演説

国連の場における演説

安保理改革作業部会における
安保理文書手続作業部会議長(大島国連大使)ステートメント(仮訳)

2006年4月20日

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議長、
 本件会合を招集頂き、そして私に発言の機会を与えて頂きありがとうございます。最初に、マヨール大使とベセル大使の副議長への指名及び再指名をそれぞれ祝します。両大使の巧みな指導力の下で、この重要な課題に関する更なる前進が出来ることを確信しています。

議長、
 安保理の作業方法の改善をはじめとする事項に責任を有する安保理の下部機関である安保理文書手続作業部会の現議長として、安保理の作業方法の問題について安保理を代表してステートメントを行えることを光栄に思います。

議長、
 国連の全ての主要機関がそうであるように、安保理はその作業方法の改善を行う継続的な努力の必要性を十分承知しています。また安保理メンバーは、一般加盟国の間に本件に対する強い関心が存在しているという事実を認識しており、その関心は正当性を有しています。この安保理改革作業部会で所謂クラスター2の問題に関して行われた、長期間に亘る詳細な議論の歴史は、このような関心を反映しており、これらの議論は、安保理の手続と作業方法の改善を目的とする幾つかのアイディアと提案を生み出してきました。昨年9月の首脳会合の成果文書のパラ154において、世界の指導者達は、安保理が、安保理メンバーではない諸国の安保理の作業における関与を増大し、適当な場合には、加盟国に対するその説明責任を向上させ、その作業の透明性を拡大させるよう、その作業方法を引き続き改定することを勧告しており、この勧告を実現しなければなりません。

 実際、1990年代と2000年代初頭には、主に安保理文書手続作業部会の作業を通じて、着実な前進が図られ、これらの改善策は安保理議長ステートメント又は安保理議長ノートの形で完全に文書化されています。また安保理自身の手続と作業方法の改善は継続的なプロセスであるべきであり、安保理の包括性、加盟国に対する説明責任及び透明性並びにその効率性及び実効性を向上するための更なる作業の余地は常に存在することも事実です。

 安保理は、本件に関する努力の強化の必要性を認識し、今年初めに過去2年間に亘って幾分不活発であった安保理文書手続作業部会における作業を活性化することに合意しました。この活性化努力の一環として、本作業部会の議長制度の変更が挙げられます。安保理は、断片的な結果を生み出しがちだった過去の慣習に代えて、より一貫性を持って本件作業を行うことを可能とする為に、月毎のローテーションの安保理議長が本作業部会の議長を務めてきた過去の慣習に代えて、本作業部会の議長の任期を試験的な試みとして数ヶ月間延長する決定を行い、日本が6月末まで同議長職を務めることとなりました。

議長、
 こうして新たな形態となった安保理文書手続作業部会は、第1グループの安保理の効率性を向上するための安保理内部の作業方法に関する問題と、第2グループの包括性、説明責任及び透明性の向上の必要性に対応するための非安保理メンバーとの関係に関する問題という2つのカテゴリーに関する作業を精力的に開始しました。

 安保理の規則及び手続並びに作業方法の決定に際して主導的な役割を果たすのは安保理自身であり、私は安保理がこの作業を実施していることを好ましく思います。そうは言いつつも、上述の2つのカテゴリーの問題に関する考察に際しては、最重要事項である安保理改革作業部会における長年の議論及び将来の議論の結果を含む全てのソースからの良好で実用的なアイディア及び提案を勿論踏まえ、これらから受益できることに留意することが重要です。

 私が挙げた2つのグループの問題の中でも、安保理と安保理非メンバーとの関係を規定する第2グループは、安保理改革作業部会のメンバーにとってより関心の高い事項でしょう。安保理文書手続作業部会では、これらの問題を第1グループの問題に対処した後の5月に取り上げる予定です。第2グループの議題の下で、安保理文書手続作業部会は、安保理と非安保理メンバーとの意思疎通の向上方法、一般加盟国、市民社会及びその他の機関の安保理の作業への参画の推進、その為の様々な形態の会合の最適な利用に関する方法の探求並びに一般加盟国及び国民に対するより効果的な情報普及の方法を検討する予定です。

 我々は安保理文書手続作業部会に於けるこれらの議論が、6月末までに安保理に採択を求めて提出される具体的な提案を生み出すことを期待します。

 しかしながら、如何なる早期の収穫物も可能な限り早急に実行されるべきであり、安保理文書手続作業部会は安保理に対して同作業部会に於いて合意を得た改善策を遅滞なく実施するよう求める予定です。

議長、
 最後に、安保理文書手続作業部会を通じて安保理が作業方法の改善のために採った追加的なステップは、具体的で重要なものであり、かつ我々の指導者達によって成果文書で示された勧告の線に沿ったものであって、安保理メンバーのみならず国連の一般加盟国も受益する目に見える成果に繋がることを目指しています。

 どうもありがとうございました。

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