演説

宇野外務大臣政務官演説

宇野外務大臣政務官開会スピーチ
(於:「ボルジュ・セドリア・テクノパーク建設事業」セミナー)

平成20年6月19日

(写真)


 御来賓の皆様、

 本日は、我が国の円借款事業である「ボルジュ・セドリア・テクノパーク建設事業」セミナーに参加し、御挨拶する機会をいただき、誠にありがとうございます。 先月、横浜で開催された第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)に、ガンヌーシ首相に御参加いただきましたが、近年の日・チュニジア二国間交流は大変活発化しており、誠に喜ばしい限りです。

 私は、今年3月にチュニジアを訪問し、「ボルジュ・セドリア・テクノパーク」の施設を実際に見学する機会を得ました。 そこでは、熱心に日本語を学習する若者達とも出会い、彼等から、テクノパークを北アフリカの研究開発拠点にせんとする強い意気込みを感じたことを今でもよく覚えています。 本件事業により日本に留学している皆さんには是非日本で最先端技術を学び、その成果を持ち帰って、チュニジアの国造りやアフリカとの協力に役立てていただきたいと思います。

 日本国内では、筑波大学北アフリカ研究センターをはじめ、東大、京大、北大、東北大、東京農業大等多数の大学にも、本事業に多大な御協力をいただいています。 受入先の各大学からは「日本の学生も北アフリカの優秀な学生と一緒に研究することで、大いに刺激を受けている」という感想を伺い、大変喜ばしく思います。

 さらに、ハンナシ前在京チュニジア大使は、本事業の実現に奔走されましたが、事業が本格的に始動し、ハンナシ大使にテクノパーク管理会社社長として引き続き御支援いただけるのを、大変心強く思います。

 わが国は、「人間の安全保障」の実現には教育の役割が決定的に重要であるという信念の下、教育に対する様々な支援を実施してきました。 自立した一国が成長を成し遂げていくためには、基礎教育に加えて、技術教育・職業訓練等も、また強く必要とされています。 そのような考えに基づき、わが国はアフリカ、アジア諸国において電子工学学校や職業訓練センターへの支援や、教育施設の建設・資機材の供与による支援等を進めて参りましたが、引き続き、途上国の人材育成に力を注いでいきたいと思っています。 なお、今般のテクノパーク事業のような科学技術協力は、日本とアフリカとの間では新しい分野であるのと同時に、我が国が掲げる科学技術ODAの第1号事業と言っても過言ではありません。 始まったばかりの「ボルジュ・セドリア・テクノパーク」が、北アフリカのみならずアフリカ全土の科学技術研究の拠点、またモデルに成長しますよう心より祈念します。

 最後に、本セミナーの主催者であるハシェッド大使を始めとする在京チュニジア大使館の皆様や、国際協力銀行の皆様、また、本件事業に技術協力の形でたずさわっている国際協力機構の皆様の日頃の御尽力に対し、心より敬意を表しつつ、御挨拶とさせていただきます。

 御静聴ありがとうございました。

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