記者会見

報道官会見記録(要旨)(平成22年4月)


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報道官会見記録(平成22年4月28日(水曜日)15時00分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)特殊切手「2010年日本APEC」の発行について

【外務報道官】お手元に報道発表をお配りいたしましたが、本年はご案内のとおり日本でAPECが開催されます。それを記念しまして、特殊切手「2010年日本APEC」、それから通常版の切手帳が6月4日に郵政事業株式会社から発行されます。2010年日本APECは、この別添にも付いていますが、日本全国各地で開催をされます。各関連の会合が開催される12の都市の花をあしらった特殊切手になっております。この特殊切手は、6月5日及び6日、札幌で開催予定のAPEC貿易担当大臣会合(MRT)の機会を捉えて発行されるものです。郵便事業株式会社からMRT、その他関連会合が開催される都市に対して、特殊切手の贈呈式が6月4日に全国各地で行われる予定です。

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TICAD IV(第4回アフリカ開発会議)のフォローアップ

【共同通信 斎藤記者】TICADの関係でお伺いします。間もなく、大臣がアフリカに向けて出発されますが、日本のTICADのフォローアップ、これはどういった点に特長があるのか。各国もアフリカへの支援の枠組みを作り、いろいろと活動をしている訳ですが、その中で日本の持っているTICADへの特長、特にフォローアップという方式は、どういったところに特長があるのか教えて下さい。

【外務報道官】昨日、大臣の方からも今回のアフリカ訪問の目的、或いは意義ということのご説明があったと思いますが、改めて私の方から申し上げます。
 まず、TICADというプロセスは、日本が1993年にイニシアティブをとって、アフリカ開発の問題に対する地球規模でのグローバルな取り組みを日本がリードして今日に至っている非常に重要な日本のイニシアティブだと、我々は自負するところでございます。以来17年が経っている訳ですが、その間、4度のTICAD首脳会議を日本が主催をしました。2年前に横浜でTICADⅣが開かれた訳ですが、今まさにご指摘がありましたが、その時の成果として、日本の取り組みの非常に重要なポイントの一つは、具体的なアクションプランです。アフリカ開発問題に対し、TICADプロセスの中でどのような取り組みをするのかということを、非常に明確に、ロードマップも含めて合意をしたということがあります。ですから、昨年もボツワナで当時の中曽根外務大臣も出席をされてフォローアップ会合をやり、また、2年目の今年も大臣自らタンザニアに出向かれてフォローアップ会合をやるということです。フォローアップ会合の肝心な部分は何かという私の理解は、アフリカ開発の問題、途上国の開発は全て同じだと思いますが、「オーナーシップとパートナーシップ」ということです。つまり、ドナー側が一方的に途上国に何か施しを与える、或いは支援をするということでは最早なく、途上国側が自ら開発プロセスを主体性を持って取り組むということです。日本のアイデアはまさにそれをパートナーとして支援するということにあろうかと思います。日本は、これまでも青年海外協力隊を通じた人づくり協力ということもやっていますし、円借款や無償でインフラ支援をやってきたり、エイズ・マラリアといった感染症対策の世界基金に対する資金協力など、保健、医療、教育、インフラ、農業の分野について、大変な支援を実績を伴ってやってきています。今回も大臣は、現地に行かれて会議を主導する中で、日本のコミットしたことを改めて進捗状況も確認しながら、日本は約束は履行しているとし、更にその成果を踏まえて日本のアフリカ開発に対するコミットメントは不変であるというか、我々はその先を見据えております。つまり、今年の9月にはMDGsの中間レビューサミットがニューヨークで開かれます。また、MDGsは2015年がターゲットイヤーであり、今年は2010年ということで後5年ということです。そういう中で、日本としての貢献をアピールして行くということです。まさに9月に向けて、5月という時期に、大臣がアフリカ開発のTICADフォローアップ会合をzストしたという成果を引っさげてニューヨークに乗り込むという意義もあろうかと思います。それから、アフリカ開発の問題プロパーに加えまして、グローバルな課題である気候変動対策問題についても、大臣はこういう機会を捉まえて、次回のCOP16にむけて、日本の取り組みに対する共感、理解を得て、引き続き日本がリーダーシップを発揮していく場にもなるのではないかと私は思っております。

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報道官会見記録(平成22年4月21日(水曜日)15時00分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)ポーランド大統領追悼ミサについて

