談話
シリア大統領選挙について(外務報道官談話)
平成26年5月2日
1 本年6月3日に予定されるシリアの大統領選挙により,本年1月の「ジュネーブ2」会議の枠組みの下で開始された,シリア政府と反体制派の直接対話の道が閉ざされることを懸念します。
2 シリア情勢の安定化には,2012年6月30日のジュネーブ・コミュニケの完全な実施を通じた問題の政治的解決が不可欠です。同コミュニケは,(1)シリア政府,反体制派及びその他のグループの相互の同意に基づく移行的な統治主体の確立,(2)憲法の起草と国民投票による承認,(3)自由,公正かつ複数政党による選挙の実施,等を含みます。
3 ジュネーブ・コミュニケの実施に向けて,両当事者による直接対話が早期に再開され,対話を通じて情勢が安定化することを強く期待します。
(参考)
1 4月21日,シリア人民議会議長は,大統領選挙の日程を発表。同発表によれば,立候補の受付は4月22日から5月1日までで,投票については,国外に居住するシリア国民は各国大使館において5月28日に,また,国内に居住するシリア国民は6月3日に実施予定。
2 5月1日,立候補の受付が締め切られ,報道によれば,立候補者は,バッシャール・アサド現大統領を含む24名。高等憲法裁判所が5月2日から立候補届の精査を行い,憲法及び選挙法に基づき,5日間以内に立候補受入れの可否について第1回発表を行う予定。