
中曽根外務大臣談話
イラクの化学兵器禁止条約(CWC)加入について
平成21年1月14日
- 1月13日(火曜日)、イラクは、化学兵器禁止条約(CWC)締結のための加入書を国連に寄託しました。これにより、寄託日から30日後、イラクについてCWCが発効します。
- イラクによるCWCの加入は、中東地域諸国の間での信頼醸成に寄与し、国際社会における大量破壊兵器の軍縮・不拡散の推進に向けた大きな一歩であり、我が国としてもこれを大いに歓迎します。
- 我が国はこれまで、化学兵器禁止機関(OPCW)技術事務局、米、英等と協力しつつ、イラクのCWC締結準備のための財政的・技術的貢献等を通じて、同国のCWC締結を継続的に支援してきました。今回の加入書寄託は、こうした我が国の粘り強い外交努力の成果でもあると考えています。
- 我が国としては、他のCWC未締結国も早急に同条約に締結することを改めて呼びかけるとともに、大量破壊兵器の軍縮・不拡散の一層の促進に向けて努力を行っていきます。
【参考1】化学兵器禁止条約(CWC)
(1)化学兵器の生産・保有・使用等を包括的に禁止し、既存の化学兵器の全廃を定めるとともに、条約の遵守を検証制度(申告と査察)により確保している。1997年4月に発効。イラクを含む締約国数は186か国(未締結国としては、北朝鮮、ミャンマー、イスラエル、シリアなど)。
(2)イラクは、イラン・イラク戦争においてイラン及び自国内のクルド人に対して化学兵器を使用したが、国連による査察活動(我が国要員も参加)等の結果、大量の化学兵器が廃棄された。
【参考2】イラクのCWC締結に向けた我が国貢献の例
過去4回にわたって、「イラクのCWC締結支援トレーニング・コース」をOPCW技術事務局、米、英とともに共催。我が国は開催資金の一部を負担するとともに、専門家を派遣(2005年7月、2006年2月、同年12月、2007年10月)。