談話・コメント

中曽根外務大臣談話

カンボジア・クメール・ルージュ裁判の初公判の実施について

平成21年2月17日
  1. 2月17日(火曜日)、カンボジア王国の首都プノンペン市の郊外にあるクメール・ルージュ裁判特別法廷において、カン・ゲックイアウ(通称ドゥイッ)S21国家中央治安本部(トゥオルスレン政治犯収容所)元所長に関する冒頭審問が行われました。我が国としては、今回のクメール・ルージュ裁判の初公判の開廷を心から歓迎します。
  2. 我が国は、本件裁判はカンボジアに平和を定着させるために不可欠との観点から、上級審判事に野口元郎(のぐち もとお)国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)教官兼外務省国際法局国際法課検事を派遣し、財政的にも国連負担分当初予算の半分に相当する約2,161万ドルを拠出するなど、その実現のために積極的に外交努力を展開してきました。
  3. 我が国としては、現在拘束中の旧クメール・ルージュ政権幹部がいずれも高齢化する中で、同政権下で行われた重大な犯罪を裁く本件裁判が、適正に、かつ迅速に実施されることを強く期待します。

(参考)

 クメール・ルージュ(KR)裁判は、1970年代後半に大量の自国民を虐殺したとされる旧クメール・ルージュ政権幹部を、国連の支援を得てカンボジア国内法廷にて国際水準の裁判を実施するもの。

 2006年7月に本件裁判は立ち上がり、これまでドゥイッ・トゥオルスレン政治犯収容所元所長(66歳)、ヌオン・チア元国民議会議長(81歳)、イエン・サリ元外交担当副首相(78歳)、キュー・サンパン元国家幹部会議長(77歳)等5名の被疑者が逮捕されている。

 我が国は、上記支援に加え、2010年末までの新規資金需要(約7,645万ドル)への支援を行うべく、先般成立した20年度補正予算にて約1,794万ドル、国会審議中の21年度当初予算(政府原案)にて約347万ドルを計上している。

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