演説

岡田外務大臣演説

岡田外務大臣の日本外国特派員協会における講演(概要)

(平成22年8月25日 12時45分~14時00分)

  • (写真)日本外国特派員協会において講演する岡田外務大臣

1.大臣の冒頭発言

 私から、日本の外交について、1年間外務大臣を務めた一つの区切りとして、皆様にお話し申し上げたい。

  1. (1)日米同盟のさらなる深化

     日米同盟について、普天間の問題を象徴的に捉えて、日米同盟が非常に今、危機に瀕しているのではないかという見方も一部にある。私は、全くそういう考え方には立っていない。普天間の問題は御質問があればお答えする。非常に重要な問題として、5月の日米合意に従って、今月中に専門家の検討を終えて、普天間基地を辺野古に移設するという日米合意をどうしたら実現できるか、もちろん沖縄の理解がなければそういうことはできないわけであって、どういうふうにこれを進めていくかということについて、日本政府として慎重に進めているところである。
     その他の問題というか、私はクリントン長官との間で、この1年間で6回の二国間会談を行っているが、そこでの議論の焦点は、例えば最近であれば北朝鮮であり、イランである。イランの問題は、日本としての追加的な措置を近々発表することにしているし、北朝鮮については、日本と韓国と米国が協調した行動をとる中で、今日まできちんとした対応ができてきたと思っている。
     質問が出るかと思うので先にお話ししたいと思うが、よく出る質問は、日本は米国と中国とどちらが大事なのか、あるいは米国とアジアのどちらをとるのかという質問が外国メディアの方からよくなされる。そういう見方自身が全く無意味なものであると私は考えている。もちろん中国、そしてアジアは日本にとって非常に重要である。貿易の最大の相手国は中国である。しかも隣りの国であるから、日中関係というのは非常に重要であるということは言うまでもない。
     ただ、日米関係というのは、それを超える同盟国、安全保障上の約束をしている国であるから、これを同列でどちらがいいかということを比較すること自身が間違っていると思う。質的に異なる問題である。日米同盟というのは、もちろん日本を守るためのものだけではなく、アジア太平洋地域において平和と安定をもたらしている、この地域全体に利益をもたらしている同盟である。したがって、日本としても米国としても、この同盟関係を更に深めていくことは、非常に地域の平和と安定にとって重要であると考えている。

  2. (2)重層的なアジア外交の推進

     先ほどかなりお話ししたと思うが、民主党政権になって中国、韓国、あるいはASEANとの関係がそれぞれ前進していることは非常に喜ばしいことだと思う。例えば、国民レベルでの調査などを見ると、日本に対する好意的な見方が中国においても韓国においても高まっている。小泉政権当時のような不必要な摩擦はない。
     韓国との間では、日韓併合条約100年に当たって総理大臣談話を出したところである。両国間においておおむねこの談話は好意的に受け止められたと考えている。韓国との間では、事実上中断していたFTAの交渉をもう一回再起動させるということで議論を行っているところである。市場経済、民主主義という共通の考え方をもった両国が、政治レベルでも経済レベルでも更に協力を重ねていくべきだと考えている。
     中国との関係は、日本にとって中国は非常に重要であるという大局観に立ちながら、しかし目の前にある具体的な問題については先送りをせずに一つ一つきちんと解決していく、そういう方針で臨んできた。食の安全の問題は、この間前進を見た問題の一つである。東シナ海に関する様々な問題についても、5月に温家宝首相が日本に来られたときに、方向性について両国で非常に前向きな合意がなされたと考えている。
     ASEANの国々、あるいはインドとの関係も、ここでは申し上げないが、非常に前進しているということを申し上げておきたいと思う。

