平成19年11月6日(火曜日)
(英文はこちら)
議長
国際社会の絶え間ない努力により、民主化が進み、法の支配がより尊重され、全般的に人権状況は改善されてきた。人権委員会は、人権規範設定や各地の人権侵害を取り上げることにより、人権状況改善に貢献してきた。しかし、世界には人権侵害がまだ存在している。国際社会は、国連等を通じ、常に注意を払い、必要があれば効果的な行動をとる必要がある。
人権理事会の設置は2005年の国連首脳会合の主要な成果の一つであり、国連改革の一環として行われた。これは、国連システムにおける人権の主流化に向けた重要な一歩である。我が国は、制度構築決議を含む人権理事会報告書を歓迎する。これは、今後の同理事会の活動の基礎となるものである。ジュネーブにおいて種々の協議の結果採択されたものであり、第三委員会及び総会で修正無く採択されることが重要と考えている。
議長
普遍的定期的レビュー(UPR)制度は、制度構築に関する人権理事会決議5/1によって新たに設立された独自の制度で、全ての加盟国が等しく人権状況の審査を受けるものである。人権問題及び必要な支援を特定することで、国際社会における人権の保護・促進のために実効的に機能することが期待される。我が国も、最初に審査を受ける国の一つとして、来年5月に審査を受けることとなっている。我が国は、審査に全面的に協力する所存であり、他の加盟国も同様に協力することを求める。
決議5/1は、人権理事会による効果的な機能のために貢献している特別手続制度の継続を決定した。人権は普遍的な価値であるが、実際に人権侵害を扱う上では、当該国の歴史や慣習や文化など固有の実情にも配慮する必要もある。人権理事会によって任務を与えられた専門家は、人権理事会や第三委員会がとるべき手段について、有益な知見を提供してくれると信じている。
人権理事会は、各加盟国や地域社会の能力を強化し、現場の人権状況改善に資する機関となることが期待されている。その観点から、民主主義及び法の支配の実現によって人権状況を改善すべく取り組んでいる国に対しては、国際社会が後押ししていくことが重要である。我が国は、強固な民主的政府を有する国は、国内外における平和と安定に資することができると考えている。我が国は、今後も各国の自助努力を支援していく所存である。
我が国は、特に大規模かつ深刻な人権侵害に機敏かつ柔軟に対応していく上で、人権分野での新たな国際協力の精神と参考となるような良き慣行の確立を強く望む。それにより、国際社会がそれら人権侵害に対し、決断力を持って、迅速に、柔軟に対応できるようになる。
議長
国際社会、特に人権理事会理事国は、この新しい機関が世界各国の人権状況の改善のための能力強化に資する場となるようにすべきである。我が国は、人権理事会理事国として、対話と協力に基づき、世界の人権状況の改善のために積極的に建設的な役割を果たしていく。そのためには、国連人権高等弁務官を含む国連のこの死活的に重要な分野での活動への支援を継続する考えである。