平成21年10月26日
(英文はこちら)
国際社会共通の普遍的価値である人権の保護・促進は、日本外交の重要な柱の1つです。そのための日本の基本的アプローチは「対話と協力」です。
人権保護や民主主義の確立への道のりは平坦ではなく、不断の努力、勇気、英知が不可欠であり、政府と国民が民主主義に忍耐強くコミットし努力を続けていく必要があります。我が国は今後も粘り強く人権保護や民主化に取り組んでいる諸国の自助努力を支援してまいります。
人権や民主主義の普遍的価値や理念を拡大するためには国際社会一体の取組が求められます。国連における「人権の主流化」の視点はいまや世界的潮流となっています。国際社会における人権の砦である本第3委員会及び人権理事会における議論に積極的な役割を果たしてまいります。
ここで世界の人権問題の改善のための我が国の取組の一例をご紹介します。ハンセン病は、化学療法を中心とした治療により、現代では治療可能な疾病であり、現在、WHOが主体となってハンセン病の撲滅に向けて国際的な取組が進められ、新規患者は激減している状況にあります。その一方で、ハンセン病に関する誤った認識や誤解に基づく偏見・差別により、ハンセン病患者・回復者及びその家族に対する深刻な人権侵害が、今なお世界各地で存在している状況にあり、偏見・差別の是正や改善が求められています。
このような問題意識の下、我が国は、人権理事会に関連決議を主提案するなど、ハンセン病差別の撤廃に向けた各国の取り組みの指針(ハンセン病差別撤廃に関する原則及びガイドライン)の策定に貢献しています。我が国としては、誤解と偏見に基づくハンセン病差別の撤廃に向けて、今後とも国際社会において主導的役割を果たしていく考えです。また、今後活発な議論がなされ、建設的かつ真摯な意見が表明されることを期待しております。
我が国は今後も、国連をはじめとする国際社会と協力・連携しながら、世界の人権保護・促進という国際社会共通の重要な課題に取り組んでまいります