平成18年11月28日
(英文はこちら)
議長、
本日の会合を開催して頂き有り難うございます。ペルー外務大臣が本会合にご出席されますことに感謝申し上げます。
また、ラディカ・クマラスワミ紛争下の児童担当国連事務総長特別代表及びアン・ベネマンUNICEF事務局長によるブリーフィングに謝意を述べたいと思います。
議長、
まず、2005年7月に採択された安保理決議1612に基づき、安保理に対して安保理決議1612及び関連決議の実施の状況に関する事務総長報告が提出されたことを歓迎します。その内容は非常に参考となるものであります。児童の保護について進展が見られる一方、紛争下で児童が置かれている状況は引き続き深刻で驚くべきものです。例えば、最近の中東における紛争は、無垢な児童が紛争の犠牲者となることを改めて示しました。残念ながら、世界の多くの地域で依然として児童の徴兵、使用及びその他の紛争下の児童に対する深刻な違反行為が行われています。
事務総長報告の中で勧告されているように、わが国は、国際法に違反する児童の徴兵及び使用を停止するための行動計画の策定に取りかかるよう当事者に対して要請する国連の行動を完全に支持します。
議長、
わが国は、ブルンジ、コンゴ(民)、コートジボワール、ソマリア及びスーダン、スリランカ及びネパールにおいてモニタリング・報告メカニズムが設置されたことを勇気づけられる進捗として歓迎します。同メカニズムが紛争下の児童に対する違反行為に関する客観的で信頼のおける情報を提供し、紛争下の児童の状況を改善するための努力に資することを期待しています。
これまで、安保理に提出されたコンゴ(民)及びスーダンに関する報告は、ワーキング・グループが適切な勧告を策定するための有益かつ要を得た情報を提供したと考えます。
同時に、モニタリング・報告メカニズムを改善するためにより包括的な評価を行うことが重要だと考えます。このような観点から、わが国は先般、事務総長に提出された安保理決議1612の要請によるOIOSの独立レビューは検討のための有益な情報を提供しました。今後、ワーキング・グループによる詳細な検討に期待するとともに、モニタリング・報告メカニズムの改善策を検討し提示することを期待します。
我が国は、ワーキング・グループのこれまでの貢献を評価します。特に、関係者が具体的行動をとるようコンゴ(民)及びスーダンにおける紛争下の児童に関する勧告を策定したことを評価します。これら勧告の実施を通じ、紛争下にある児童の状況が改善することを強く期待します。
議長、
我が国は、地域社会及び個人のレベルで人々を保護し、エンパワーするために、「人間の安全保障」の理念を強く推進しています。この理念を推進する努力の一環として、我が国は多くの地域及び国、特にアフリカ諸国及びアジア諸国に対し、様々な支援を行っています。このような支援の一つの重要な分野は、武装解除・動員解除・社会復帰です。この分野及びその他の関連分野における支援は紛争下の児童及び成人兵士の保護にとって重要な要素であり、更なる支援が行われるべきです。
事務総長は、その報告の中でドナーに対し、児童の社会への再統合及び社会復帰に適切な支援を行うよう呼びかけています。わが国は、「人間の安全保障」の理念に基づき、例えば、大湖地域において、国連の関連機関を通じて、元児童兵社会復帰支援プログラムを実施しています。
議長、
最後に、紛争下の児童の問題は国際社会にとって優先的な課題の一つであり、安保理のみならず国連システムの全ての政策及びプログラムにおいて本問題が主流化されることが重要であることを強調したいと思います。日本は今後も紛争下の児童の問題に取り組んでいく所存であり、他のメンバー国、国連機関、国内機関、NGO及び市民社会と緊密に協力していきたいと思います。
有り難うございました。