日)までの間、在外公館で日本国旗の半旗掲揚を行います。また、弔問記帳の受付も行う予定にしております。

(2)第1回日中韓テロ協議の開催について

【外務報道官】3月17日及び18日に韓国の済州島において、第1回日中韓テロ協議を開催いたします。この協議には、我が国から小島高明外務省・国際テロ対策担当大使、韓国側から文河泳外交通商部国際テロ対策担当大使、中国側から羅照輝外交部渉外安全事務司長がそれぞれ代表として参加されます。各国のテロ対策関係省庁からも出席者が来られる予定になっております。この協議は、昨年5月に行われた日中韓サミットで採択された、「日中韓三国間協力ビジョン2020」の中で日中韓テロ協議を実施するということが合意されたことを受けて今回初めて開催されるものです。この協議では、国際及び地域テロ情勢について情報の交換を行うとともに、国際テロ対策及び能力向上支援協力分野で3ヶ国の関心事項について意見交換を行う予定です。

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東北地方太平洋沖地震

【NHK 稲田記者】2点確認させて下さい。今回の震災と福島のことを受けて、一部の在京公館の中には東京からの退避等を検討しているところもあるようですけれども、現時点でそれを把握している状況をお伺いさせて下さい。また、半旗、記帳の受付をするということですが、支援の申し出はこちら受けているのですが、お見舞いについては今のところいくつの国、地域等から来ているかということを確認させて下さい。

【外務報道官】各国が自国民保護の視点から、さまざまな渡航情報、特に東北地方は地震、津波で被災しているので気をつけましょうとか、福島の原子力発電所の周辺地域に避難の指示が出ているということを公表しております。それを踏まえて各国の大使館、総領事館等が、さまざまな対応をとっているわけですが、それぞれどの国がどういうことをしているというのはまだしっかり把握しておりません。しかしながら、各国の大使館や総領事館に対しては、正確な情報に基づいて冷静な対応をお願いしたいということを述べております。お見舞いの関係ですが、外務省のホームページに一覧表も掲げて、その都度アップデートしております。現時点で114カ国・地域から支援意図表明があり、この支援意図表明した国は全てお見舞いの意を表しながら支援の意図を表明しています。

【共同通信 斎藤記者】実際に一部の政府が首脳も含めて、自国民の退避勧告を明言する等あきらかな動きが出ています。こうした対応について、日本政府の方から、現時点ではまだそうしたステージに入っていないと、あるいは、もう少しかまえてもらって大丈夫だと、彼らのリアクションに対して、若干のサジェスチョンを行っているのかどうか、行っているのであれば、どのような言い方で彼らに説明しているのか、その点について教えてください。

【外務報道官】各国がどのような対応をするか、どういう対応をするように自国民に呼びかけるかというのは、それぞれの国の判断ですので、我々として、こうすべきだという立場にありません。ただ、我々がきちんとやろうとしていることは、正確な情報をきちんとタイムリーに提供するということで、そういう情報に基づいて、冷静な対応をしていただきたいということを、いろいろな機会に申し上げてきております。

【共同通信 斎藤記者】具体的に外交使節団への説明や、あるいは海外メディア向けの会見の中で、直近、具体的にどのようなところに留意して、注意して説明をしているのか教えてください。

【外務報道官】外交団も外国プレスの方も、原子力発電所の状況について非常に関心が高いということなので、そのような点について、原子力保安院の専門家等にも参加いただいて説明をしてきております。

【テレビ朝日 花村記者】昨日発表がありました米国からの原子力規制委員会の8人の専門家の方たちはもう到着されたのでしょうか。そして、到着後、どのような動きをする予定か、教えてください。

【外務報道官】正確にフライト番号を持っていないのですが、米国からのフライトは午後ですから、(専門家の方が)着かれたか、これから着かれる感じだと思います。基本的に、我々が米国の専門家にお願いしようとしていることは、福島第一原子力発電所の状況に対応するための技術的な助言をいただくということですので、日本側の対応チームとの協議をこれから行っていただくことになろうかと思います。

【時事通信 西垣記者】先程(質問に)出た救助隊等を送り込んでいる国は、通算して今のところ、14ヶ国と1機関が来ているということですが、米軍等がいてなかなか把握し辛いと思うのですが、人数ベースでつかめる数字はあるのでしょうか。

