演説

御法川外務大臣政務官演説

太平洋島嶼国支援検討委員会 懇親会
御法川政務官挨拶

平成20年11月25日

駐日大使閣下、
ご列席の皆様、

 本日はお忙しい中「太平洋島嶼国支援検討委員会」の設置を記念する懇親会にお集まり頂き、有り難うございます。

 我が国政府は、明年5月に北海道で「第5回太平洋・島サミット」を開催します。太平洋島嶼国支援検討委員会は、明年のこの太平洋・島サミットを見据え、今後太平洋の島国に対してどのような協力を行っていくのが良いのか、有識者の方々の専門的知見を拝借する場として立ち上げるものです。

 この委員会での討議の対象となる太平洋の島々といって、ここにおられる大半の方々がまず思い描くのは、エメラルドグリーンの海や白い砂浜、つまり楽園のイメージかと思います。しかし、現実には、これらの島国は楽園とはほど遠い様々な問題に直面しています。私はそれらの課題は、皮肉なことに、楽園のイメージには欠かせない椰子の木が象徴していると思います。

 まず、椰子の実は、島に暮らす人々にとっての貴重な現金収入源となっています。また、輸出産品が乏しい島国にとっては貴重な輸出産品でもあります。つまり、椰子の木は、太平洋島嶼国の経済基盤の象徴とも言えるわけですが、太平洋の島国の持続的経済発展は様々な要因により阻害されています。

 また、椰子の木は、太平洋の島国の気候変動に対する弱さの象徴とも言えると思います。太平洋島嶼地域は概して海抜が低く、気候変動の影響、特に海面上昇に脆弱であると言われており、報道でもこれら島国の海岸沿いの椰子の木が倒れている様子をご覧になったことがあるかと思います。

 太平洋・島サミットは、通称「パーム(PALM)」と呼ばれています。PACIFIC ISLANDS LEADERS' MEETINGの頭文字をとった名称です。外務省としては、明年のPALMでは、この椰子の木、つまりパーム・トゥリーを中心的イメージと位置づけ、太平洋島嶼地域が直面している様々な課題への取組みにつき議論を行いたいと考えており、この検討委員会においても、それらの課題に沿った形で各種支援策につき忌憚のない議論をして頂ければと考えています。

 PALMはまた、「手のひら」を意味する英単語でもあります。言葉遊びのように聞こえてしまうかもしれませんが、明年の太平洋・島サミットは、我が国と太平洋島嶼国がともに手と手をとりあって、つまりPALM to PALMの精神で、この地域の発展に共に取り組んでいくための場としたいと考えています。

 第1回のPALMが開催されてから10年余りの月日が経過しました。我々は、過去10年の足跡を見据え、今後10年のPALMに繋げられるよう、「PALM to PALM」という言葉を念頭におきつつ、「第5回太平洋・島サミット」を成功に導きたいと考えています。本日ここにご列席の皆様におかれましても、日本と太平洋島嶼国との関係の発展に引き続きご協力をお願いして、私の挨拶とさせて頂きます。

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