平成20年1月20日
スシロ・バンバン・ユドヨノ大統領閣下ならびに令夫人、
ギナンジャール・カルタサスミタ インドネシア日本国交樹立50周年記念事業実行委員会名誉委員長ならびに令夫人、
ご列席の皆様、
このたび、国交樹立以来50年を経た日本インドネシア友好年という意義深い年に、インドネシア政府のお招きにより、日本側における友好年の名誉総裁として貴国を訪問し、皆様と共に、友好年の開始を祝福できますことは、私にとりまして大きな喜びであります。
両国の間で国交が樹立された1950年代は貴国が新しい国として国造りの歩みを始められた時でありました。そして日本も戦後の復興と発展に力を注いでいた時代です。
その後、両国の関係は飛躍的に拡大し続け、友好と協力の関係は年々深まってまいりました。その間天皇皇后両陛下は、1962年に昭和天皇の御名代として、独立後間もないインドネシアを御訪問され、また1991年には御即位後初めての外国訪問としてインドネシアをご再訪になりました。またスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領閣下におかれては、これまで7回に亘り日本をご訪問いただき、国賓としてご訪日になった2006年には、私も宮中においてお目にかかる機会がございました。
また、私自身も1993年と1994年の2回、鳥類の調査を主たる目的として、インドネシアを訪れております。
今日、両国は政治、経済、文化、学術等の幅広い分野において、緊密な関係を築くにいたっており、心と心が触れ合う関係が息づいていることを大変喜ばしく思います。このことは、両国の各分野の関係者、両国民のたゆまぬ努力の賜物でありますが、とりわけ、インドネシアの元日本留学生の方々が日本との友好と親善の架け橋として力を尽くされてきたことに対し、心から敬意を表したいと思います。
私たちはこのたびの訪問に際し、ジャカルタ、ボゴール、そしてジョクジャカルタにおける大学や研究施設等を訪問する機会を得ましたが、このような機会を設けていただきましたことについて、貴国の関係者に対し、心より感謝の意を表したいと思います。
ジョクジャカルタでは、2006年のジャワ島中部地震により被災した中学校を訪ねることにしておりますが、亡くなられた方々のご遺族や被災者の方々の悲しみやご苦労に深く思いを致しております。そして被災地が一刻も早く復興し、更なる発展を遂げるよう願っております。
本年は、日本とインドネシア両国で様々な記念行事が行われます。この開会式典が、各種の記念行事を成功へと導くとともに、両国関係の新たな半世紀に向けて、両国の人と人との結びつきを一層深める契機となることを期待いたします。
最後になりますが、インドネシアの益々のご発展とともに、両国間の友好協力関係がより一層進展することを祈念して、私の挨拶とさせていただきます。