  3. (3)新興国外交-世界の活力を日本の成長に

     新興国外交については若干新しい話をしたい。経済面だけではなく政治面でも、世界の中での新興国の影響力が増していることは事実である。G20サミットも定期的に開催され、そこでの議論、決定が大きな影響力を及ぼすようになってきた。新興国というのは日本から見た市場としても非常に魅力的である。例えば、原子力発電所とか、新幹線とか、水プロジェクトとか、そういったものを売り込む先の市場としての魅力も備えている。
     私も大臣になって以来、中国、インドはもちろんだが、トルコ、南アフリカといった新興国を訪問することに力を入れてきた。そういう中で、外務省として一つは「新興国外交推進室」というものを昨日設置した。また、これから3年から5年をかけて人のシフトを行っていこうと、先進国から新興国に約100名の外交官をシフトさせようと考えている。もちろんそれは先進国が重要でないということを言っているわけではないが、先ほど言った世界経済のパワーシフトに応じて外交の人員も変えていこうというものであり、こういったことを迅速に行っていくのが非常に大事なことだと思う。
     それから、各国にある大使館の拠点性を高める、つまり、日本としてJICAとか、JETROとか、JBICとか、色々な機関がそれぞれの国に展開しているが、全体を大使館で束ねるという体制を作っていきたいと考えている。

  4. (4)核軍縮・不拡散-「核リスクの低い世界へ」

     これは私が力を入れてきた問題で、「核のない世界」を目指す、その前段階として、「核リスクの低い世界」を目指したいと考えている。ただ、核軍縮について核保有国の外相と議論してきて感じることは、この問題は非常に国の威厳とかそういったものに関わっていて、時には激しい議論になるということである。いずれにしても、今度の9月の国連総会の機会に、核を持っていない主な国々で、11か国になると思うが、新しい小規模なグループを立ち上げて、核なき世界を目指す具体策について様々な提案を行っていきたいと考えている。ただ、これは豪州と日本で進めてきたが、パートナーであるスミス外相がどうなるのだろうか、というのは少し気になっているところである。

  5. (5)人権・人道外交の展開

     ミャンマーの問題、スリランカの問題に私は非常に関心を持っている。もちろん理想的な民主主義が直ちには実現できないということは、私はアジアの国の一つとして、そして日本自身の経験からよく分かっているが、人権・人道問題を外交の一つの柱にして民主化を後押ししていきたいと考えている。

2.質疑応答

  1. (1)黄海での米韓軍事演習、中台関係

    【記者】日経新聞によれば、日本は10月に、シンガポールと共に、黄海で行われる米韓の合同軍事演習に加わることを検討しているとのことだが、事実関係如何。また、台湾と中国はFTAのような合意を締結し、中台関係は大変改善しているが、この点についての大臣の見解如何。

    【大臣】最初の質問については、私は承知していない。中国と台湾の関係が経済関係を中心に深まっているということは、歓迎したいと思う。

  2. (2)日本の核軍縮・不拡散政策

    【記者】核不拡散が外務大臣としての主要政策の一つだと述べられたが、日本の現在の核不拡散政策では3つの穴があるように思う。第一に、日本の安全保障政策は米国の核の傘に依存しているが、他国に核兵器を製造しないように説得する日本の取組の中ではどう位置づけられるのか。第二に、核不拡散分野では、日本はイランのような国に対して厳しく接しているが、パキスタンやイスラエルは日本政府から少なくとも公には批判されていないのではないか。第三に、大臣はインド訪問から戻られたばかりだが、NPTに加盟していない核保有国であるインドと原子力の民生利用について議論されたと承知している。この3つのケースについて、大臣の核軍縮・不拡散政策とどのように整合しているのか。

    【大臣】米国の核の傘の下に日本があるということと、将来的に核のない世界を目指すということは、全く矛盾することではない。核のない世界を目指すプロセスにおいて、日本は核の脅威の下にあるわけだから、それに対抗するために核の傘の下にあるということは、全く矛盾することではないと考えている。我々はイランにだけ厳しいわけではない。核の疑惑のある国々に対しては、例えば北朝鮮に対してもそうだし、パキスタンに対しても、もしパキスタンが核の拡散に手を貸すとかそういう疑惑があるのであれば、それは厳しく指摘をしなければならない。現状においては、そういうことはないと考えている。インドとは今原子力協定について協議中であるが、核不拡散や軍縮について、それを反映した原子力協定を締結したいと考えている。今の質問に関連して述べると、日本は今までもちろん核のない社会を目指して国際社会に発信してきた。そのことは重要だが、どうやってそれを実現するかという具体的、現実的な提案という意味では、今までややそれが欠けていたと思う。そういう意味で私は核なき世界を目指す前提としての「核リスクの低い社会」ということを申し上げている。

