天野之弥在ウィーン代表部大使
天野之弥在ウィーン代表部大使(次期IAEA事務局長候補)
IAEA3月理事会におけるステートメント
【骨子】
平成21年3月4日
(英語版はこちら)
- 新たな事務局長の主たる役割は、IAEAの主目的である核不拡散の確保と技術協力を含む原子力の平和利用の促進のために働くこと。自分は、両目的を、バランス良く推進してゆく。
- 自分は、広島・長崎の経験を有する国から来ており、核兵器の拡散に断固立ち向かう。イラン、北朝鮮といった核問題に最大限の努力が払われるべき。自分の核不拡散に対するコミットメントは事務局運営に全面的に反映される。
- 技術協力については、これまで技術協力に広範に関わった経験を生かして、技術協力の促進に力を入れる。
- 我々は、世界的経済危機と同時にIAEAの活動に対する需要の急増に直面している。新たな事務局長には、良き管理能力が一層必要。既存の予算を最も効果的に効率的に使用するために最大限の努力を払うことが不可欠。IAEAは、(加盟国・国際機関との)パートナーシップ強化、任意拠出金の活用、能率の向上等を行うべき。これらの措置により、IAEAの予算は、需要と負担能力の最適なバランスが達成されることを期待。
- 組織運営については、事務局と加盟国間の意思疎通、事務局内の意思疎通が引続き改善されるべき。また、若い世代・女性、アンダーレプの国に更なる機会が与えられるべき。更に、現場主義を重視。研究所や原子力発電所を訪れ、技術者や職員の意見を聞くことを重視。
- IAEAのあらゆる分野において科学技術のより良い活用が成功への鍵。
- 現在IAEAは、保障措置制度の強化、イラン・北朝鮮といった核問題、技術協力の促進、原子力ルネッサンス、核燃料供給保証への種々のアプローチ、核テロ、原子力安全・セキュリティ等種々の挑戦に直面している。次期事務局長に選出された場合は、これらの問題に優先的に取り組む。