外務報道官談話
ベネズエラ・ボリバル共和国情勢について
(外務報道官談話)
平成31年1月11日
1 2018年5月20日にベネズエラで実施された大統領選挙は,広範なベネズエラ国民の参加を欠く等,選挙プロセスの正統性につきG7を含む国際社会から広く疑義が呈されてきました。これに対し,ベネズエラ政府が十分な説明責任を果たさないまま,今般,大統領就任式が実施されたことは遺憾です。
我が国としては,ベネズエラ国民の自由に表明された意思に基づき,その広範な参加を得て,諸問題が解決され,一刻も早く民主主義が回復されることを強く求めます。2 また,我が国は,現下のベネズエラの経済・社会状況の悪化により,特に脆弱な状況にあるベネズエラ国民に深刻な影響が及んでいること,及び,避難民の流出等により,周辺国を含め地域規模で影響が及んでいることを懸念しています。
我が国は,人間の安全保障の理念に基づき,避難民を含むベネズエラ国民への民生支援に加え,影響を受けている周辺国に対しても支援を継続していきます。
(参考)ベネズエラ情勢
(1)2018年5月20日,ベネズエラにおいて実施された大統領選挙で,現職のマドゥーロ大統領が再選。主要野党は,同選挙は公平な条件を欠くとして,選挙に不参加。G7並びにペルー,コロンビア等から成るリマグループは選挙の正統性に疑義を呈し非難声明を発出。米国は従来からの制裁を強化(カナダ,EU等もこれまで個人制裁を実施)。
(2)ハイパーインフレーション,原油生産の減少等経済は逼迫,食料品・医薬品等の基礎物資も不足し,避難民は貧困層にも拡大し,感染症拡大リスク等も上昇。周辺国への避難民は約220万人に達し(2018年12月国連作成資料),地域の問題に発展。
(3)我が国はベネズエラ国民が直接裨益する民生支援を継続して実施しており,平成29年度及び30年度については,総額約170万ドルの支援を決定済み。