演説

宇野外務大臣政務官演説

平成19年度テロ防止関連条約締結促進セミナー
開会挨拶

平成20年1月22日
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(写真)

 ご列席の皆様、テロ防止関連条約締結セミナーの開催に際しまして、日本政府を代表して、各国より参加された皆様方及び関係各位に対し、心より歓迎の意を表したいと思います。

 我が国は、関係各国の経験と知見を共有するための本件セミナーを2003年以来開催してきており、今回で第5回目を迎えるに至りました。貴国より本件セミナーに参加頂きましたことに感謝申し上げます。

 テロ対策は、1国のみでできるものではなく、国際社会が一致して取り組まなければなりません。2006年に国連総会で採択された、国連グローバル・テロ対策戦略を見ても、実に様々なメニューが挙げられています。国際社会は、テロ対策・テロ予防のために、これらの対策を着実に、粘り強く実施していかなければなりません。

 国際社会によるテロ対策は、多くの成果を挙げてきていますが、テロの脅威は依然として深刻です。昨年12月においても、アルジェリアで爆弾テロ事件が発生し、国連職員を含む多くの人が犠牲となりました。また、パキスタンにおいても、同国のベナジール・ブットー元首相を狙ったテロ事件が起きたことは記憶に新しいところです。

 我が国は、テロ対策の1つとして、2001年以降インド洋における海上阻止活動に対する補給活動を通じて、国際的なテロリズムの防止・根絶のための取組に寄与してきました。一時中断はしましたが、今般、同活動を再開するための新たな法律が成立したところです。政府は、24日及び25日に海上自衛隊の艦船をインド洋へ向けて出航させる方針です。

 テロ予防の大きな柱として、様々な分野において、国際的基準に基づき、各国及び国際社会全体のテロ対処能力を強化する取り組みが必要です。こうした取り組みを進める上で、テロリストをどの国でも訴追できるようにするためにテロ防止関連条約を全ての国が締結することは重要であると考えます。

 我が国は13番目のテロ防止関連条約である、核テロ防止条約を昨年締結し、現在、テロ防止関連13条約全ての締約国となっています。こうした経験を踏まえ、我が国は、各参加国がテロ対策における法的枠組みについての知識を深め、条約締結に当たっての技術的障害を取り除くためのセミナーを5年前より開催してきました。

 13番目のテロ防止関連条約が成立した後に最初に行われた2006年1月の本セミナーでは、13の参加国により批准された条約数は85でしたが、現在批准されている条約数は101を数えています。このような数字から見ても、本セミナーは、参加国におけるテロ防止関連条約の批准に貢献してきたと考えており、今回のセミナーも、必ずや皆様の役に立つことを確信しております。

 最後に、皆様の訪日とセミナーへの参加をあらためて歓迎申し上げるとともに、特に初回のセミナーから引き続き本セミナーに協力頂いているUNODC、国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)、豪州及び米国からの参加に謝意を表したいと思います。そしてこのセミナーが実り多く意義あるものとなり、条約締結の促進に貢献することを希望しております。有り難うございました。

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