演説

国連の場における演説

2009年第64回国連総会第3委員会
議題68:「先住問題」
(a)「先住問題」及び(b)「第2次国際先住民の10年」
篠原政府代表代理によるステートメント(仮訳)

平成21年10月19日

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議長、
 日本政府を代表して第三委員会において「先住問題」に関して発言できることを光栄に思います。本日は、我が国の「先住問題」に関する進展を中心に述べさせていただきます。

議長、
 2007年9月に国連総会において「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が採択されて以降、先住民族の人権の保護・促進については、国内外を問わず極めて高い関心を集めてきました。

 2008年6月には、我が国の国会は「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を全会一致で採択し、同決議の採択を受け、我が国は、アイヌの人々が日本列島北部周辺、とりわけ北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族であるとの認識を示しました。
 そして、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」における関連条項を参照しつつ、これまでのアイヌ政策をさらに推進し、総合的な施策の確立に取り組む考えを示し、アイヌの人々の代表も参加する有識者によって構成される「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」を設置しました。
 同懇談会は、昨年8月から定期的に開催され、今年7月29日、内閣官房長官あてにアイヌ関連政策について多様な提言を含む報告書を提出しました。同報告書では、アイヌに関する国民の理解を促進するための教育・啓発への取組、アイヌ文化・産業振興等を推進すべきことなどが指摘されています。

 我が国としては、報告書で提言された事項の実現に向けて、継続的かつ着実に取り組んでいく所存です。

議長、
 我が国の国際的な取組としては、「第2次国際先住民の10年行動計画」の実施活動を援助するため、先住民の人々が直面している文化、教育、健康、人権、環境及び社会的・経済的発展の分野における諸問題の解決のための国際協力を推進する「先住問題信託基金」に対し、同基金の設立当初から自発的に拠出しています。同基金を通じて、世界各国の先住民族問題解決のためのプロジェクトへの資金提供等が効果的に行われることを期待します。

議長、
 我が国は引き続き、世界の先住民族の人々が直面する諸問題の解決についても取り組んでまいります。

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