「2008『北方領土の日』根室管内住民大会」
における小池政務官挨拶
平成20年2月7日
於：根室市総合文化会館
「2008『北方領土の日』根室管内住民大会」の開催に当たり、政府を代表して御挨拶申し上げます。
まず、最初に、北方領土問題の解決に向け、根室管内1市4町の皆様方からこれまで長年にわたり頂いております御支援と御協力に対し、心から御礼申し上げます。
政府は、アジア太平洋における重要な隣国であるロシアとの間で、これまで「日露行動計画」に基づき、幅広い分野で日露関係の進展に努めてまいりました。
しかしながら、いまだに、日露間において最大の懸案である領土問題の解決、日露の平和条約締結に至っていないことは誠に遺憾の極みであります。今後、「行動計画」の重要な柱である平和条約交渉の進展を図っていく必要があります。
平和条約交渉については、昨年二度にわたって行われた首脳会談において、両首脳が指示を出し、今後進展を図っていくことで一致をいたしました。首脳間の合意を踏まえ、昨年10月東京におきまして、高村外務大臣と、ラヴロフ外務大臣との間で真剣な交渉が行われました。特に、高村大臣からは、単に交渉を続けるのではなく、平和条約締結に向けて実際に進展が得られるよう交渉を強化しなければならない点を強調いたしました。ラヴロフ外務大臣も、プーチン大統領から「露日関係においていかなる停滞もあってはならない」旨指示を受けていると述べられました。この外相会談では、領土問題の最終的解決に向け、これまでの諸合意及び諸文書に基づき、双方に受入れ可能な解決策を真剣に検討していくことが確認されました。
政府としては、このような両国の一致した認識を踏まえ、北方四島の帰属の問題を解決して、平和条約を締結するとの従来からの基本方針に従い、引き続き強い意思をもってロシア側と交渉を進めてまいります。特に本年は、7月の北海道洞爺湖サミットの際に、ロシアの新大統領の訪日が予定されており、新たな日露関係を構築する重要な年でもあります。
政府がロシアとの交渉を進めていくに当たっては、根室管内の皆様を始めとする国民一人一人の御理解と御支援が不可欠です。国民の皆様と政府が一丸となって、北方領土返還運動を強力に推進していくことにより、我が国が一貫して固有の領土である北方領土の返還を求めていることをロシア側に強くアピールすることが重要です。引き続き皆様方の御協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。
四島交流は領土問題が解決するまでの間、我が国国民と北方四島住民との相互理解を図り、平和条約締結交渉の環境整備として重要な役割を担っており、昨年、四島交流、墓参及び自由訪問の一層の充実を目的とした関係閣僚申合せを行いました。四島住民との交流促進におけるこれまでの根室管内の皆様の御尽力に深く感謝するとともに、引き続き御協力を頂くようお願い申し上げます。また、同じく交渉進展のための環境整備として、引き続き北方四島を含む日露の隣接地域において防災分野での協力を進めるとともに、新しい取組として生態系保全などに関する協力を進めてまいります。
最後に、本日御参集の皆様方の今後の御健康と御活躍を祈念いたしますとともに、本日の大会の開催に御尽力頂いた方々に改めて敬意を表し、御挨拶とさせていただきます。