  3. (3)日米関係(真珠湾攻撃に関する謝罪)

    【記者】先日、駐日米国大使が広島での式典に参加した。それに関連し、日本政府は真珠湾攻撃について米国に謝罪する考えはあるか。

    【大臣】日本国政府は、65年前に降伏をしたということで、そこで全てが尽くされていると私は思う。それ以上のことは、その時々のリーダーが考えることで、一般論として述べることではないと思う。

  4. (4)イランの核開発

    【記者】先程のイランに対する制裁についてのお答えでは、日本は核不拡散政策に関してダブル・スタンダードを適用しているわけではないと中東の人々を説得できるとは思えない。イラン自身は核兵器開発を行っていない、その証拠はないと述べている一方で、日本はイランの核開発に対してどのように臨むのか。イランとの関係をいかに構築していくのか。

    【大臣】イランが核兵器を持った時に、一番影響を受けるのは中東諸国だと思う。場合によっては、中東において核を持ちたいという国が幾つか出てきても不思議ではない。そういう意味では、イランの核兵器開発をストップするということは、中東諸国にとっても大きな関心事だと私は基本的に理解している。私としては、イランに核武装をはっきりと断念してもらうと、そのために国際社会と協調しながら制裁を行っていかなければならないと思っている。ただ、イランの皆さんとお話しすると、自分たちは核武装をするつもりはないというので、そういう意味では話し合いの中で問題を解決するという余地は残されているのではないかと思う。

  5. (5)日韓併合条約

    【記者】日韓併合条約が締結された1910年当時、併合条約は合法だったのか。非合法だったのか。その後の外交の動きとは別にお答え願いたい。

    【大臣】ここは日韓で意見が違う。日本政府としては、当時は合法的に締結されたという考え方を持っているので、したがって「もはや無効」という表現で両国が合意しているわけである。もちろん韓国政府は当時からこれは無効であると言っているわけで、無効か有効かという不毛な議論を繰り返すつもりはない。日韓基本条約が結ばれたときに「もはや無効である」という表現で両国は折り合ったわけである。

  6. (6)普天間問題

    【記者】普天間基地の辺野古への移設問題に関し、今秋の沖縄知事選で移設反対派の候補が勝利した場合、日本政府はどのように対応するのか。

    【大臣】選挙は民主主義の基本であり、その選挙に影響を及ぼすような答えを今、自分が申し上げない方が良いと思う。選挙の結果が出るまでに「こういう結果が出たらこうなる」といったことを申し上げるべきではない。

  7. (7)民主党代表選挙

    【記者】次の総理大臣として岡田大臣の名前が取り沙汰されているが。

    【大臣】自分は現在外務大臣であり、外務大臣の職に全力を尽くしたいと考えている。15年間野党であったこともあり、また今後野党になるかもしれないこともあり、現在の職務にベストを尽くしたいというのが正直なところである。その先のことはまた先に考えたい。

  8. (8)アフリカ支援

    【記者】日本政府はこれまでアフリカ諸国を支援してきているが、援助が腐敗した政権に渡ったり、きちんと管理されていない場合がある。日本はいつになったらアフリカを援助の対象としてではなく、ビジネスの対象として認識するように政策を変更するのか。

