談話・コメント

高村外務大臣談話

グルジア・南オセチア情勢について

平成20年9月9日
  1. 8日、サルコジ仏大統領がロシアを訪問し、メドヴェージェフ露大統領他と会談を行い、武力衝突以前のラインまでのロシア軍の撤退、少なくとも200人のEUからの監視員を含む国際監視メカニズムの構築、本年10月15日のジュネーヴにおける南オセチア及びアブハジアの安全と安定の確保等に関する国際的な議論の開始などで合意した。
  2. 我が国は、国際法にのっとった領土保全の原則に基づく平和的解決を一貫して支持しており、今次訪問の成果は、グルジアにおける紛争の平和的解決に向けた前向きな進展と評価している。
  3. 我が国は、紛争開始直後よりサルコジ仏大統領のイニシアティブによるEUの和平仲介努力を一貫して支持している。今回の合意が現場において着実に実施されることが重要であり、引き続き情勢を注視していく所存である。
  4. また、10月15日に開始される予定の南オセチア及びアブハジアの安全と安定の確保等に関する国際的議論を行うことで合意されたが、この国際的議論を通じ、南オセチア及びアブハジアをめぐる諸問題が国際社会の受け入れられる形で解決されることを期待する。

(参考)

  1. サルコジ仏大統領は8日、モスクワを訪問し、メドヴェージェフ露大統領他と会談。主な同席者は以下のとおり。バローゾ欧州委員会委員長、ソラナCFSP上級代表、クシュネール仏外務・欧州問題相、ラヴロフ露外相、プリホジコ露大統領補佐官、シュヴァロフ露第一副首相他。なお、サルコジ大統領一行は、同日グルジアを訪問、サーカシヴィリ大統領と会談を行った。
  2. サルコジ仏大統領の訪露結果概要に関する主なポイント

    (1)今後7日以内に、ポチからセナキまでのライン(両端を含む)にある5つの監視ポストから、すべてのロシア平和維持部隊を撤退。

    (2)本年10月1日までに少なくとも200名のEUからの監視員を含む国際監視メカニズムを展開。また、その後10日以内に、南オセチア及びアブハジアに隣接する地帯からすべてのロシア平和維持部隊を戦闘行動開始以前のラインまで撤退。

    (3)本年10月15日にジュネーヴで、(6原則合意第6項に規定された)南オセチア・アブハジアの安全の確保等に関する国際的議論を開始。

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