【参考】 スリランカ内戦
(1)スリランカ独立後の多数派シンハラ人(人口の約8割)中心の政治に対し、少数派タミル人(同約2割)の反政府武装組織「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」が1983年以降、自爆テロ等で武装闘争を継続。これまでに7万人以上が犠牲。2002年にノルウェーの仲介で停戦合意が結ばれ和平交渉が行われたが、中断。2005年のラージャパクサ大統領就任後、2006年より戦闘が激化し停戦が崩壊、2009年初めから3月にかけて北部LTTE支配地域にあった主要拠点が陥落。昨年以降一時20万人にも上る国内避難民(IDP)がLTTE支配地域内に発生。
(2)最近の戦闘でLTTEを残り数キロ平方メートルに追い詰めていたスリランカ政府軍は、16日午前、LTTEが支配していた海岸線を全て政府軍が奪取し、LTTEの海上へのルートは完全に絶たれるとともに、LTTEの残りの地域は内陸部の約1キロ平方メートル以下(一部報道)となった。
(3)16日、ラージャパクサ大統領は訪問中のヨルダンで「政府軍がテロリストであるLTTEを打ち破ったことを宣言する」として勝利宣言。
(4)スリランカ政府軍報道官は、14日~17日午前までに約7万2千名以上が保護を求めて政府支配地域に逃れ、非戦闘地域に囚われていたIDPを全て救出した旨明らかにした。
(5)LTTEは17日、戦闘地域における一般住民を救うため戦闘を停止する旨のパドマナーダンLTTE国際部長名の声明をタミルネット(親LTTEウェブサイト)を通じて発表した。
(6)ラージャパクサ大統領は19日、国会において、戦闘終結を宣言するとともに、今後は国内避難民の再定住、民族融和ための政治解決を進め、民族の一致団結によって国家開発に取り組んでいく旨のスピーチを行った。