    【大臣】まず認識の問題として、日本はアフリカの国々に対して積極的に支援するという態度を取っている。日本が現在行っているTICAD IVの取組は、アフリカの国々に高く評価されていると思う。確かに10年程前は、アフリカに対する最大の援助国は日本であった。その時と比べるとやや援助の額は少なくなったかもしれないが、日本は約束したことは確実に実施してきているので、その点に対しては、今年の5月に自分が出席したタンザニアでのTICAD IVフォローアップ会議でも各国から評価をされたと思っている。ただし、問題は、民間投資がまだ十分ではないということであり、それを促進するために投資ミッションをアフリカに何度か派遣しているところである。

  9. (9)普天間問題

    【記者】普天間の問題について、5月の日米合意の後に、いくつかの新たな要素が米国側に生じたと考える。一つは、グアムでの建設工事が遅れていることであり、米国議会には予算削減に向けた動きがある。もう一つは、ゲーツ長官が海兵隊の体制、計画、役割についてもう一度見直す必要があると述べたことである。大臣は、これらの要素が普天間問題の協議に影響を与えるとのお考えか。また、日米関係において普天間問題が占める比重にも影響を与えると考えるか。

    【大臣】ゲーツ長官の海兵隊に対する発言は、普天間とは全く関係ない、海兵隊全体についておっしゃったことだと考えている。ただし、ゲーツ長官の発言を私は詳細に承知しているわけではない。グアムへの移転が当初の計画と比べれば時間がかかるということは、普天間の現状ということもあると思うが、同時にグアムの受入れ体制の問題もあると思う。今申し上げたことは、普天間基地の話とは直接関係がなく、グアムにおいて関係がない。

  10. (10)日韓併合条約の合法性

    【記者】1965年の日韓基本条約で「もはや無効」という表現になっているが、それに対する解釈が今になっても韓国と日本の間でまったく違う状況である。その状況を解決するために、同条約から45年たった今、条約を補完あるいは改訂する必要があるのではないかという声が韓国では出ているが、それに対する大臣の考え如何。

    【大臣】政府間で議論しても答えは出ないと思う。したがって、専門家、学者、そういうレベルで、つまり民間で議論されることはそれなりに意味のあることかもしれないが、政府間で議論することは結果が見出せないだけに、今は避けるべきだと思う。

  11. (11)イランへの制裁

    【記者】米国のイランに対する新たな制裁を受けて、日本政府はイランの制裁について次にどのような段階に移るのか。特に、国際石油開発帝石(INPEX)にアサデガン油田からの投資を引き上げるよう求める考えはあるのか。

    【大臣】まだ具体的な追加措置については発表していないので、今ここで話すのは避けたい。

  12. (12)日米同盟の深化

    【記者】日米同盟はこれからどのように発展すると考えるか。特に、弾道ミサイル防衛に関する協力関係をこれからどうやって深化させていくつもりか。

    【大臣】基本的な日本政府の考え方は、防衛大綱の見直しという形で、12月に向けて議論を行うところである。しかし、基本的にミサイル防衛について、大きく方針を変えるという考え方は、日本政府の中にはないと考えている。

  13. (13)北方領土問題

    【記者】北方領土問題について日本政府は具体的にどのような政策をとっていくのか。また、鳩山前総理が来月訪ロするが、この問題に何か影響を与えると思うか。

    【大臣】鳩山前総理の話はともかくとして、日本政府の北方領土に対する考え方は、基本的に鳩山政権、菅政権と変わっていない。我々としては、四島の帰属問題についてきちんと決着することを目指しており、そのことについて何か変化があるということではない。

  14. (14)民主党政権での外務大臣としての実績

    【記者】あと数日で歴史的な政権交代を果たした総選挙から1年が経つが、あらためてこの1年を振り返って、民主党政権の外務大臣として、成し遂げたことは何か。普天間問題を見ると、自民党政権と変わりがないように見受けられるが、その点についてどうお考えか。

    【大臣】外交が政権交代で変わることは必ずしも望ましくないと思っている。どれだけのことを成し遂げたかについては、自分(大臣)が語ることではなく、皆さん(メディア)を含め、自分(大臣)以外の人間が語ることだと思う。

