2006年4月20日
議長、
我が代表団の見解を述べるために、私に2度目の発言の機会を与えていただいたことに感謝します。首脳会合成果文書のフォローアップとして、過去数ヶ月の間に、我々は、平和構築委員会及び人権理事会を創設しました。今や、安保理改革は、国連の機構改革において最後のかつ最も重要な問題の中で対処されるべき1つの事項として残っています。「安保理改革無くして国連改革は完了しない」とは、これまで多くの機会に述べられてきましたが、まさにそのとおりであるので、今一度ここで繰り返す意味があると思います。
我々が、この最後のかつ既に実現されて久しいはずの問題に取り組む時とは、今、つまり今期総会中です。我々は、何らかの結果を目指して、この問題に真剣にかつ精力的に引き続き取り組むべきです。この重要問題に関する行動が遅れていることについて、優先順位を理由に、また交渉テーブルが課題で一杯になっていることについての懸念を理由に、或いは「改革疲れ」を理由にすることは、説得されるものではなく、またほとんど全ての加盟国が、後刻にではなく速やかな解決を求めている安保理改革について挑むことが妨げられてはなりません。この関連で、我が代表団は、総会議長が安保理改革という目標の遂行について引き続き完全にコミットしていることを評価します。
議長、
安保理のメンバーシップの拡大に関し、本日の討議で発言した多くの代表団は、常任・非常任双方において拡大することへの支持を再確認しました。安保理の作業方法の改善については、より幅広い加盟国にとって一般的かつ大きな関心のあるものであることは明らかです。S5決議案の提出、またそれに対する幅広い支持は、この事実を証明しているように思われます。
多くの代表団は、また、安保理の作業方法の改善は安保理の構造が改革されるならばより効果的に実現されるであろうと指摘しました。つまり、クラスター I とクラスター II は分かれているものではなく、緊密に相互に関連しあっており、我々が真の安保理改革を達成するためにはそのように取り扱われなければならないことは明らかです。こうした意見は、前59総会中に達成されためざましい進展の上に立って、安保理改革を追求しかつ実現するための確固たる基盤が存在することの明確な証左です。
安保理改革という任務は、とりわけ国連の60年の歴史の中でこのような規模での努力がなされたことは初めてであることからも、明らかに重要なものです。国連が意味のあるそして実効的な機関として存続し得るか否かはこの点にかかっています。すべてのことが、国連の主要な活動にとって重要である機関(安保理)の改革のための努力が成功するかしないかにかかっています。
議長、
過去12年以上に亘り安保理改革のために積極的かつ真剣に取り組んできた国の代表として、日本政府の基本的立場について今一度述べたいと思います。日本は、安保理改革実現にむけての作業を断固として継続します。そのプロセスが如何に困難なものであっても、既に実現されて久しいはずの目標の達成に向けて、我々は、如何なる努力をも惜しみません。ブラジル、ドイツ、インドという他のG4諸国との協力を重視しつつ、我々は、前回総会時に我々が推進した決議案に反対した諸国も含めた全ての関心国との間での協議を通じて、加盟国から必要な多数の支持が得られる案を見いだす努力を継続していくつもりです。
議長、
昨年11月の総会審議以後、安保理改革に関して既に3本の決議案が総会に提出されました。これら決議案の提出は、加盟国の間に具体的な前進を遂げようとする強い関心が存在していることの確固たる証です。
日本は、S5決議案の提出を、安保理の作業方法改善のための諸提案を具体的にまとめるに至った真剣な努力を示すものとして、また安保理改革に関する議論の機運維持のために肯定的な動きとして歓迎します。S5決議案の内容については更に検討する必要がありますが、S5決議案は安保理の活動の透明性、包括性及び説明責任を高めるために起案されたと理解しています。また、その決議案の内容は、部分的にはOEWGの過去の議論を参考にしつつ起案されたものであることも理解しています。同決議案には、我が代表団としても支持できる内容が含まれていますが、S5決議案に関する我々の立場は、更なる検討の後に決定するつもりです。この関連で、日本は、安保理の文書・手続作業部会の議長として、現在行われている作業方法改善のプロセスにおいて安保理の中から取り組み、また出来る限りそのプロセスに貢献するつもりです。
議長、
OEWGの今後のあり方については、12年以上前に設置されて以来、OEWGは安保理改革の全ての側面について論じるための加盟国にとって有益な場として機能してきました。問題の複雑さ故に、鍵となる諸点については引き続き相違があり、安保理改革について一般的な合意にはまだ到達していません。時として討議は骨の折れるものであり、また、時々は失望させるものでもあります。しかしながら、我々は、OEWGの作業を通じて、安保理の拡大及び作業方法の改善の双方において対処すべき種々の重要点を洗い出すことが出来たという事実は見逃してはなりません。
この作業部会においてなされた作業の有効性について、時々疑問が指摘されることもありますが、我が代表団は、OEWGが安保理改革に関する討議及び意見交換のための重要な場の1つとして機能しつづけるべきであると確信しています。安保理改革に係る諸問題の困難さが、その価値又は妥当性を軽視する理由となってはなりません。今日の会合での一般的な意見交換を通じ、様々な議論のある事項について我々がどのような状況にあるのかについて評価することができました。意見交換や協議を通じ、新たな提案や決議案が検討されるべきと考えます。そして、貴両議長が、安保理改革プロセスを前進させるために、議長自らによる緊密な関与を含め、加盟国間の非公式な協議を促しかつ活性化すべきではないかと考えます。
どうもありがとうございました。