談話・コメント

高村外務大臣談話

齋賀富美子人権担当大使の国際刑事裁判所(ICC)裁判官当選について

平成19年12月1日
  1. 11月30日(日本時間12月1日)、ニューヨークの国際連合本部で開催されている第6回国際刑事裁判所(ICC)締約国会議において、ICC裁判官補欠選挙が行われ、我が国から立候補していた齋賀富美子(さいが ふみこ)人権担当大使が105票中82票を獲得し第1位で当選した。
  2. 我が国は、ICCを通じた国際刑事法・人道法の発展に積極的に参画していくとともに、人材面でもICCに最大限の貢献を行っていく考えである。我が国にとって最初の裁判官選挙であった今次選挙で、日本人裁判官が誕生したことは、このような我が国の積極的な姿勢が認められたことを意味しており、その意義は大きいと考える。
  3. 齋賀大使は、外交官としての永年の経験を通じて、人権・人道分野の国際法実務に精通しており、今後、アジア出身の初の女性ICC裁判官として一層の活躍が期待される。

(参考)

1.国際刑事裁判所(ICC)

 ICCは、「国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪」(ICCローマ規程前文)を行った個人を国際法に基づき訴追・処罰するため2002年に発足した史上初の常設国際刑事裁判所。オランダ(ハーグ)に所在し、2007年11月現在、締約国数は105ヵ国。我が国は2007年10月1日に加盟し、105番目の締約国となった。

2.ICC裁判官補欠選挙

(1)定員18名の裁判官のうち仏、アイルランド及びトリニダード・トバゴの裁判官の辞任により3名が空席となっていたことから、11月30日にニューヨークで補欠選挙が行われた。

(2)我が国のほか仏、トリニダード・トバゴ、パナマ、ウガンダから合計5名が立候補し、齋賀大使のほか、フランスのコット氏が当選したが、残る1席については、確定せず、12月3日(月曜日)に再投票となった。

(3)今次補欠選挙で選出された裁判官の任期は、今回辞任した3名の裁判官の残り任期を引き継ぐこととなっており、三人目の当選者の確定後くじ引きにより2009年3月10日又は2012年3月10日のどちらかに決定される。

3.齋賀人権担当大使

 現在、我が国の人権担当大使(2005年~)及び国連女子差別撤廃委員会(CEDAW)委員(2001年~、2002年及び2006年に再選)を務める我が国の人権分野の第一人者。これまで駐ノルウェー兼アイスランド特命全権大使、国際連合日本政府代表部大使、駐シアトル日本総領事、埼玉県副知事等を歴任。

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