談話・コメント

岡田外務大臣談話

おざき くにこ政策研究大学院大学教授・外務省参与
の国際刑事裁判所(ICC)裁判官当選について

平成21年11月19日

  1. 11月18日(水曜日)(オランダ時間)、ハーグで開催されている国際刑事裁判所(ICC)第8回締約国会議において、ICC裁判官補欠選挙が行われ、我が国から立候補していたおざき久仁子(おざき くにこ)政策研究大学院大学教授・外務省参与が当選したことを歓迎します。
  2. 我が国は、ICCを通じた国際刑事法・人道法の発展に積極的に参画していくとともに、人材面でもICCに最大限の貢献を行っていく考えです。今次補欠選挙で、おざき教授が当選を果たしたことは、同教授への高い評価を示すものであるのみならず、このような我が国の積極的な姿勢が認められたことを意味しており、その意義は大きいと考えます。
  3. おざき教授は、我が国における人権・人道分野の国際法実務や刑事法実務に精通しており、今後、ICC裁判官として、一層の活躍を期待します。

(参考)

1.国際刑事裁判所(ICC)

 ICCは、「国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪」(ICCローマ規程前文)を行った個人を国際法に基づき訴追・処罰するため2002年に発足した史上初の常設国際刑事裁判所。オランダ(ハーグ)に所在し、2009年11月現在、締約国数は110ヵ国。我が国は2007年10月1日に加盟し、105番目の締約国となった。

2.ICC裁判官補欠選挙

(1) 任期が2018年までの空席裁判官2名にかかる補欠選挙。日本人初のICC裁判官であった齋賀富美子裁判官(2007年11月に就任)の逝去(4月)及びガイアナ出身裁判官の辞任を受けて実施されたもの。11月18日からハーグで行われた。

(2) 今回の補欠選挙には、我が国のほか、コロンビア、アルゼンチン、ガイアナ及びチリの計5ヶ国が候補者を擁立した。選挙の結果、第1回目投票で、おざき候補のトップ当選(全92票中79票)が確定した。なお、もう1つの空席については、いずれの候補も3分の2の得票率(62票)に達しなかったため、当選者の決定は第2回目以降の投票に持ち越しになった。

3.おざき久仁子政策研究大学院大学教授・外務省参与(大使)

 我が国の刑事法分野及び人権・人道法分野の専門家であり、現在、政策研究大学院大学教授兼外務省参与(大使)。1979年に外務省入省後、条約局法規課、国連代表部等で国際法分野の業務に従事し、法務省刑事局、同省入国管理局難民認定室長(1998~99年)を経て、外務省総合外交政策局人権難民課長(1999~2001年)。その後、東北大学大学院法学研究科教授(2001~04年)、神戸大学大学院国際協力研究科教授(2003~04年)、在ウィーン代表部公使(2004~06年)、国連薬物犯罪事務所(UNODC)条約局長(2006~09年)を歴任。本年4月より現職(本年4月~10月までは生物多様性条約COP10担当大使を兼務)。東京大学教養学部(国際関係論)卒業(1978年)、オックスフォード大学修士号(国際関係論)取得(1982年)。

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