【外務報道官】昨日の大臣会見の場で質問がございました故カチンスキー・ポーランド大統領ご夫妻に弔意を表する在京ポーランド大使館主催のミサへの日本政府の対応についてです。昨日のご質問は、「日本政府筋の人は誰も来なかった。それは何故なのか」というような内容でしたが、事実関係は次のとおりです。18日(日)午後3時から午後4時まで、東京都文京区の教会で、故カチンスキー・ポーランド大統領ご夫妻他、今回の政府専用機墜落事故の犠牲者を弔うミサが執り行われました。このミサには外務省欧州局の海部中・東欧課長、及び同課ポーランド担当官が出席をしました。海部課長の方からは、ロードヴィッチ在京ポーランド大使、ザサダ同次席公使に対して、改めて丁重なお悔やみの意を伝達しております。また、このミサの挙行については、15日の夕刻、在京ポーランド大使館が発出した在京の各国代表団宛の回章で周知をされておりまして、我が方の外務省に対しても回章の写しが担当主管課である中・東欧課宛に送付されてきたという経緯があります。なお、故カチンスキー大統領ご夫妻はじめ、犠牲者の方々への日本政府としての厳かな追悼の意を示すべく、事故当日の10日夜、鳩山総理、岡田外相から弔意のメッセージを発出しております。また、13日には福山副大臣が在京ポーランド大使館を弔問、記帳のために訪れております。

(2)アイスランドの火山噴火による航空路封鎖に係る日本政府の対応について

【外務報道官】アイスランドの火山噴火による航空路が閉鎖されたということで、これに関する日本政府による対応ということについて申し述べます。
 まず、外国、欧州方面が中心でありますが、外務省としては、欧州への邦人渡航者に対しては、4月16日に渡航情報を発出して注意喚起をさせて頂きました。また、外務省のホームページにもそのことは掲載され、或いは欧州地域の在外公館のホームページにおいても、アイスランドの火山噴火の影響と各国航空便運航状況や、或いは在外公館による邦人支援に関する情報を掲載をしてまいりました。また、イギリスには、欧州全土をカバーする日本語放送があります。JSTVを通じて大使館による対応を紹介したり、足止めされた邦人の方々に対して、最寄りの大使館や総領事館に相談するように呼びかけたということもございました。更に外務省及び関係在外公館においては、渡航予定者及び欧州滞在者からの電話等の照会に対して、航空便運航再開の見通し等、必要な情報提供を行うとともに、日本からの送金手続き、査証を含めて滞在期間の延長手続き、或いは健康、医療、宿泊、航空便運航再開地への移動の方法等についての相談にも応じてまいりました。この電話照会については、航空会社や旅行会社とも連携をして、邦人旅行者等から相談や支援要請を受けた場合は、在外公館につないでもらうようにしております。更に関係在外公館においては、必要に応じて、空港にも赴いて、各地における日本人旅行者等の状況を確認するとともに、邦人旅行者に対する支援を行ってきたということです。
 また、日本の国内において、空港が閉鎖されたことによって、滞留を余儀なくされた旅行者の方々に対する対応ですが、基本的には、政府としては、国土交通省の方でやってきた訳ですが、簡単に申し述べますと、今回の火山噴火に伴って、成田空港や関西空港においては、多くの方が足止めをされるという事態が発生しました。それを受けて、航空会社や空港による情報の提供、シャワールームや軽食の提供支援が行われてきたということです。また、外務省に対しても、EU加盟国を代表して在京フランス大使館及び在京スペイン大使館から、日本に滞留しているEU加盟国国民に対しての支援の依頼がございまして、これに対しては、今申しましたような支援を行っていることを、在京の大使館に対して回答をし、関係のある情報提供を行ってきたという経緯があります。特に、言葉の問題がありましたので、英語で相談が出来るような連絡先はどこかということに対して、きめ細かい情報を提供したということがございます。

(3)日本のODAの基礎教育分野の割合について

【外務報道官】こちらも昨日の大臣会見のフォローアップですが、日本のODAの基礎教育分野の割合が極めて少ないのではないかというお尋ねがございました。大臣の方からお答えもされておりますが、事実関係として少し補足的に申し述べます。シェアということで言えば、確かにOECDの諸国の平均で比べて見ますと、ODA全体に占める基礎教育の割合は、OECD諸国平均は2.1%ですが、その3分の1の0.75%です。シェアだけ見ますと確かに小さい数字ということは言えるかもしれませんが、絶対額ということで是非ご理解いただきたいと思います。日本のODAに占める教育支援全体額、教育セクター全体、そこには基礎教育も含まれている訳ですが、これは7.8億ドルです。この数字はすべて2008年のDACの統計ですが、世界第5位の額です。そしてまた、この教育支援全体額というのは、日本のODA全体の約4.4%ということです。基礎教育のみの支援額は、1.2億ドルということですが、この額は世界で第8位です。なお、我が国の教育支援全体に占める基礎教育支援額の割合は約16%ということでありまして、ご案内のように2015年というターゲット・イヤーがございますが、いわゆる「ミレニアム開発目標」に向けて日本政府も最大限の努力をしてきている訳です。そのMDGsにある初等教育の完全普及の推進と共に、或いは中等・高等教育や職業訓練、留学生の受け入れといったもの、或いは途上国の国造り、人材育成支援
をバランスよく、我々は実施してきていると思っております。したがいまして、質と量の両面において、基礎教育の更なる充実を支援していくということになりますが、自立と成長に繋がる、つまり、初等教育だけでは、途上国の自立、持続可能な開発は可能ではない訳です。職業を身につけなければ、腕に技術をつけなければ、所得を生む訳ではありませんので、そういう意味からも自立と成長に繋がる多様な中・高等教育、或いは職業訓練といった支援の強化に取り組むことも必要だというのが日本政府の考え方です。

