演説

国連の場における演説

第49回社会開発委員会
議題3(b)社会集団の状況に関連する国連行動計画のレビュー
木村公使ステートメント(和文骨子)

平成23年2月14日

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1.冒頭

  • 1995年の社会開発サミットから15年以上が経過した。15年前,(1)貧困の克服,(2)完全雇用の達成,(3)安定・安全かつ公正な社会の育成を各国の最重要課題とすることを我々は誓った。上記3つの目的達成に向けた,青年,障害者,高齢者に関する我が国の取組を紹介したい。

2.青年

  • 社会の継続的な発展には,次世代を担う青年のエンパワ-メントと効果的な社会参加の確保が必要。我が国では,子ども・若者育成支援施策を総合的に推進することを目的として,「子ども・若者育成支援推進法」が2010年4月に施行され,それに基づき「子ども・若者ビジョン」が2010年7月に策定された。同ビジョンは,(1)すべての子ども・若者の健やかな成長の支援,(2)困難を有する子ども・若者とその家族の支援,(3)子ども・若者の成長を社会全体で支えるための環境の整備の3つを柱としており,子ども・若者が自己を確立し社会の能動的な形成者となること,すべての子ども・若者を包摂する社会を実現すること等を目指し,教育,福祉,雇用を含めた諸施策に取り組んでいくこととしている。
  • 特に,教育にかかる経済的負担の軽減策が取られている。高校教育に関しては,家庭の経済状況にかかわらず,全ての意志ある高校生等が安心して勉学に打ち込める社会をつくるため,高校実質無償化法が2010年4月1日より施行された。また,すべての子どもの育ちを社会全体で応援するため,中学校修了前までの子どもを対象とするこども手当制度が創設された。これらの支援は,日本社会の未来を支える若者に対する投資でもある。

3.障害者

  • 障害の有無にかかわらず,国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う「共生社会」の実現は,我が国にとっても大変重要な課題。我が国は,昨年1月から障がい者制度改革推進会議において障害者制度改革のあり方について検討を進めてきた。同会議では,障害のある当事者も構成員に加わる形で活発かつ密度の濃い議論を行い,制度改革を推進するという画期的な取組が進められている。
  • 障害者に関する課題の克服には,国内のみならず,各国の蓄積した技術,経験,知識の共有も重要。我が国は障害者をテーマとした第2回ESCAP社会開発委員会(2010年),第2次十年の最終レビュー会合(2012年於韓国)の準備への貢献を行ってきた。今後も他国と協調しながら国内外の障害者施策に取り組む所存。

4.高齢者

  • 高齢者の割合が23%を越え,本格的に高齢社会となった我が国にとって,すべての国民が長寿を喜び,高齢者が安心して暮らすことのできる社会を形成することが重要。高齢社会対策基本法を制定し,同法に則って高齢社会対策大綱を策定・推進している。
  • 高齢者に関する取組の一例としては,雇用対策がある。高い就労意欲を有する高齢者が,その培ってきた知識と経験を活かし,年齢にかかわりなく働くことが出来るように,定年の段階的引き上げ,継続的雇用,再就職の支援,高齢者の多様な社会参加の促進など,高年齢者の安定した雇用対策に取り組んできている。

5.結語

  • 我が国は,国連行動計画の目標の達成のため,国内外双方において計画の実施を積極的に行っていく所存。
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