【外務報道官】米軍の関係は、相当大規模で、艦船7隻以上ですから、それには数千単位の乗組員がおられると思います。緊急援助隊についても、米国については、144名が現在おられると聞いていますので、相当大規模な形で米国には支援をしていただいています。詳細な数字は、在京米国大使館が記者会見等で説明しているようなので、そちらで聞いていただければと思います。

【NHK 稲田記者】救助隊ですが、派遣を決定したもののフェーズが変わったということで、イタリアとかそれを撤回した国も出ていると思いますし、それから、先ほど、撤収している国もあるとおっしゃっていましたが、現時点で実際活動しているのは、いくつの国と地域になるのかということが一点。それから、内外の情報発信という観点から、ホームページの情報を、更に言語を増やす可能性はあるのか。また、ツイッターやフェースブックといったニューメディアを通じた情報発信というのは考えていらっしゃるのかということをお聞かせ下さい。

【外務報道官】現在活動中のチームについては、14ヶ国・地域の内3つのチームが想定していた最初の緊急フェーズの対応をほぼ終えたということで撤収しつつあります。具体的には、ドイツ、スイス、シンガポールです。それ以外の11ヶ国・地域から来ている緊急援助隊は作業を継続していると理解してます。

【NHK 稲田記者】イタリアはそもそも先遣隊の派遣は現駐していなくて在京大使館にいるということを言っているのですが。

【外務報道官】イタリアは今のカウントに入っていません。

【NHK 稲田記者】メディア発信については。

【外務報道官】ニュ-メディアを通じた情報発信については、四方副内閣広報官が、総理官邸のツイッター(英語)を立ち上げて、地震関連の発信を行っており、数千人単位のフォロワーがいると聞いています。外務省のホームページも、官邸のホームページも緊密にリンクを張って情報共有しながら発信をしています。

【NHK 稲田記者】言語の拡大は。

【外務報道官】とりあえず英語をしっかり充実させています。また日本には、中国人と韓国人の滞在者数が多いということで、その二言語を始めました。それ以外の言語については、現時点では拡大を考えておりません。(なお、在外公館ホームページでは現地語による発信を行っています。)

【ジャパンタイムス 伊藤記者】現在、海外から入っている方々はおそらく、サーチ・アンド・レスキューが中心になっていると思うのですが、今後、医療分野において、更に海外に支援を要求するご予定等お聞かせください。

【外務報道官】医療分野についても協力をしたいと言っている国々がありますので、我々としては積極的に受入れをしてきたいと考えております。具体的に、まだどこの国ということは決まっておりませんが、これから調整が進むにつれ、具体的な受け入れも進んでいくものと思います。

【ジャパンタイムス 伊藤記者】医療分野とか、どういったところで活躍していただきたいとかいうことはございますでしょうか。

【外務報道官】分野はとりあえずファースト・エイド的なものではないでしょうか。地震等で建物の下敷きになったとかいう方が多いでしょうし、そういったケガ人を中心とした対応になるのではないかと思います。

【NHK 稲田記者】官邸の方では、辻元さんをNGOの窓口とした補佐官に任命しましたが、先程おっしゃった海外からのNGOの支援や物資の調整というのは、これは現状況で何かその打診は来ているのか。相当な数が見込まれると思いますが、その調整を外務省としてどのように対応しようと思っているのでしょうか。

【外務報道官】外務省は、官邸にある緊急災害対策本部と緊密に連携しながら行っておりまして、外務省は主として海外との窓口ということになります。実際に国内に着いてからの調整は、国内の官庁や緊急災害対策本部の担当部局が中心になると思いますので、協力しながら、連携しながら行っていくということかと思います。

【NHK 稲田記者】現時点で、物資の量等のNGOの支援はカウントしているのでしょうか。

【外務報道官】日本赤十字を中心に物資の支援が行われていると理解しております。

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報道官会見記録(平成23年3月2日(水曜日)15時05分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)日本とイスラム世界の未来への対話(通称:未来対話)について

