談話・コメント

コンゴ民主共和国 大統領・国民議会選挙
コンゴ民主共和国国際平和協力隊(日本政府派遣選挙監視団)所感

2006年8月1日、キンシャサにて

  1. 日本政府により派遣されたコンゴ民主共和国国際平和協力隊の選挙監視団は、7月22日から31日までの間、キンシャサ市の4選挙区において選挙キャンペーン、選挙準備、投票及び開票の各プロセスについて監視活動を行った。30日の投票日には、当選挙監視団8名は10の施設に設置された計59の投・開票所の監視を行った。
  2. コンゴ民主共和国では、2002年の紛争の終結以降、新たな民主国家に向けた国づくりの努力が続いており、今次大統領及び国民議会選挙は、民主的な政府の樹立過程における極めて重要な一歩である。当監視団の活動は、他の選挙監視団とともに選挙の公正性につき確認することを通じ、今次選挙結果を礎として新たな一歩を踏み出すコンゴ民主共和国の人々を支援することを目的とするものであった。
  3. 当監視団の監視活動は、時間的、地域的に限られた範囲内のものであったが、当監視団の見聞した範囲においては、選挙準備、投票及び開票のいずれも、多少の技術的な問題を除けば、選挙法令等に則って適正に行われていたと認められた。また、今次選挙は、これまでのところ、一部地域において数件の事件が発生したものの、概ね平穏な環境の中で自由かつ公正に行われたものと見られる。
  4. また、当監視団は、投・開票所職員の事前研修の様子を視察したり、投・開票所の監視活動を行った際に、同職員が選挙準備から投票、そして深夜に及ぶ開票作業まで、熱意を持って個々の任務を遂行していたことに深い感銘を受けた。このような姿は、コンゴ民主共和国の人々の和平に向けた強い願いを表すものであると考える。
  5. 今次選挙の実施に際しては、広大な国土にインフラが不足するという困難の中で、独立以来初の本格的な民主的選挙の実施ということもあり不慣れな面があったものの、選挙に関する啓発、有権者登録、投・開票所職員の育成、選挙資材の調達・配布等極めて多くの課題を克服し、選挙が、概ね順調に実施されたことを歓迎する。選挙の成功に向け多大な努力を払った独立選挙委員会(CEI)、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUC)をはじめとする選挙を支援した国際社会、そして何よりも、新たな国づくりのため投票所に足を運んだコンゴ民主共和国の人々に対し、心から敬意を表する。
  6. 最後に当監視団としては、今後、集計・異議申し立て等のプロセスが適正に実施され、公正かつ透明な過程を経て結果が確定されれば、それを全ての関係者が受け入れ、コンゴ民主共和国国民が一体となって民主的な国づくりに向けた道を力強く歩んでいかれることを期待する。
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