平成19年11月26日
(英文はこちら)
議長、
本日最も重要な総会の議題である「総会の再活性化」を議論する会合を開催していただき感謝申し上げる。
総会は、国連加盟国が等しく参加できる最も代表性のある機関であり、国連憲章の範囲にあるすべての問題、事項を議論する権限を有している。また、総会は、国連改革の決定や実行に主要な役割を有しており、総会の権限に基づき、平和構築委員会、人権理事会が創設され、マネジメント改革や安保理改革などが議論されている。
議長、
この観点から総会の再活性化と強化は、国連の機能強化につながる問題であり、国連の重要な課題である。総会再活性化のために、どのような取り組みが必要かについて、我が国は、以下の4点を申し上げる。
まず、第一に、総会において今日の重要な課題について積極的に議論することが、総会の活性化につながると考える。この意味で、総会議長のイニシアチブにより総会テーマ別討論やパネルディスカッションなどが開催されることを全面的に支持する。議長の指導の下で10月に行われた開発資金ハイレベル会合での議論、11月12-14日に多数の国の参加を得て行われた安保理改革に関する全体会合を我が国は評価する。同会合は、安保理改革に関する政府間交渉に向けての政治的モメンタムを高め、今次総会期間中に具体的な成果を生み出すために貢献している。2008年も総会にとってまた忙しい年になるだろう。今後開催を予定している気候変動に関するパネルディスカッション、マネジメント改革、テロ対策、ミレニアム開発目標(MDGs)等についても、我が国はこれを支援し、積極的に参加する所存である。但し、テーマ別討論については、当初の目的を達成するために、注意深く前もって準備を進めることが必要である。
第二に、総会の作業の効率化を図り、総会での議論や決定がより効果的となるよう、加盟国や国連事務局が総会事務を改善する努力を払うことが重要である。このためには、総会議題の短縮化及び総会決議の簡潔化により、個々の議題に一層焦点を当てた議論を行うことや、行動志向のメッセージとすることが望まれる。また総会に提出される文書の削減や報告を組み合わせることにより、総会に関する作業の効率化を図る取り組みが重要である。これらは過去の決議で何度も確認されているが、未だに著しい改善はみられていない。事務局は更なる文書の削減に取り組むことが必要である。
第三に、国連の主要機関同士の連携の一層の強化が重要である。この観点から、総会議長、安保理議長、経社理議長、事務総長の連携強化が必要である。事務総長がこのために特に意を払っていることを留意する。事務総長が総会に時宜を得たブリーフィングや報告を行っていることを支持する。また、安保理議長と総会議長が総会の関心事項について検討するために定期的に会合することを歓迎する。国連主要機関の緊密な関係強化は今後も継続されるプロセスとして実施されるべきである。
第四は、総会の決議の履行である。総会で決められたことが実行されることが重要である点を強調したい。総会権限の維持・強化のためには、総会で決定された事項が誠実に、タイムリーに履行されることが必要である。同時に、効率的な決議履行のためには明確で正確なメッセージが重要である。決議のマンデートは、古くなく、重複がなく、お互いに矛盾が無いようにすべきである。この観点から、ナミビア大使とニュージーランド大使の共同議長の下で、マンデートレビューに新しい息吹を吹き込もうと加盟国が合意したことは意義がある。また、総会決議の履行状況を評価するためのアドホック作業部会を立ち上げ、総会の決議の履行状況をレビューすることは意義がある。
議長、
我が国は、総会の再活性化について建設的な議論が行われ、具体的な成果が得られるよう期待する。