談話・コメント

中曽根外務大臣談話

齋賀富美子国際刑事裁判所(ICC)裁判官の再選について

平成21年1月20日
  1. 1月19日(月曜日)(米国東部時間)、ニューヨークの国際連合本部で開催されている第7回国際刑事裁判所(ICC)締約国会議再開会期において、ICC裁判官通常選挙が行われ、我が国から立候補していた齋賀富美子(さいが ふみこ)ICC裁判官が再選されたことを歓迎します。
  2. 我が国は、ICCを通じた国際刑事法・人道法の発展に積極的に参画していくとともに、人材面でもICCに最大限の貢献を行っていく考えです。今次選挙で、初の日本人裁判官である齋賀裁判官が再選を果たしたことは、同裁判官への高い評価を示すものであるのみならず、このような我が国の積極的な姿勢が認められたことを意味しており、その意義は大きいと考えます。
  3. 齋賀裁判官は、我が国における人権・人道問題の第一人者として、一層の活躍を期待します。

(参考)

  1. 国際刑事裁判所(ICC)

     ICCは、「国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪」(ICCローマ規程前文)を行った個人を国際法に基づき訴追・処罰するため2002年に発足した史上初の常設国際刑事裁判所。オランダ(ハーグ)に所在し、2009年1月現在、締約国数は108ヵ国。我が国は2007年10月1日に加盟し、105番目の締約国となった。

  2. ICC裁判官通常選挙

    (1)定員18名のうち、3年毎に6名の裁判官(任期9年)が締約国会議によって選出される。今回の通常選挙は、日本、キプロス、南ア、ボリビア、カナダ、イタリア出身の6名の任期終了に伴い、1月19日からニューヨークで行われた。

    (2)我が国のほか、オランダ、ギリシャ、イタリア、ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ガイアナ、コロンビア、エクアドル、ボツワナ、ザンビア、ケニア、ガンビア、マダガスカル、コンゴ民主共和国、シエラレオネ、セネガル、南アフリカ、ナイジェリア、ブルキナファソ、ベナンから合計21名が立候補した(選挙前にコロンビア及びザンビアの候補が辞退。)。選挙の結果、第一回目投票で、ガイアナ(シャハブディーンICTY裁判官(79票)及び齋賀裁判官(72票)の当選が決定した。残りの候補17名はいずれも必要得票数(72票)の獲得に至らなかったため、残る4裁判官の選出は第二回目投票以降に持ち越された。

  3. 齋賀富美子ICC裁判官

     2007年11月に行われた裁判官補欠選挙で選出された現職のICC裁判官。抽選の結果、任期が2009年3月までとなったため、今次選挙において再度立候補した。これまで、国連女子差別撤廃委員会(CEDAW)委員(2001年~2007年)や我が国初の人権担当大使を務めた我が国の人権分野の第一人者。他に、駐ノルウェー兼アイスランド特命全権大使、国際連合日本政府代表部大使、埼玉県副知事等を歴任。

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