談話・コメント

外務報道官談話

パレスチナ挙国一致内閣の成立について

平成19年3月18日

  1. 我が国は3月17日(土曜日)、アッバース・パレスチナ自治政府大統領の和平努力の結果、パレスチナ挙国一致内閣が成立したことを歓迎する。
  2. 我が国としては、新内閣の成立が、イスラエルとパレスチナの共存共栄の原則の下で、和平プロセスの再開及び暴力の終結につながることを強く期待し、新内閣の今後の具体的対応を注視していく。
  3. 我が国は、「平和と繁栄の回廊」構想の推進とともに、引き続き政治的働きかけ、対パレスチナ支援、信頼醸成を通じて和平プロセス進展に向けた関係者の和平努力を支援していく。

【参考】パレスチナ挙国一致内閣成立の概要

  1. 3月17日(土曜日)、ハマスとファタハ(アッバース自治政府(PA)大統領の支持基盤)を中心とするパレスチナ挙国一致内閣が、パレスチナ立法評議会(PLC、議会に相当)において賛成83票、反対3票で信任を得て成立した。なお、PLCは132議席であるが、現在41人の議員がイスラエルにより拘束中。
  2. 前内閣に引き続き、首相に指名されたイスマイール・ハニーヤ首相は17日、新内閣の施政方針演説を行った。主なポイントは以下のとおり。

    (1)(アラブ和平イニシアチブを含む)アラブ首脳会議諸決議等が定める国民的な諸目的の実現に取り組むことにコミットする。その上で国際的な諸決議及び過去にPLOが署名した諸合意を尊重する。

    (2)抵抗がパレスチナ国民の正当な権利であることを確認するが、現在の「平穏」を強化・拡大し、包括的、相互的、同時的な平穏を目指し努力する。

    (3)EUとの強固な関係構築に関心があり、EUのより大きな役割を期待。また露、中国、日本、アフリカ・アジア諸国との関係強化を希求する。米に対しては、不公正な立場を見直し、パレスチナ人民の選択を尊重するよう呼びかける。

  3. 首相を含む25閣僚のうち、ハマス系12名、ファタハ系6名、独立系・少数会派系7名となった。主要閣僚以下のとおり。

    (1)副首相:アッザーム・アハマド(ファタハ)

    (2)外務庁長官:ジヤード・アブ・アムロ(独立系)

    (3)財務庁長官:サラーム・ファイヤード(PLC少数会派「第三の道」。元財務庁長官)

    (4)内務庁長官:ハーニ・カワセミ(独立系)

  4. 新内閣成立後の各国の反応(18日時点)
     EU及び露は挙国一致内閣の成立を歓迎。英は挙国一致内閣成立に果たしたアッバース大統領の努力を歓迎。仏は新内閣が過去の合意や国際的な義務にコミットすることへの期待の下、新内閣を支持。米、イスラエル等の公式な反応は未発出。
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