演説

小町地球環境問題担当大使演説

アジア森林パートナーシップ第7回会合
小町恭士地球環境問題担当大使 開会挨拶

平成19年11月14日(水曜日)
於:パシフィコ横浜

ご参会の皆さま、

アジア森林パートナーシップ第7回会合の開会にあたり、共催者の一人として、一言ご挨拶を申し上げます。

最初に、世界各地からはるばるお越しいただきました皆さま方に対し、心から歓迎申し上げます。各国政府、市民社会、産業界、国際機関等から、このように多数の専門家のご参加をいただくとともに、国内からも多数のご参加をいただき、大変嬉しく思っております。
ここ横浜には、熱帯林の持続可能な経営の促進を担う国際機関である国際熱帯木材機関(ITTO)の本部が置かれています。皆さまの中にも、先週この同じ会場で開催されたITTOの理事会に参加された方がいらっしゃるかと思います。森林、そして環境問題に対する関心が高い当地において、この会合を開催できますことは、大変意義深いことだと思います。

皆さま、

アジア森林パートナーシップの発足から5年が経過し、現在、森林を取り巻く国際環境は急速な変化の時を迎えています。日々、新聞等で取り上げられているように、今日の最大の課題のひとつは気候変動問題であります。地球規模で早急な対応が求められる中、森林が果たす役割にますます大きな注目が集まりつつあるのはご承知のとおりです。
本年9月にシドニーで開催されたAPEC首脳会議において、「気候変動、エネルギー安全保障及びクリーン開発に関する首脳宣言」が採択されました。この宣言は、持続可能な森林経営の重要性に言及しつつ、アジア森林パートナーシップをはじめとする地域イニシアティブの重要性に触れています。また、来年、我が国は、G8北海道洞爺湖サミットの議長国を務めますが、気候変動を含む環境問題は、サミットの主要なテーマの一つになる見込みです。さらに、G8サミットに先立ち、ここ横浜市において来年5月に第4回アフリカ開発会議(TICADⅣ)が開催されます。そこでも森林を含む環境問題は優先事項の一つとなるでしょう。

皆さま、

違法伐採対策、森林火災予防、植林を中心に協力を推進してきた第1フェーズの成果を踏まえ、また、先ほど述べましたような森林を巡る国際的議論のダイナミズムの中で、本日の会合が、アジア森林パートナーシップの第2フェーズに向けて、さらなるモメンタムを与えることを期待しております。気候変動問題の文脈においても、森林に関する様々な新しいイニシアティブが生まれつつあります。これらを、重複や無駄がないように実効的なものとしていく過程で、アジア森林パートナーシップのように幅広いパートナーの間で情報や意見を自由に交換し、信頼関係を築いていくフォーラムは大変重要且つ貴重な役割を果たすことでしょう。

最後に、アジア森林パートナーシップは自発的で開かれた枠組みであります。本日、ご関心を持ってお集まりいただいた皆さま、ぜひ他の参加者と経験、知見を共有し、積極的なネットワーキングを試みて下さい。アジア森林パートナーシップの第2フェーズが、さらに多くの多様なパートナーの参加を得て、アジア大洋州地域の豊かな森林を守り、また、持続的に経営していくためのプラットフォームとして強化されることを祈念しております。

ありがとうございました。

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