平成19年12月28日
(1) 訪中の目的は、昨年秋以来、力強い足取りで発展しつつある日中関係の基盤をより強く踏み固め、その関係を新しい段階に引き上げること。
(2) 歴史上、日中両国が共に、今ほどアジアや世界の安定と発展に貢献できる力を持ったことはない。「日中両国は、アジア及び世界の良き未来を築き上げていく創造的パートナーたるべし」という強い信念を伝えたい。
(1) 長い歴史の中で不幸な時期があっても、これをしっかりと直視し、伝えていくことが我々の責務。過去をきちんと見据え、反省すべき点は反省する勇気と知恵があって、はじめて将来に誤り無きを期すことが可能になる。同時に、長い、実り多い豊かな交流があったことも忘れてはならない。
(2) 国交正常化後、一世代が過ぎ、日中関係と国際情勢は大きく変化
中国:今や国際経済の枢要なプレイヤー。政治面でも存在感・影響力高まる。
日本:日本経済の基礎は強固。政治的にもこれまで以上に自らの考えを主張。
(3) 日中両国の関係は過去に例がないほど緊密に。日中平和友好条約締結30周年を迎える2008年を日中関係飛躍元年に。
(1) 責任:今や日中はアジアと世界の安定と発展の行方を左右する存在に。世界が日中に注目し、期待している。「戦略的互恵関係」は時代の要請。
(2) チャンス:アジアと世界の安定と発展に貢献できる能力を持つに至ったことは、両国にとって大きなチャンス。
(1) 「互恵協力」
(2) 「国際貢献」
(3) 「相互理解・相互信頼」
1)青少年交流(大規模な青少年交流事業を継続。共に学び合う「人」を育てる。)
2)知的交流(地域・国際社会の諸課題解決のために共に貢献する人材を育てる。)
⇒北京大学の対日交流強化のためのプラン(グローバルな課題をテーマにシンポジウム実施、北京大学生100名の訪日招聘・研修実施等)
3)安全保障分野における交流(透明性を高めることを通じ、相互不信の芽を摘み、信頼醸成を育む。)
日中関係を世界の潮流・大義に沿って方向付け、未来を創造していくという姿勢が大切。共に国際社会に責任を持つ大国として、世界の大局を見据え、世界の期待に応えながら、「互恵協力」及び「国際貢献」に努めるならば、互いの立場の違いを乗り越え、「相互理解・相互信頼」を築くことは可能。そうすることで、アジアと世界の良き未来を共に創造していけると確信。
(1) 今後も日中関係は必ずしも平坦な道ばかりではない。そのような時こそ、感情的な言論に流されることなく、世界の潮流や大義に沿って日中関係を進めていく必要あり。
(2) 日中は単に利益・利害だけで結びついている存在ではない。長い交流の歴史を持つ隣国であり、互いの文化・伝統を共有し、その中で互いに拠って立つ基盤を共有。両国に深く埋め込まれた共通の基盤・価値に思いを致し、両国国民に日中の特別な関係を思い起こしてもらうべく、曲阜へ赴く。
(3) 魯迅の言葉を引用。共に歩き、共に道を造り、共に我々の未来を創り上げよう。「思うに希望とは地上の道のようなものである、もともと地上には道はない、歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」(魯迅『故郷』より)。
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