演説

国連の場における演説

2009年第64回国連総会第3委員会
議題62:「女性の地位向上」
(a)「女性の地位向上」及び(b)「北京フォローアップ」
篠原梓政府代表代理によるステートメント(和文仮訳)

平成21年10月12日

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議長、
 本日は日本政府を代表して第三委員会において「女性の地位向上」という非常に重要な議題について発言できることを光栄に思う。我が国は北京行動宣言・行動綱領を含む、国際レベルで合意された原則や文書に則り、男女平等な社会及び女性の地位向上に向けた活動に今日まで継続して取り組んで来ている。国際社会が男女平等と女性のエンパワーメントに対する取組を再確認し、進展に励むべく2010年という重要な年を迎える中、本日は、国内、国際レベルにおいて我が国の取組、考えと経験について述べる。

議長、
 まず、本分野における最近の画期的な進展につき日本の立場を述べたい。我が国は全ての段階及び国連活動においてジェンダー主流化が最も効率的、効果的手段で実施されることが重要だと認識している。よって我が国は先の第63回国連総会にて新たなジェンダー機関の設立を支持する決議のコンセンサス採択に参加した。他方、国連システムの一貫性を実現するためには単なる新機関の設置では不十分であり、効率性及び効果に鑑み、現在の重複を避け、統一性を構築する必要がある。従って、新しい機関の統合が真に効率的・効果的なものとなるよう今後議論が行われることを期待し、日本としても引き続き積極的に議論に参加していく所存である。

 また、女性に対する暴力撤廃に向けた取組に関しては、先日、安保理にて女性・平和・安全に関する決議1888が採択され、武力紛争下の性的暴力に関する事務総長特別代表が任命されたことを日本は本決議案の共同提案国として歓迎する。我が国は国際社会が目指す、国連の調整された対応の強化と当該国の法の支配強化を強く支持している。また、我が国は平和構築を開発援助の重要課題の一つと位置付け、、平和構築に女性が参加することが肝要であると考える。平和構築プロジェクトの一例として、我が国において人間の安全保障基金を通じて支援している「ウガンダ北部早期復興計画」プロジェクトがある。このプロジェクトは、コミュニティの和解・対話に向けた会議の実施を通じて、女性が平和構築及び紛争予防のプロセスに参加することを奨励する等の活動を行っている。

議長、
 本年7月に、女子差別撤廃委員会による我が国の第6回報告書の検討が行われた。委員との対話においては多岐にわたる分野において建設的な意見交換が行われた。男女共同参画担当大臣の任命等、肯定的な側面を認めて頂いたと同時に、改善すべき点については貴重なアドバイスを頂いた。

 委員との対話において話題となった問題の一つに、意思決定の場への女性の参画促進ということがある。これに関しては8月に行われた我が国の衆議院選挙では女性が54人当選し、当選者に占める女性の割合は11.3%となり、過去最高となったことをお伝えしたい。政治的・公的活動への女性の参画が一層促進される社会の実現に引き続き取り組んでいきたい。

議長、
 来年は北京行動綱領採択15周年に当たり、CSWと同時に15周年記念会合が開催されることを祝福する。第53回CSWでは女性の育児・介護等の無償ケア労働が多くの場合認識されていない現実が議論されたが、これを受けて今年6月には特に昨今の経済危機の文脈から無償ケア労働について議論するシンポジウムをUNDPとの共催で東京にて開催した。

 我が国としても、15周年にあたるこの喜ばしい節目を機会とし、日本国内そして国際社会におけるより一層の女性の地位向上及びエンパワーメントを目指していく決意を表明するものである。

ありがとうございました。

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