演説

麻生総理大臣演説

日韓経済界との懇談会における麻生総理挨拶

平成21年1月11日

李明博(イ・ミョンバク)大統領、
趙錫来(チョ・ソンネ)全国経済人連合会会長、
御手洗 日本経団連会長、
岡村 日本商工会議所会頭、
日本と韓国の経済界の皆様方、

 日韓両国の経済界のリーダーの皆様との懇談会に 当たり、一言御挨拶申し上げます。まず、大統領には、このような貴重な機会を設けていただいたことに、御礼申し上げます。

 一ヶ月前に、福岡で、大統領とお会いした際に、改めて、韓国訪問のご招待を頂きました。早速、総理大臣として初めての訪問を果たしました。日曜日であるにもかかわらず、温かく歓迎頂き、韓国側からも多くの方に参加いただき、厚く御礼申し上げます。

 大統領から、訪問時には日本の経済界の方々の同行を得てはどうかとの御示唆を頂き、日本の経済界の重鎮の方々に同行をお願いしました。

 急なお願いにもかかわらず、多数の方々に、本日御同行いただきました。これも、日本の経済界が、韓国をいかに重視しているかの表れと感じています。

 日韓経済界の皆様には、昨年2回の「日韓ビジネス・サミット・ラウンドテーブル」を開催していただいた他、四十年以上の伝統のある「日韓経済人会議」などの場で、日韓産業間の協力・連携について、活発に意見を交わしていただいています。

 両国政府に対する貴重な御意見も、数多く頂いています。

 皆様の日韓経済交流に対する御努力に、改めて敬意を表し、また感謝申し上げます。

 日韓両国政府は、本日ここに御出席頂いている方々の協力も得ながら、貿易・投資促進、環境、エネルギー、中小企業政策などの分野で、協力を推進しています。

 明日の首脳会談でも、更なる協力の可能性につき、大統領と御相談したいと考えています。

 本日の韓国経済界主催の午餐会でも申し上げましたが、これからはますます、世界を舞台にした日韓経済協力を進める必要があります。

 先程御指摘があったように2008年9月15日は、将来、学校の教科書の一ページを飾ることになる事件となるでしょう。世界的に同時に発生した金融危機、それによって始まった不況の波に直面して受けたダメージは大きいものです。これは、韓国経済が悪かったせいでも、日本経済が悪かったせいでもありません。しかし、世界経済が統合されていく中で、今までとは全く異なる危機対応システムが構築されていないということについては反省しなければなりません。同時に、再びこのようなことが起きないよう、危機対応システムを構築しなければなりません。これは政治の大きな責任です。

 1907年及び1929年以来、100年に一度あるかないかと言われている現下の国際経済・金融危機を乗り切る上で、日韓両国の政府と民間で何をすべきかについて、両国経済界の現場からの率直な意見を頂戴したいと存じます。

 少なくとも日韓両政府は、李明博大統領の就任以後、両国関係が大きく変わったと感じています。そうした中、様々な意味合いで両国が手を握り、新興国に対し支援すべきであり、国際貢献をしなければならないと考えます。そうしたことを共に悩むことができる時代になりました。これは10年前には想像できなかったことです。李大統領と共に日韓両国が様々な問題とプロジェクトに挑戦し、結果的に両国の国益を一層高める方向に導いていくことができるような努力を続けていきたいと思います。

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