平成19年7月19日
(英文はこちら)
議長、
最初に、安保理改革という未完の作業を前進させるため、貴議長が調整者プロセスを開始されたリーダーシップに、改めて感謝します。また、ムニョス・チリ常駐代表及びヴェナヴェザー・リヒテンシュタイン常駐代表から提出された報告書について議論するため今回の非公式会合を開催していただいたことに感謝するとともに、両常駐代表にも報告書作成にあたっての多大な努力に謝意を表します。
貴議長が開始されたプロセスが安保理改革の早期実現に向けた機運の維持のために大いに貢献したことは疑いありません。このことの重要性は、報告書が明確に述べているように、安保理の現状維持は多くの加盟国にとって受け入れられるものではなく、また、国連改革は意味のある安保理改革なくしては完成しないということからも、強調し過ぎることはありません。貴議長により2度にわたり調整者が指名され、これら調整者がコミットメントをもって広範な協議を実施し報告書を作成したことは、必要とされる機運を維持するとともに、安保理改革の今後の作業にとり有益な基礎を築く上で重要な一歩となります。
議長、
この機会に、日本としては、安保理はできるだけ早期に達成されなければならず、また、この改革は常任・非常任双方のカテゴリーが、先進国、途上国双方を含む形で改革されるべきであることを引き続き確信していることを改めて強調したいと思います。このような形の拡大によってこそ、先進国と途上国の代表性が数の上でも質の上でも改善され、もって、国際の平和と安全の維持に責任を有する重要な機関である安保理の作業の実効性と正統性が高まることになります。
我々は引き続きこの目標を追求します。この目標を追求するにあたり、安保理の作業方法の実質的な改善についても取り組まれる必要があります。また、最終的な成果を達成する際には小国の利益にも然るべき配慮が払われなければなりません。
議長、
2名の常駐代表による報告書に関し、いくつかコメントしたいと思います。
今回の報告書は、前回の5名の調整者による報告書とともに、中間的アプローチに沿って選択肢を絞り込もうと試みています。このようなアプローチの精緻化を図る意図について留意はするものの、日本としては、先に述べたとおり、常任・非常任双方のカテゴリーの拡大を通じた安保理の改革を引き続き支持します。この文脈において、非常に多くの加盟国が引き続きこの常任・非常任双方拡大による安保理改革という立場を支持していることを改めて想起したいと思います。我々としてはこのような立場が今回の報告書に適切に反映されることを期待しておりましたが、結果としてそうならなかったことに対し失望を表さざるを得ません。
安保理の作業方法の問題については、日本は引き続きこの問題を重視しており、更なる進展を期待します。
議長、
貴議長のリーダーシップにより、安保理改革の機運は再活性化されました。次期総会会期に向け、この新たな機運は維持され、更には強化されなければなりません。
また、貴議長が書簡の中で述べられた、次の段階は政府間交渉であるべきとの意見に意を同じくします。1990年代初めから10年以上にわたる安保理改革に関する議論を経て、我々は今、第62総会会期中に具体的成果を達成するため、現在の機運を踏まえ、政府間交渉の開始を含む行動を起こすべき段階に来ております。
2005年9月に採択された成果文書を実現に移すため、本年9月の一般討論演説のために結集する各国の指導者から、先に述べた目標に改めて賛同が得られることを期待します。また、総会議長が、この極めて重要な問題について引き続き必要な指針を与え、リーダーシップを発揮されることを望みます。同様に、関心国・グループの側も、この目標達成に資するため、具体的提案を提出することが慫慂されるべきです。
日本は、意味のある安保理改革の実現に向けて、来る政府間交渉に積極的かつ柔軟性をもって参画します。この作業をともに成し遂げるため、他の代表団にも同様の姿勢で交渉に臨むよう呼びかけたいと思います。
ありがとうございました。