  15. (15)集団的自衛権

    【記者】先程、日米関係については基本的には変わらないという話があったが、ブッシュ前米政権時にシーファー大使(当時)が公式に2回、日本側に集団的自衛権の解釈を考え直すよう求めるということがあった。今の日本政府の解釈によると、北朝鮮が(米国に向けて)日本の領海を超えてノドンを発射した場合、日本は迎撃できないということになっている。日本は現在、迎撃できる技術をもっていないが、将来的にそのような技術を持つということではなかったかと思う。また、90年代だったと思うが、小渕政権時に、例えば日本を助けるために来ている米国の艦船が公海上でノドン等に攻撃されてもこれは仕方がないということで、日本は何も助けられないという解釈がされたが、これを変えるつもりは全くないのか。

    【大臣】今おっしゃったことは、そういう解釈もあるが、自分(大臣)には極端なものの言い方に聞こえる。また、極端なケースではなく、一般論として申し上げると、集団的自衛権の問題は、憲法第9条にかかわる問題である。我が国の憲法第9条、平和主義という根本的な考え方を変えることにつながりかねない問題である。だからこそ、日本政府としては慎重に検討しているということである。

  16. (16)日中関係

    【記者】大臣は、明日から第3回日中ハイレベル経済対話のため訪中されるとのことだが、期待される成果は何か。また、報道によれば、レアメタルの輸入について議論されるとあるが、その他の議題は何か。

    【大臣】日中の経済対話は、自分(大臣)と王岐山副首相が議長を務め、日本からも閣僚が5、6名参加することになっている。非常に重要な会議である。経済問題について幅広く議論したいと考えている。今御指摘のレアメタルの問題も、日本側は関心をもって提起したいと思っている。知的所有権の問題、最近中国で起きている労働争議、これら具体的な問題も含めて包括的な議論をしたいと思っている。自分(大臣)は三重県の出身であるが、松坂牛が(商標として)中国で既に登録されていて、日本側が登録できないといった問題もできれば取り上げたいと思っている(笑)。

  17. (17)民主党代表選

    【記者】来月の民主党代表選で、小沢氏は出馬表明をしていないが、菅総理が再選されることは民主党の安定にとってどのくらい重要と考えるか。

    【大臣】これはルールであるから、どなたでも要件を満たせば立候補できる。そのことを止めさせるべきではないし、するべきではないと基本的には考えている。ただし、我々は菅総理を数か月前に選んだばかりで、これから仕事をしていただかなくてはならないので、私は引き続き菅総理が代表として責任を果たしていくことが望ましいと考えている。そういうことが多くの国民の期待であると、私は考えている。

  18. (18)内政

    【記者】小沢氏は良い総理になると思うか。

    【大臣】それは小沢氏が今総理ではないので、仮定の質問にはお答えしない方が良いと思う。どう答えても私の答えは違う報じられ方をする可能性があると思う。

  19. (19)資源外交

    【記者】資源外交についてお聞きしたい。日本は石油エネルギーの第二の消費国でもあるにもかかわらず、資源獲得においては、今や中国や韓国に遅れをとっているような状態である。菅総理が講演にいらした時に、太陽熱利用や環境にやさしいだけではだめで、資源外交にもっと力を入れなければならないと言われた。日本は、JOGMEC等の機関もあるが、そこでの意思決定は遅いし、諸外国、新興国には太刀打ちできないようである。岡田大臣として、情報を集めるために石油輸出情報専門官を育てることを考えておられるか。

    【大臣】まず、石油に関しては、日本の輸入量はこれから大きく減っていくので、石油よりも、レアメタルなどの資源の重要性が増すと考えている。基本的に、国が関与すればベストな結果が出るというものではなく、そこは市場に基本的に任せるというのが少し前までの日本政府の考え方だった。しかし、世界の情勢がかなり変わってきたので、日本としても政府がかなり関与をしなくてはならない状況になっていると思う。カザフスタンに行ってきたが、カザフスタンもそういった観点から非常に重要な国である。外務大臣として資源国アプローチを深めたいと考えている。

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