平成17年5月16日
議長、
本日の公開会合の開催を多とします。UNTAET、UNMISETと99年から続いたPKOが終了し、平和構築に焦点を置いた特別政治ミッションであるUNOTILへの移行を目前に控えたこのタイミングで、公開会合を開催し、UNMISETの評価とUNOTILへの期待につき意見交換することは適切な試みであると考えます。
我が国は、この一年間のUNMISETによる最後の「定着フェイズ(consolidation phase)」において、安定の確保、制度構築、民主主義及び人権の推進など種々の分野を含め、東チモール情勢全般的に目に見える前進が見られたことを心から歓迎いたします。最近の教会指導者によるデモが平和的に解決されたことは、東チモールにおいて民主主義が定着しつつあることの証左でもあると考えます。また、東チモールが、インドネシアをはじめとして、隣国との友好関係を強化していることについて、我が国として最大限の賛辞を送りたいと考えます。
議長、
我が国は、東チモールの制度構築に関して、司法分野、警察分野を含めて引き続き国際社会の支援が必要であるとの認識の下、先般、UNOTILを設置するための安保理決議1599(S/RES/1599(2005))が全会一致で採択されたことを歓迎いたします。
我が国としては、我が国は、ここまで和平プロセスを進展させてきた長谷川代表と初めとするUNMISETの努力に対して改めて敬意を表します。また、最後の国連ミッションとして新たに設置されるUNOTILを中心に、関係機関、諸国が一体となって、東チモールの独り立ちに向けて努力を結集し、残された一年間を有効に活用して、目標を達成すべきと考えます。特に、UNOTILには、今後の東チモールの持続可能な開発のため、二国間及び多国間ドナーの援助が最も効果的に行われるための調整役を果たすことを強く期待致します。
議長、
我が国は、アジアの友邦として、これまで東チモールにおける平和の維持及び定着に対し、UNMISETを通じ、また、多国間及び二国間の枠組みを通じて、極めて実質的に参画してきました。本年4月、東チモールのディリにて開催された開発パートナー会合においても、我が国として、人材育成及び制度構築に貢献するため、専門家派遣等の二国間援助を拡充していく考えを表明したところであります。
議長、
最後に、我が国は、PKOがその活動において明確な完了戦略を持ち、被支援国の側もこれを意識して自立向けて最大の努力をしていくことが極めて重要であると考えております。東チモールは、このような戦略が国連及び東チモール双方のたゆまぬ努力により成功しつつある好例であります。他のPKOにおいても、それぞれの状況に応じた完了戦略の下に、その活動を成功裡に終了するような努力が強化されることを期待してやみません。