演説

伊藤外務副大臣演説

地球規模課題対応国際科学技術協力発足記念シンポジウム
「科学技術外交の強化・発展に向けて」
伊藤外務副大臣冒頭挨拶

平成20年9月19日
於:ホテルオークラ

(写真)


ご列席の皆様、

本日は、お忙しい中、本シンポジウムに参加していただき、まことにありがとうございます。開会にあたり、これまで我が国の科学技術政策のあり方に大きな貢献を果たしてこられ、本日も基調講演をして頂く、尾身幸次衆議院議員をはじめ、関係者の皆様に御礼申し上げるとともに、外務省を代表して、一言ご挨拶申し上げます。

今日の我々の生活は、地球上どこでも、科学技術の恩恵なしには考えられなくなっています。国際協力を通じて、世界と日本の科学技術をさらに発展させていく必要性は日々高まっております。また、今日の国際社会には、環境、エネルギー、感染症などのグローバルな課題が山積しており、これらの課題に国際社会全体で取り組んでいく必要があります。その際、我が国がいかに貢献していくかを考えると、我が国が世界に誇る科学技術を外交資産・外交ツールとして活用するということが、ますます重要になってきています。本年5月に、総合科学技術会議が発表した提言「科学技術外交の強化に向けて」は、そのことを明確な形で示していますし、6月に閣議決定された骨太の方針も「科学技術外交を強化する」としています。

外務省としましても、これらの提言を踏まえて、より一層の施策の充実に努めていきます。今回新たに開始されたプロジェクトは、環境・エネルギー、防災、感染症対策等を対象に、我が国と開発途上国の研究機関が、外務省、JICA、文部科学省、JSTの連携による支援により、技術の開発、応用、新しい知見の獲得のための共同研究を進めるなど、喫緊のグローバルな課題への対応を模索した画期的な取組みです。本シンポジウムに出席頂いている途上国の皆さんには積極的に本プロジェクトに参画されることを期待します。

また、我が国は、こうした取組を通じ「世界最先端の科学技術を有する日本」とのブランドイメージを更に強固にし、一方で世界の研究資金や優れた頭脳が地球規模で環流し、日本のみならず世界の科学技術協力が発展することを期待しております。

更に、科学技術という、特定の政治や宗教には左右されない、世界共通言語を通して、各国間の協力を推進し、友好関係を更に進展させるとの、外交の大きな役割に関し、本プロジェクトを通じ新たな一歩が踏み出されたことを誇りに思います。来年度にはより大きく飛躍できるよう準備を進めたいと思います。

このような取組は始まったばかりですが、本日お集まりの皆様におかれては、いかなる方策が我が国として取り得るのか、また効果的であるのか、是非活発な議論を行って頂きたいと思います。

本日は各界からの専門家の方々に加え、外務省からも関係者が参加しております。本日のシンポジウムが今後の政策決定にも好ましい効果を与えることを期待し、私の挨拶とさせて頂きます。

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