【外務報道官】この未来対話は、3月7日及び8日、アラブ首長国連邦のアブダビにあるザーイド大学にて開催され、日本とイスラム世界の有識者、青年、メディア関係者が特定のテーマについて議論することによって、相互理解を深めることを目的としています。特に最近はチュニジア、エジプト等の中東情勢の流動化、その背景には若年層の雇用不安等という社会経済問題もあるということですから、そういう将来を担う青年層に希望を与えるため、如何なるメッセージを発信すべきかという観点から議論を行うことになっています。
 この未来対話は3年間にまたがるプログラムで、今回を第一回目として、毎年一回、計3年続けて開催します。統一テーマは「未来の世代のための社会経済発展と文化の調和」ということで、議論が行われます。具体的には、今回はイスラム側からは主催国であるアラブ首長国連邦のアブダッラー外相の他30名の方が出席されます。日本側からは西村智奈美衆議院議員(民主党国際局長)他30名が出席されます。日本側の出席者の中には、公募に応募いただいた日本人の学生10名も含まれています。この未来対話は、最近の中東情勢を見ながら、日本の経験を分かち合う、さらには知的貢献をしていくという、日本にとっての一つの重要な事業であると言えます。
 皆さんが取材に行くことは難しいかと思いますが、アラブ地域に展開中の特派員の方には是非お出かけいただけるようご案内申し上げます。

(2)在米日系人指導者の訪日について

【外務報道官】外務省は、国際交流基金日米センターとの共同事業として、米国で活躍する日系人指導者13名を3月5日(土曜日)から3月12日(土曜日)まで招へいします。この招へい事業は2000年からほぼ毎年実施しており、今回が11回目になります。訪日する日系人指導者は、主として3世、4世の方ですが、いずれも官界、経済界、教育界、メディア界等で活躍されている方々です。コーディネーターとして、アイリーン・ヒラノ米日カウンシル会長も訪日されます。滞在中は東京、大阪、京都を訪問し、我が国の政府要人、経済、国際交流等各分野の関係者と会われたり、日本の伝統文化に触れられる予定です。今回の滞在を通じて、日本についての理解を深めていただくと同時に、我が国とのネットワークを形成いただいて、今後の日米関係の展開に貢献いただくことが期待されています。

(3)ニュージーランド南島での地震について

【外務報道官】この地震の関連の取材につきましては、これまでにも特にご家族のお気持ちや状況を配慮した取材をお願いしており、皆様から協力をいただいているところです。明日以降、被災者及びご家族の方々が徐々に日本に帰ってこられると聞いております。ご家族からの強いご要望もありますので、これらの方々のご帰国の際、空港等の取材において、ご家族の方のご心情に配慮した節度のある取材をあらためて強くお願いしたいと思います。

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日露関係

【共同通信 高橋記者】ロシアのインターファクス通信が、ロシア軍の参謀本部が、北方領土を含む千島列島に巡航ミサイルの配備計画があると報道しているのですが、この事実関係と日本政府の対応について伺わせてもらえますか。

【外務報道官】事実関係はよくわかりません。我々としては、ロシア軍の極東の軍事動向については、常に注視をしているところです。この関連では、2月11日の日露外相会談においても、前原大臣からラヴロフ外相に対して防衛分野での交流や意思疎通をもっとしっかり進めていこう、更には、アジア太平洋地域で不必要な軍拡競争はするべきではないということを申し入れています。いずれにせよ、北方四島におけるロシア軍の近代化がこの地域の安全保障に与える影響については注視をしていきたいと考えております。

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ニュージーランド南島における地震

【NHK 稲田記者】ニュージーランド地震に関して、ご家族のお話が外報官の方からありましたけれども、最新の捜索状況とか、現地はそろそろ夜に入ってきますけれども、今日一日どういったことがあったか。また、特に日本関係者の身元等について新しい情報があれば教えて下さい。

【外務報道官】私の持ち合わせている情報が最新かどうかわりませんが、手元にある情報によりますと、ニュージーランド警察が確認した死者の数が159人に上ったということです。亡くなった方の身元判明者数は16人、そのうち身元が公表された方は11人ですが、この中には日本人は含まれておりません。日本人の安否不明者については、28名ということで変わっておりません。緊急援助隊の交替チームが現地に入りましたが、日本政府としては、引き続きこれらのチームよる捜索・救助活動に全力を尽くしていきたいと考えております。

【NHK 稲田記者】身元判明者16名で、そのうち氏名公表11名ということですが、残りの5人について、日本政府に対して事前通報というものもなかったということでよろしいでしょうか。

【外務報道官】ニュージーランド側とは緊密な情報交換をしておりますので、身元確認の状況については、現地で日本側にも連絡が届いています。

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