外務報道官談話
シリアにおける化学兵器使用報道について
(外務報道官談話)
平成30年4月9日
1 4月7日(現地時間同日),シリア・アラブ共和国の首都ダマスカス近郊の東グータ地区において,化学兵器が使用された空爆により多数の市民が死亡したとの報道に接し,深く憂慮しています。
2 化学兵器の使用はいかなる場合でも許されるものではなく,化学兵器の使用が事実であれば,我が国として,これを強く非難します。
3 関係国及び機関による事案の早急な真相究明を期待します。また,我が国は,全ての暴力の停止に向け,国際社会と連携していく考えです。
[参考]東グータにおける化学兵器使用疑惑
反体制派の拠点であった東グータ地区は,その95%がシリア政府軍に制圧されたと見られており,最後に残された同地区内のドゥーマについて,停戦交渉が行われてきたが,交渉は不調に終わり,4月6日(以下,現地時間)にシリア政府軍側はドゥーマに対する空爆を再開。8日までに,96人が死亡と報じられている。7日には化学兵器の投下が行われ,49人が死亡したとされている。シリア政府及びロシア政府は化学兵器の使用を否定している。本件に関し,国連安保理会合がニューヨーク時間9日に開催される予定。
なお,8日,シリア国営通信は,東グータ地区の反体制派が48時間以内にシリア北部へ撤退することで合意したと報じている。