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報道官会見記録(平成22年4月7日(水曜日)15時00分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)米国の「核態勢の見直し(NPR)」の公表について

【外務報道官】外務大臣談話を発表させて頂きます。件名は「米国の『核態勢の見直し(Nuclear Posture Review)』の公表について」です。4月6日(火曜日)米国東部時間ですが、日本時間7日未明、米国は「核態勢の見直し(NPR)」を公表しました。
 我が国は、米国が、米国及び同盟国等の安全保障を確保しつつ、核兵器の数と役割を低減させるとの方針を明確にした今回のNPRを歓迎します。また、米国が、NPT上の義務を遵守する非核兵器国に対する核兵器の使用・威嚇を行わないという形で、従来の消極的安全保証(Negative Security Assurance)を強化する用意がある旨述べていることを評価します。これらは、オバマ大統領が提唱する「核兵器のない世界」に向けた具体的な第一歩となるものと考えます。
 同時に、このNPRにおいて、米国は、我が国を含む同盟国等に対する核兵器によるものを含む抑止力のコミットメントを再確認し、これを保証するため同盟国との緊密な協議を実施していくことを明らかにしています。このような米国の核政策は、我が国の安全保障のみならず、国際社会の平和と安定に寄与するものと考えます。また、安全保障を確保しつつ、積極的に核軍縮を推進するとの米国のアプローチは、我が国の考え方と軌を一にするものであり、我が国は同盟国である米国による今回のNPRを高く評価するものです。
 我が国としては、核兵器を保有するすべての国が、今回のNPRを契機とし、本年5月のNPT運用検討会議等を通じ、具体的な核軍縮を実施することを強く希望します。また、米国のみならず、すべての核兵器国が消極的安全保障(NSA)の強化に取り組むとともに、核兵器保有の目的を核兵器使用の抑止のみに限定するという「唯一の目的」の考え方についても議論が深まっていくことを期待します。さらに、明8日には、米露間で戦略核を削減する条約に署名がなされると承知しますが、これを歓迎するとともに、今後、米露以外の核兵器国においても、また、戦略核のみならず戦術核についても、核兵器の削減努力が続けられることを希望しています。

(2)インドネシアのシボルガ沖地震について

【外務報道官】今朝、現地時間で午前5時過ぎ、日本時間で午前7時過ぎですが、インドネシアのシボルガ沖地震が発生いたしました。これについて、外務省が現在把握している最新の事実関係に関する情報を発表させて頂きます。
 まず、地震の規模、被害についてですが、地震の規模はマグニチュード7.7です。我が国の総領事館のある北スマトラ州メダン、これは震源地から約215キロメートルの場所にありますが、揺れは感じられたが被害が生じるほどではないということです。それから、アチェ州バンダアチェでは2分間くらい長めの横揺れがあったが、市内は大きな被害や混乱はない。それから、北スマトラ州当局によれば、建物崩壊などの物的損害は報告されていない由ですが、ただ、シムルシ島シナバン市では12名の方が重傷だという情報があるようです。
 インドネシア政府としては、津波警報を解除しました。我が国気象庁によれば、我が国への津波の影響はないということです。邦人の方の安否の確認ですが、震源地から最も近いシボルガ市及びニアス島には在留邦人の方はおられないということです。邦人が在留する都市で最も震源地に近いアチェ州のムラボウ市というところがありますが、このムラボウ市におられる2名の邦人の方の安否は既に確認済みということです。
 以上のようなことで現時点では、被害の規模が小さいということもあり、日本政府としては緊急援助を行う必要は当面ないと判断しております。国連、各国等も、今のところ緊急支援を行う予定はないと承知しております。また、事態の進展を受けまして、新たな情報があり対応を要すれば、当然しっかり対応していくということです。

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