談話・コメント

外務報道官談話

「北朝鮮の人権状況」決議の国連総会第3委員会における採択について

平成18年11月18日

  1. 17日午前(現地時間)、ニューヨークで開催中の国連総会第3委員会において、我が国がEUと協力して作成・提出した「北朝鮮の人権状況」決議が、昨年に続き賛成多数により採択された。
  2. 拉致問題が国際的懸念事項であり他の主権諸国家の国民の人権を侵害するものであること、国際社会が連携した努力を強化すること、国連事務総長が北朝鮮の人権状況に関する包括的な報告書を提出すること等、昨年より内容が強化された本件の決議が、昨年以上の支持を得て採択されたことを我が国としては高く評価する。
  3. また、本決議が、加盟国192ヶ国からなる国連総会第3委員会で採択されたことは、拉致問題の早期解決を含む北朝鮮の人権状況の改善に向け、国際社会が連携を強化し明確なメッセージを発出するものとしてその意味は重く、北朝鮮の人権状況改善に向けての圧力となるものと考える。
  4. 我が国としては、本決議の採択を踏まえ、北朝鮮が同決議に示された国際社会の声を真摯に受けとめ、拉致問題を早期に解決するよう引き続き強く求めるとともに、北朝鮮人権状況特別報告者の北朝鮮への受け入れをはじめとする人権状況の改善に向け誠意ある対応をとるよう強く働きかけていく考えである。

(参考)

  1. 投票結果

     本年は賛成91票、反対21票、棄権60票で採択、共同提案国は、わが国、EU諸国、米、トルコ、ニカラグア、パラオなど52ヵ国(詳細は以下参照)。昨年は、国連総会第3委員会では賛成84票、反対22票、棄権62票、国連総会本会議では賛成88票、反対21票、棄権60票。共同提案国数は45ヶ国。総会第3委員会メンバーは国連全加盟国(192ヶ国)。

     第61回国連総会第3委員会・「北朝鮮の人権状況」決議投票結果

    • 賛成(91ヵ国)(は共同提案国(52ヵ国))

      【アジア大洋州】日本、韓国、豪州、ニュージーランド、パプアニューギニア、ソロモン、サモア、フィジー、トンガ、パラオ、ミクロネシア、マーシャル、ツバル、ナウル、東ティモール、フィリピン、ブータン、モルディブ【北米】米国、カナダ【中南米】パナマ、ニカラグア、エルサルバドル、ホンジュラス、ドミニカ共和国、グアテマラ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、ペルー、エクアドル、チリ、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビア、ベリーズ【欧州】モナコ、アンドラ、ルクセンブルク、ラトビア、アイスランド、英国、アイルランド、オランダ、フランス、ベルギー、スペイン、ポルトガル、イタリア、サンマリノ、マルタ、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、エストニア、リトアニア、セルビア、モンテネグロ、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ルーマニア、アルバニア、ブルガリア、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国、ウクライナ、モルドバ、ドイツ、ハンガリー、チェコ、スロバキア、ギリシャ、キプロス、オーストリア、スイス、リヒテンシュタイン、ポーランド、スロベニア、グルジア、カザフスタン【中東】イスラエル、トルコ、レバノン、モロッコ、イラク、アフガニスタン、サウジアラビア【アフリカ】ガーナ、コモロ、マラウイ、ギニアビサウ

    • 反対(21ヵ国)

      【アジア大洋州】北朝鮮、中国、ベトナム、ラオス、インドネシア、ミャンマー【中南米】キューバ、ベネズエラ【欧州】ロシア、ベラルーシ、ウズベキスタン、タジキスタン【中東】エジプト、アルジェリア、シリア、リビア、イラン、スーダン【アフリカ】トーゴ、ナミビア、ジンバブエ

    • 棄権(60ヵ国)、()内は欠席(20ヵ国)

      【アジア大洋州】タイ、マレーシア、カンボジア、シンガポール、ブルネイ、インド、パキスタン、ネパール、バングラデシュ、スリランカ【中南米】コロンビア、バハマ、コスタリカ、ハイチ、バルバドス、スリナム、アンティグア・バーブーダ、ジャマイカ、ガイアナ【欧州】トルクメニスタン、アゼルバイジャン、キルギス【中東】ヨルダン、アラブ首長国連邦、イエメン、クウェート、バーレーン、カタール【アフリカ】モーリシャス、ナイジェリア、中央アフリカ、セネガル、マリ、モーリタニア、カーボヴェルデ、コートジボワール、ブルキナファソ、ベナン、ニジェール、リベリア、シエラレオネ、マダガスカル、カメルーン、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、ジブチ、ルワンダ、ブルンジ、南アフリカ、モザンビーク、アンゴラ、ボツワナ、レソト、スワジランド、ザンビア、エチオピア、エリトリア、タンザニア、ケニア、ウガンダ(【アジア大洋州】モンゴル、バヌアツ、キリバス【中南米】トリニダード・トバゴ、グレナダ、セント・ルシア、セントクリストファー・ネーヴィス、ドミニカ、セントビンセント【欧州】アルメニア【中東】チュニジア、オマーン【アフリカ】ガボン、チャド、サントメ・プリンシペ、ギニア、赤道ギニア、ガンビア、セイシェル、ソマリア)

  2. 今後12月中下旬の国連総会本会議で採決に付される予定。
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