平成17年10月14日
議長、
まず、シャーシ・タルール国連広報局長に対し、事務総長報告に関する包括的で貴重なご説明を頂いたことに関し、御礼を申し上げたいと思います。また、この機会に、議長及び議長局の皆様に対し、選出されたことについてのお祝いの言葉を申し上げたいと思います。
議長、
先の首脳会合では、国連を強化するために、国連改革についての合意が成果文書として採択されました。町村外務大臣が一般討論演説で述べたとおり、「我が国は、実効的かつ効率的な国連を必要としており、首脳会合の成果文書を強く支持します。」国連改革は重要な課題であり、その意味で、タルール広報局長の指導のもとに進められてきた広報局の改革は、国連事務局改革の中でも率先されて実施されてきたものとして、わが国はこれを高く評価するものです。
我が国は、国連を強化するため、事務局・マネージメント改革の分野においても実効的な改革を結実させることが重要と考えており、広報局が推し進めてきた改革が更に結実するよう、努力が継続されることを希望します。
議長、
ご承知のとおり、OFF問題につきましては、独立調査委員会の最終報告書が先月発表され、国連に関する報告は完結しました。同報告においては、制裁下のイラクにおける人道支援という目的は達成されたことを評価しつつも、国連の管理能力、監査能力が厳しく問われる結果となりました。国連の不正・汚職問題が各国メディアを通じて国際社会に伝えられた結果、この問題が国連に対する国際社会の信頼を揺るがすものとなったことは否めない事実です。
広報局設立の趣旨が書かれた1946年2月13日の総会決議案には、「広報局の活動は、世界の人々による国連の作業と目的についての情報に基づいた理解を、最大限に促進するよう、組織し監督することである」と書かれています。また、今回配布された事務総長報告書においても、「広報局の使命は、国連の活動と懸念を戦略的に伝達することにより、国連の目的を達成することである」と書かれています。今こそ国連への信頼を取り戻し、国連改革に向けた努力や、その成果が、正確、公平、包括的かつタイムリーに国際社会に伝わるよう、広報局による最大限の努力を強く希望します。
議長、
我が国は厳しい財政状況にあるにもかかわらず、UNIC東京が広報局の限られた資金リソースを多大に吸収しないよう、本年35万ドルに上る財政支援を実施しました。これは3年間で70%以上の支援増加となるものです。
2006年は我が国が国連に加盟してから50周年を迎えます。この機会に、国民による国連への関心を高めることは、極めて重要であると考えます。この観点からも、国連がその理念および活動を日本語で発信する唯一の組織であるUNIC東京の役割は重要であり、我が国としても支援を継続する所存です。
議長、
この機会に、本年7月に、我が国は3万件を超える電子化された国連文書をダグ・ハマショルド図書館に寄贈致しましたことを手短にご報告したいと思います。これは、我が国が1970年代から80年代にかけての国連総会、安全保障理事会、経済社会理事会という国連の三主要機関の文書をデジタル化する作業を行った成果を、38枚のCDに収めて寄贈したものです。寄贈式典において、タルール広報局長は、同図書館は「収集リソース(collection based resources)からネットワーク化されたリソース(conneciton based resorecs)への変革を遂げている」と述べられました。我が国は、広報局が最新の情報技術を取り入れ、図書館の機能を拡充し、世界の人々により効率的にアクセス可能なプログラムを開発していることを評価しており、こうした取り組みに、我が国が少しでも貢献できたとすれば嬉しく思います。
議長、
ご承知のとおり、「自然の叡智」をテーマとして本年3月から我が国において開催された「愛・地球博(2005年日本国際博覧会)」が、9月25日、185日間の会期を終えて閉幕しました。この期間に当初の目標を大きく上回る2200万人が来場したことを、ご報告したいと思います。また、この場をお借りして、国連が国連コミュニケーション・グループ内に「05年万博諮問グループ」を設置し、博覧会の成功に積極的に取り組んできたことにあらためて感謝いたします。博覧会場内に設置された「国連館」では、健康、HIV/エイズ等の感染症対策など国際社会の重要な問題と国連の取り組みを紹介するイベントを実施するなどの精力的な活動が行われ、UNIC東京も広報面で重要な役割を果たしたと伺っております。
議長、
国連広報の強化と改善のために、我が国は引き続き国連並びに加盟国と協力していく所存です。